会長あいさつ
私たちの主張
医療運動
報道関連
共済制度
入会案内
リンク
ご意見・お問い合わせ

北海道保険医会事務局

〒060−0042
札幌市中央区大通西6丁目
6番地 北海道医師会館3階
TEL(011)231−6281
FAX(011)231−6283

 アクセスマップ


Adobe Flash Playerはこちらからダウンロードしていただけます


Adobe Readerはこちらからダウンロードいただけます

アクセスカウンタ

今日 : 130
昨日 : 117
今週 : 710
今月 : 2536
総計 : 1080268
平均 : 341

[事業報告] 第6回代議員総会

 
医療改善に向けて決意新たに

満場一致で総会決議を採択

 

 5月26日、第6回代議員総会を開催し、全道各地より代議員74人(委任状22通・定足数39)が出席した。議案審議では29年度活動報告・収支決算、30年度活動方針・予算案が承認され、最後に総会決議を満場一致で採択した。

              

 はじめに挨拶に立った加藤康夫会長は「今年は診療報酬・介護報酬等の改定や関連法の改正が行われる等、社会保障制度が大きく変化しようとしている。本日は代議員の先生方に本会の活動報告と新年度の活動方針について活発なご審議をお願いしたい」と述べた。
  議案審議に先立ち笠井康広議長、荻野英二副議長の代議員総会設立宣言後、昨年度ご逝去された33名の会員に黙祷を捧げた。

29年度活動報告

 議案審議では立花啓副会長から本会の活動報告を行い、続いて鈴木正典財政部長より収支決算が報告され、承認された(関連資料)。
 監査報告は重枝朗監事が行い、予算の執行や保有、職務執行などについて適正と認めるとの報告があった。

30年度活動方針

 次に、加藤会長より「国民負担増の諸政策の即時撤回」「診療報酬・介護報酬の引き上げ」「住民本位の地域包括ケアシステムおよび地域医療構造」「選定療養制度の対象拡大阻止」「医療へのゼロ税率導入」「マイナンバーの医療分野への拡大阻止」などを柱とした30年度の活動方針が提案された。
 引続き、川西譲児総務部長からは収支支出予算などが上程され、賛成多数で可決された(関連資料)。
 最後に、今上岳彦起草委員長から総会決議文の提案があり、満場一致で採択された。決議文は後日、報道機関や医療関係団体へ送付した。

 

 


 

 


札幌大通で街頭宣伝行動

社会保障切り捨て政策阻止!

 9月9日、札幌大通公園にて、政府が進める患者負担増計画の問題点を啓発する街頭宣伝行動を行った。道民からは政府に対する不信感や不満、将来に対する不安などの声が聞かれ、用意した啓発チラシ入りティッシュ4千個は50分足らずで無くなり、医療への関心の高さが伺われた。

 当日は、役員、事務局員等計22名が参加。街行く道民一人ひとりに「政府が進める患者負担増計画」啓発チラシ入りティッシュを配布した。
 さらに役員が交代でマイクを持ち、政府が推し進める患者負担増計画や介護保険法「改正」の問題点、子どもの医療問題、地域医療構想推進に対する懸念、歯科医療が抱える問題等について訴えた。
 伊藤副会長と佐久間理事は、「70歳以上の高額療養費の負担限度額が引き上げられ、さらに、10月から療養病床での重症者の居住費の減額・免除が廃止される。同様に介護保険でも一部の患者で負担限度額の引き上げや、負担割合が2割から3割に引き上げになるなど、高齢者を狙い撃ちした改悪が着々と進められ、年金生活者や収入が限られる高齢者にとっては死活問題」とし、さらに「かかりつけ医」の普及を理由に病院の外来受診時の定額負担拡大、一般薬局で購入できる医薬品の患者負担拡大や保険そのものから外すといった仕組みも検討されていることを紹介。将来、公的保険では十分な健康の維持・管理が出来ない事態が起こりかねず、安倍政権の財政最優先、社会保障切り捨て政策の推進阻止を訴えた。
 立花副会長は、北海道の子ども医療費助成制度について「子育て世代を支える助成制度の拡大、充実は大変重要。ところが国は、手厚く実施している市町村に対し、国保の補助金を減額するというペナルティーを与えるなど自治体の地域住民の健康増進への取り組みに、反するような政策が平然と行われている」とし、政府は、少子化対策を声高に叫んでいが、むしろそれに逆行した財政本位の政策にしか目が向いておらず、子どもに対する医療、社会保障は国の責任で行うよう求めていくことが重要と訴えた。
 さらに、政府の『2025年問題』に向けた、各都道府県での地域医療構想策定について「北海道では病院全体で8万弱のベッドがあり、2025年に約7万3千までに減らすとしている。高齢人口がピークを迎える時期にベッドは逆に減っていく。そのために、地域の人口に応じた病院のベッド数を確保し、地域の病院同士の連携を強めて、在宅医療も整備、推進していく方針が示されているが、この政策には『入院医療費の削減』『医療の効率化』の本質が透けて見える。急病、重症患者が入院する急性期病床も大幅に削減され、地域によって十分な救急医療や高度医療が受けられなくなることも懸念される」とし、ベッドの削減で病院を出された患者は、在宅医療で対応することとなるが在宅医療の整備については具体策が示されぬまま削減ベッド数は決めており、その後の対策は後回しというのが実状。増え続ける在宅患者にしっかりと対応できる体制をどう整えるのか問題は山積していると述べた。
 佐々木理事は、政府が現在進めている介護保険改革の問題点について「介護保険を利用させない、利用できるサービスを縮小、限定させるといった政府の思惑が見て取れる」とし、国の財政削減のみを目的とした政策には反対の声をと訴えた。
 石塚理事は、歯科医療が抱える問題点等について「口腔の健康が全身の健康状態を高め、高血圧や糖尿病などの生活習慣病、介護の現場での誤嚥性肺炎などに予防効果がある。市町村は、成人の健康診断・メタボ健診と同様に『お口の健康診断』も検査項目に加えるべき」。また、歯科の有効な治療や新技術や材料、予防法等長年にわたる国の医療費削減政策を理由に保険導入されておらず「保険適用範囲の拡大をすべき」と述べた。患者が医療に望むことは「いつでも、どこでも、だれもが保険で安心して治療を受けられること」である。本会は、道内の地域医療を担う立場から、国の医療改悪の政策に反対し「患者の窓口負担の引き下げ」「保険の範囲を広げて安心して治療が受けられる歯科医療の実現」を目指して今後も活動していく。


札幌大通で街頭宣伝行動

社会保障切り捨て政策阻止!

 9月9日、札幌大通公園にて、政府が進める患者負担増計画の問題点を啓発する街頭宣伝行動を行った。道民からは政府に対する不信感や不満、将来に対する不安などの声が聞かれ、用意した啓発チラシ入りティッシュ4千個は50分足らずで無くなり、医療への関心の高さが伺われた。

 当日は、役員、事務局員等計22名が参加。街行く道民一人ひとりに「政府が進める患者負担増計画」啓発チラシ入りティッシュを配布した。
 さらに役員が交代でマイクを持ち、政府が推し進める患者負担増計画や介護保険法「改正」の問題点、子どもの医療問題、地域医療構想推進に対する懸念、歯科医療が抱える問題等について訴えた。
 伊藤副会長と佐久間理事は、「70歳以上の高額療養費の負担限度額が引き上げられ、さらに、10月から療養病床での重症者の居住費の減額・免除が廃止される。同様に介護保険でも一部の患者で負担限度額の引き上げや、負担割合が2割から3割に引き上げになるなど、高齢者を狙い撃ちした改悪が着々と進められ、年金生活者や収入が限られる高齢者にとっては死活問題」とし、さらに「かかりつけ医」の普及を理由に病院の外来受診時の定額負担拡大、一般薬局で購入できる医薬品の患者負担拡大や保険そのものから外すといった仕組みも検討されていることを紹介。将来、公的保険では十分な健康の維持・管理が出来ない事態が起こりかねず、安倍政権の財政最優先、社会保障切り捨て政策の推進阻止を訴えた。
 立花副会長は、北海道の子ども医療費助成制度について「子育て世代を支える助成制度の拡大、充実は大変重要。ところが国は、手厚く実施している市町村に対し、国保の補助金を減額するというペナルティーを与えるなど自治体の地域住民の健康増進への取り組みに、反するような政策が平然と行われている」とし、政府は、少子化対策を声高に叫んでいが、むしろそれに逆行した財政本位の政策にしか目が向いておらず、子どもに対する医療、社会保障は国の責任で行うよう求めていくことが重要と訴えた。
 さらに、政府の『2025年問題』に向けた、各都道府県での地域医療構想策定について「北海道では病院全体で8万弱のベッドがあり、2025年に約7万3千までに減らすとしている。高齢人口がピークを迎える時期にベッドは逆に減っていく。そのために、地域の人口に応じた病院のベッド数を確保し、地域の病院同士の連携を強めて、在宅医療も整備、推進していく方針が示されているが、この政策には『入院医療費の削減』『医療の効率化』の本質が透けて見える。急病、重症患者が入院する急性期病床も大幅に削減され、地域によって十分な救急医療や高度医療が受けられなくなることも懸念される」とし、ベッドの削減で病院を出された患者は、在宅医療で対応することとなるが在宅医療の整備については具体策が示されぬまま削減ベッド数は決めており、その後の対策は後回しというのが実状。増え続ける在宅患者にしっかりと対応できる体制をどう整えるのか問題は山積していると述べた。
 佐々木理事は、政府が現在進めている介護保険改革の問題点について「介護保険を利用させない、利用できるサービスを縮小、限定させるといった政府の思惑が見て取れる」とし、国の財政削減のみを目的とした政策には反対の声をと訴えた。
 石塚理事は、歯科医療が抱える問題点等について「口腔の健康が全身の健康状態を高め、高血圧や糖尿病などの生活習慣病、介護の現場での誤嚥性肺炎などに予防効果がある。市町村は、成人の健康診断・メタボ健診と同様に『お口の健康診断』も検査項目に加えるべき」。また、歯科の有効な治療や新技術や材料、予防法等長年にわたる国の医療費削減政策を理由に保険導入されておらず「保険適用範囲の拡大をすべき」と述べた。
 患者が医療に望むことは「いつでも、どこでも、だれもが保険で安心して治療を受けられること」である。本会は、道内の地域医療を担う立場から、国の医療改悪の政策に反対し「患者の窓口負担の引き下げ」「保険の範囲を広げて安心して治療が受けられる歯科医療の実現」を目指して今後も活動していく。
 

 


医療改善に向けて、新たなる船出
加藤康夫氏ら、新執行部決定


 5月27日、第5回代議員総会を開催し、全道各地より代議員51人・委任状24通(定足数39)が出席した。議案審議では28年度活動報告・収支決算、29年度活動方針・予算案が承認され、総会決議を満場一致で採択した。今年度は任期満了に伴う役員選挙が行われ、加藤康夫理事をはじめとする新執行部を臨時理事会へ推挙することが決定した。


 

 

 はじめに挨拶に立った小笠原俊一会長は「来年度の医療保険、介護保険の同時改定に向けて、審議が進められていおり、非常に厳しい提案がなされている。このような中で、代議員の先生方に本会は本会活動の総括と新年度の活動方針についてご審議をお願いしたい」と述べた。 

 笠井康弘議長、荻野英二副議長の代議員総会設立宣言後、昨年度に逝去された23名の会員に黙祷を捧げた。議案審議では下出道弘副会長から医療を取り巻く情勢と活動の報告を行い、続いて佐々木 豊財政部長より収支決算が報告され、承認された。
 監査報告は安井隆弘監事が行い、予算の執行や引当金の保有、職務執行などは適正と認める報告があった。

29年度活動方針
 
次に、小笠原会長より「患者負担増の軽減」「真の包括ケアシステム・地域医療構想の構築」「診療報酬・介護報酬の引き上げ」「患者申出療養制度の廃止」「マイナンバーの医療分野への拡大阻止」「ゼロ税率の導入」等などを柱とした29年度活動方針が提案され、承認された。
 引き続き、荒谷英二総務部長からは収入支出予算が上程され、賛成多数で可決された。

 最後に、今上岳彦起草委員長から総会決議文の提案があり、満場一致で採択された。決議文は後日、報道機関や医療関係団体へ送付した。


総会決議

 安倍政権は、財政健全化の名のもと、「骨太方針2015」に則り、医療をはじめとする社会保障の切り捨てを次々と断行し、平成30年度の同時改定を見据え、平成29年度においても、公的医療介護給付費の削減、患者負担増を狙う数々の改悪計画を準備しているが、マイナス改定は絶対に受け入れられない。
平成30年度に施行予定の国民健康保険の都道府県化により、都道府県の権限強化と地域の医療費格差の半減を目指し徹底した医療費抑制策と、国保保険料の引き上げが懸念される。

 近年、「健康格差」「下流老人」「老後破産」「子どもの貧困」「ワーキングプア」など、あらゆる世代の貧困や長時間労働による「過労死」そして「自殺」が社会問題となっている我が国において、患者・国民の視点に立った社会保障を堅持するための運動が益々重要である。

 ドナルドトランプ氏が第45代米国大統領に就任した。米国第一主義を主張し、ポピュリズム、ナショナリズムを展開し、我が国の社会保障への悪影響が危惧される。また、米国はTPPからの離脱を宣言し、日本にとってさらに厳しい日米間FTA締結要求により医療分野にも重大な影響を与えることが懸念される。 一方、安倍政権は発効見込みのないTPP関連法案を拙速に成立させ、米国抜きのTPPへと舵を切ろうとしている。同発効に至れば、医療の市場化・営利化、混合診療の解禁に道を開き、国民皆保険の崩壊が懸念される。

 北海道保険医会は、第一線の地域医療を担う立場から、国民の健康を守り、国民に安全・安心な医療を保障するため、国民皆保険制度の根幹を揺るがしかねない医療制度の改悪に断固反対し、以下のごとく決議する。

一、 「医療制度改革関連法」に基づく、患者負担増計画の即時撤回を求める

一、 国民に必要な医療介護を保障する真の「地域包括ケアシステム」「地域医療構想」の構築を推進し、これを医療費抑制策の手段とすることなく、十分な財源確保を求める

一、 新たな患者負担増や給付削減、地域医療を崩壊させる医療・介護提供体制の再編中止を求める

一、 医療費抑制政策を中止し、公的医療費の総枠拡大を求める

一、 良質な医療や介護を提供するため、診療報酬・介護報酬の引き上げと不合理の是正を求め

一、 選定療養制度の対象拡大に反対し、患者申出療養制度の廃止を求める

一、 マイナンバー制度の医療分野等への拡大に反対する

一、 医師・歯科医師の裁量権を無視し、医療現場を混乱させる指導・監査に反対する

一、 消費税増税を中止し、医療へのゼロ税率の適用を求める

 

平成29年5月27日
  
一般社団法人北海道保険医会 第5回代議員総会 

 
                      
  


 

一般社団法人北海道保険医会

 <平成29年度活動方針

 全力で医療制度改悪阻止を

 我が国の情勢と今後の課題

 アベノミクスの金融緩和・財政出動・成長戦略の三本の矢は、停滞する日本経済に効果はなく、政策が失敗したにもかかわらず「道半ば」とうそぶいている。安倍首相は今通常国会の施政方針演説で、「少子高齢化、デフレからの脱却と新しい成長」を政策目標とし、名目GDPの増加や企業倒産数の減少、有効求人倍率の上昇などを自らの実績として強調した。しかし、名目GDPはここ最近足踏み状態が続き、有効求人倍率も、求職者数自体の減少に加え、介護職など人手不足の業種が全体を押し上げていると見られており、経済効果としては懐疑的である。個人消費や消費者物価も低迷が続く中、「デフレの脱却」は程遠い。一部の大企業のみが恩恵を受ける経済政策によって生み出された貧困や格差の拡大に楔を打つべく、国民本位の政策を求め運動していく。


 選定療養制度の対象拡大および、患者申出療養制度の廃止を

 「規制改革推進会議」は2014年、厳しく制限されていた混合診療を拡大する案をまとめた。保険診療と保険外の自由診療を併用する「患者申出療養制度」の創設である。この制度は、患者の同意があれば混合診療が実施できることを柱としている。「医療に関する患者の選択肢を増やし、経済的負担も軽減される」と混合診療拡大の意義を強調している。
 また、同会議は昨年、「完全な遠隔診療」を解禁するように厚生労働省に求めた。厚労省の通知では、現在の遠隔診療は対面診療を組み合わせた場合のみ認められているが、企業の健康指導などの利便性を高めると主張している。都市部で保健所から遠隔診療を認められなかった事例などを取り上げ、育児中や多忙といった理由での遠隔診療や、メールなどで患部の写真を送ることを画像診断に含めることなどを認める方向で検討する。
 「経済財政諮問会議」の薬価などに対する中医協への介入は、「社会的共通資本である医療制度は、国家官僚によって国家の統治機構の一環としてつくられ管理されるものであってはならないし、また儲けを基準とする市場的メカニズムに任せるものであってはならない。」(宇沢弘文氏)という大原則をなりふり構わず踏みにじるものである。
 「経済財政諮問会議」は骨太の方針2015で示された「経済・財政再生計画」を着実に推進する指針として、平成28年末に「経済・財政再生アクションプログラム2016」を発表した。社会保障費の自然増を5,000億円程度に抑えることを目標に、主な施策として、|楼莪緡店汁曚鉾爾ι他穏鏝梱▲如璽審萢僂砲茲詈欷閏垉’修龍化I蘆瓦慮平化による高齢患者の負担増じ緘医薬品の普及と服薬管理の強化などを掲げている。これらの政策は今通常国会でも関連法案が上程されるなど具体化に向け進んでいる。


 新たな患者負担増や給付削減、地域医療を崩壊させる医療・介護提供体制の再編中止を

 平成29年度に導入が見込まれる医療保険の改悪項目は「後期高齢者の保険料軽減特例措置の廃止」「入院時居住費の負担対象者の拡大と負担額の引き上げ」「70歳以上の高額療養費の負担限度額の引き上げ」など高齢者を狙い撃ちにした政策に重点が置かれている。介護分野でも「自立・自助」の原則を強調し、「現役並所得者の利用料の原則3割負担化」、「利用者負担上限額の引き上げ」など、さらなる負担増を求める政策が中心となっている。高齢者の疾病リスクを考慮せず、社会保障の原点である支え合いの精神をも無視した「負担の公平化」では、国民の理解は到底得られない。今回は導入が見送られたものの、「かかりつけ医」以外の受診時定額負担や、市販類似医薬品の保険外しも提案されており、近く再度議論の俎上に載せることも予想出来る。介護保険でも利用料の原則2割化や要介護1、2の利用者の生活援助の保険外しなどが打ち出されており、医療保険・介護保険の利用を妨げる目論見を隠そうともしない。


 国民に必要な医療介護を保障する真の「地域包括ケアシステム」「地域医療構想」の構築を推進し

 医療費抑制策の手段とすることなく、十分な財源確保を

 また、平成29年度は地域医療の将来像が描かれる年となる。各都道府県では、「地域医療構想」が策定されたが、入院医療の必要量を低く見積もり病床削減へと導いていくことが決定的である。そして、平成30年度からスタートする第7次医療計画、第7期介護保険事業計画等は、この内容を反映して医療・介護の供給体制が整備される。医療・介護の供給量(給付費用)を制限し、需要(患者数)を調整する仕組みに利用されれば地域医療の崩壊は一層歩みを早める。また、医師の偏在問題も本道にとっては深刻な問題である。地域医療構想に伴う医療機能の集約化に加え、現在検討が進められている新専門医制度が導入されれば、特定機能病院等の大病院や大都市に医師が集中し、偏在がより顕著となる。医師の自主性を保障しつつ、国の責任において地方でも都市部と変わりない研修体制、就労環境が整備され、地域格差なく医師の配置が充足するような施策を求めていく必要がある。
 政府が地域医療の柱の政策に据えている地域包括ケアシステム(川下の改革)は、病床再編で押し出された患者の受け皿作りが中心で「自助を基本としながら互助・共助・公助の順で取り組む(厚労省)」姿勢を鮮明にしており、本会は以前から国民のニーズや地域特性に応じた医療提供体制の整備としては不十分であると指摘してきた。セルフケアなど「自助」を基本とし、ボランティアや住民組織など補完的に「互助」の支援的役割を担わせる一方、財源負担など国の責務を後退させており、単に地域の責任で高齢者ケアを賄わせるだけのシステムといえる。さらに医療・介護の現場で関心が高まりつつある在宅歯科医療、口腔ケアへの対応に関し、歯科医療機関がどのような位置づけで参画していくべきかの指針や具体策は未だ示されておらず、広域にわたる本道の地域医療の中で医科歯科連携をスムーズに浸透させていくための対応を自治体、関連団体、関係機関・施設等と早期に進めるべきである。
地域包括ケアシステムを急激に進行する超高齢社会に対応する重要施策と位置づけるのであれば、社会保障財源を十分投入し、地域で雇用を生み出し地域経済効果をも誘発させるなど、地域振興に貢献し、併せて地域住民の健康増進にも繋がる「真の地域包括ケアシステム」として構築しなければならない。


 良質な医療や介護を提供するため、診療報酬・介護報酬の引き上げと不合理の是正を

 平成30年度改定は医療保険、介護保険の同時改定となる。中医協では、改定に向けた検討が開始され、平成29年12月には「診療報酬改定の基本方針」及び「改定率」が決定する。次期改定の主な検討項目として、「かかりつけ医機能とかかりつけ歯科医機能」や在宅医療では「重症度や居住形態」などが引き続き取り上げられている。外来診療の包括化や在宅点数のさらなる複雑化など、新たな不合理が生じないよう具体的な要求を掲げて運動を進めることが肝要である。歯科では、前回改定で技術料の抜本的引上げが見送られ、医療環境や経営危機を打開するには依然として厳しい状況にある。特に「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所」をはじめとするハードルの高い施設基準が増加したことは、医療機関の機能分化と差別化、包括管理の強化につながり、患者のフリーアクセスを妨げる可能性がある。医療技術と直接関係しない届出の有無が歯科医療機関の再編、淘汰に利用されることのないよう活動を強化する必要がある。加えて、会員から医療現場での改善要求を集約すると共に、口腔管理、口腔ケアの専門職としての歯科衛生士の評価、「歯科技工問題」の抜本的な改善のために、歯科医療費総枠の拡大と基礎的技術料の適正な評価など実態を反映した歯科診療報酬の大幅な引上げも要求していく。

◇ ◇ ◇

 本会は、地域医療の拡充、医療機関の経営改善、医療の質のさらなる向上のため、現行の不合理項目の早期是正に加え、次期改定では大幅な引き上げを実現させるよう、保団連をはじめ全国の保険医協会等と連携し、関係各機関等への働き掛けを行っていく。   

 


  2016医療フォーラム                                                                                                          

TPP批准阻止に向けた活発な活動を!



 10月22日、「何が起こる?TPPと医療の関係〜TPPで日本の医療制度は激変するのか」をテーマに医療フォーラムを札幌市で開催。当日は道内各地より61人が参加した。今回は、京都橘大学現代ビジネス学部経営学科教授 盪外貮彁瓩特別講演を行い、パネルディスカッションでは北海道薬剤師会副会長の有澤賢二氏と本会から橋本広報部長がパネリストとして参加し、TPPと医療の関係等に関してフロアを交えて活発な議論が行われた。

 立花政策部長の司会のもと、開会にあたって挨拶した小笠原会長は、「農水相の『TPPの衆院特別委員会での強行採決発言』がとびだす中、大変タイムリーな医療フォーラムとなった。今回、TPPの医療にかかわる影響を視点に盪涯擬の特別講演と各パネリストとの発言の後、是非、参加者の方の活発なフロア発言をお願いしたい」と述べた。

特別講演

 引き続き、盪外貮弑擬が「医療分野におけるTPP協定の影響」と題して特別講演を行った。

 盪鎧瓩蓮■廝圍和寮とTPP協定の関係性や同協定の経緯と現状、TPP協定の医療制度全般に関わる影響について解説。その中で「同協定の知的財産権の保護による薬価高騰が推測されるため、患者負担増や各国の医療保険財政への影響が危惧される。加えて、国境を超えるサービス貿易・金融サービス分野交渉において、民間医療保険の大規模参入が予想され、国民皆保険制度の空洞化も懸念される」と述べた。

パネルディスカッション

 その後、パネルディスカッションでは、北海道薬剤師会副会長の有澤氏が薬剤師会の立場から、日本の公的医療保険における薬価への影響として、新薬価格の高止まりやISDS条項の導入による日本の薬価決定プロセスへの影響等について述べた。続いて発言した橋本広報部長は、北海道保険医会の立場から、TPPの発効による医療への影響として「混合診療の解禁」「営利企業の医療参入」「民間保険の拡大」「医薬品・医療機器の流入自由化による価格高騰」等を上げ、国民皆保険制度の形骸化について説明した。

 また、フロアからは「TPP協定は、一般には全く不透明でよく分からなかった。今回の講演でその本質が良く分かりました。批准阻止のために、自分でできることを今後していきたい」「TPPと医療の関係について、国会討議では見えない部分がよくわかりました。今後も多くの国民のために情報を発信して欲しい」「TPP協定は、医療や他の分野も含めその全体像が分かりにくいのが問題。もう少しその内容を国民に公表してからでなければ批准すべきではない」等、多岐にわたる質問や意見・感想が出され、活発な議論が行われた。

 最後に、司会の立花政策部長は、参加者にTPP協定の批准阻止の方法として「今講演の内容をまず身近な人に伝えること、自分のできる範囲で他の人に知らせること、そして行動することが重要である」と呼びかけ医療フォーラムを終了した。


「さらなる患者負担増は許さない!」
―札幌大通で街頭宣伝行動―


 9月10日、札幌大通公園にて、「ストップ!患者負担増」をスローガンに街頭宣伝行動を行った。街頭の道民からは政府に対する怒りに満ちた声や切実な訴えが聞かれ、用意した請願署名入りティッシュ3千個は40分足らずで無くなり、道民の関心の高さが伺われた。

 当日は、小笠原会長以下役員、事務局員等計19名が参加。街行く道民一人ひとりに「ストップ!患者負担増」請願署名入りティッシュを配布した。
 さらに役員が交代でマイクを持ち、政府が新たに計画している患者負担増やマイナンバー制度の拡大利用によるリスク、TPP批准による医療分野における影響、歯科医療が抱える問題等について訴えた。

 小笠原会長は「政府は社会保障・税一体改革の具体化に向けて法整備を着々と進めている。訪問介護や通所介護を全国一律の介護保険サービスから財政基盤の弱い市町村事業へ移行。市町村事業では、これまで通りのサービスが提供できないことは確実で、サービスの質の低下により地域格差や健康格差が生じる。また、介護分野では一定以上の所得者に対する介護利用料の2割引き上げや特養の入所対象を要介護3以上に限定化も始まり、新たな負担を増やすことで介護保険を出来るだけ利用させない意図を感じる」と述べた。
 伊藤副会長は、マイナンバー制度の拡大利用による懸念について説明。「同制度は、法律で利用範囲拡大の検討を定めており、国民の予防接種の履歴や特定健診(いわゆるメタボ健診)の結果、預金口座情報等へも利用範囲の拡大が図られている。制度の運用前からなし崩し的に範囲を広げられるのであれば、政府の意のままに制度が操作されるのは想像に難くない。『無駄な医療費を使わせないようなシステムづくり』も想定されている。当面はマイナンバー制度の利用範囲を極力制限し、社会保障の縮小に繋がらないよう声を上げていくことが重要」と述べた。

 立花政策部長と佐久間理事は、政府が参加を進めるTPPと医療の関係について説明。参加国が関税を撤廃、経済の自由化を図ることを目的とした協定で影響を受けるのは農業や製造業だけではなく医療分野にも多大な影響がある。日本の薬価を決定する仕組みへの影響や、保険証一枚で費用の心配なく安心してかかれる日本の国民皆保険制度が崩壊する危険性について説明するとともに、本会がTPPと医療をテーマに開催する「2016医療フォーラム」への参加も呼び掛けた。

 佐々木財政部長は、政府が進める医療制度改革について説明。先の参議院選挙が終わると直ぐに「経済・財政再生計画」に基づく患者負担増計画の具体化を進め、その目的は「患者への経済的負担を増やすこと」「出来るだけ受診を抑制させる」というものである。「70歳以上の高額療養費の負担限度額の引き上げ」「75歳以上の後期高齢者の現在1割負担から原則2割負担へ」「受診時定額負担制度の導入」「一般市販薬を保険の適用から外す」といった方針等、保険で治せる病気が限定され、公的保険では十分な健康の維持・管理が出来ない事態が起こる。必要以上に社会保障費を抑制することは国民生活を破綻に追い込むと述べ、本会の活動への協力と理解を呼び掛けた。

 石塚事業部長は歯科医療が抱える問題点を説明。保団連が実施した「歯科医療に関するアンケート」によると約3割の回答者が歯科治療を放置しており、その多くが仕事や経済的な理由による。「保険で安心して歯科治療が受けられるよう、政府は窓口負担を引き下げるべき」と述べた。さらに歯科では、有効な治療法が長年にわたる国の医療費削減政策を理由に保険導入されておらず「保険の適用範囲の拡大をすべき」と訴えた。

 立ち止まる道民からは「年を取っても安心して生活を送りたい」「これ以上の負担増は死活問題」等、不安と怒りに満ちた多くの声が寄せられた。本会は、これらの寄せられた道民の声を国会へ届けるとともに今後も国民皆保険制度の堅持と安心して受けられる医療の実現を求めて活動を継続していく。


「安心して受けられる医療の実現を!」
「札幌大通公園で街宣活動」

 本会は9月19日、「安心して受けられる医療の実現」をスローガンに札幌大通公園にて街頭宣伝行動を行いました。本会役員が医療制度改悪阻止を訴える街頭演説を行うとともに、チラシや請願署名入りティッシュを配布。患者負担の軽減を目指す医療制度の実現に対して道民の理解を求めました。

 当日はあいにくの雨のなか、小笠原会長をはじめ本会役員、事務局員など計18名が参加。道民に政府が進める医療制度改悪の内容を解説したチラシや請願署名入りティッシュを配布しました。また、本会役員が交代でマイクを持ち、保険料の引き上げや患者申出療養制度の新設など患者負担増の内容をはじめ、マイナンバー制度の危険性や歯科医療を巡る問題などについて訴えました。

 小笠原会長は後期高齢者医療制度について、「現在低所得者に対する保険料の軽減措置が設けられているが、この仕組みを段階的に廃止する方針が示されている。この特例が廃止されると3倍に跳ね上がる高齢者もいる」と説明。この特例対象者は全国で約865万人と加入者の約半数を占めるため「収入が限られる高齢者にとってまさに死活問題」と指摘しました。入院医療では、「入院時の食事代を1食260円から段階的に460円まで引き上げられ、1カ月では1万8,000円の負担増にもなる」と述べ、「これでは安心した入院医療は望めなくなる」と解説しました。また、導入が検討されている湿布や漢方薬など市販類似薬品の保険適用の除外や、一部負担金とは別に徴収される受診時定額負担金の仕組みにも触れ、「公的保険を縮小させ受診抑制を図るもの」と訴えました。

 また、患者申出療養制度については下出副会長が、「国内実績のない治療を治験も経ずに行うことで、十分に安全性が確認されないまま治療が提供される」と説明し、「想定外の薬害や不幸な医療事故を引き起こす可能性がある」と危険性を指摘しました。また、「経済的にも国内未承認薬は高額なものが多く、保険外部分は自己負担となるため、過大な負担からは逃れられない。経済力による医療格差が生じることになる」と批判しました。

 立花政策部長は今年4月から実施された介護保険の改正について、「要支援の利用者が受ける訪問介護や通所介護が、介護保険サービスから地域支援事業に移行され、各市町村の財政状況によりサービスの内容や質が変わる」と危惧。「地域支援事業ではNPOやボランティアが中心になり事業を支えるが、地域によっては人材確保ができないと不安の声も多く聞かれる」と制度の不備を説明しました。また、特別養護老人ホームの入所対象者が要介護3以上に限定されたことには、「受け皿整備が不十分な現状では介護難民を生み出す」と問題点を指摘しました。

 マイナンバー制度では佐久間理事が「将来的に病院のカルテにも紐付けし、全ての受診歴や医療費支出までも一元管理される」とし、「無駄な医療費を使わせないシステムづくりが目的である」と言及。日本年金機構の個人情報流出問題を例にセキュリティー体制への不安を述べました。

 また、歯科関連では石塚事業部長が、「歯科治療は保険がきかない自費診療の部分もあるため経済的負担を心配し受診を控えるケースがある」と歯科医療の実情を述べ、「患者窓口負担の引き下げ、保険の適用範囲の拡大が必要」と主張。保団連とともに進めている「保険で良い歯科医療の実現を」の運動への理解と署名の協力を要請しました。

 立ち止まる道民からは、「政府はもっと国民の立場に立って政治をしてほしい」「少ない年金収入で負担が増えると生活が厳しい。安心して受けられる医療制度にしてほしい」などといった切実な声が多数寄せられました。

 

 
   

 

 


「混合診療」テーマに

北海道新聞社と懇談

 標記懇談を3月4日開催した。道新生活部より、茶木一範部長、佐藤洋樹次長、塚本博隆、安藤徹各記者が出席し、本会より9人が参加した。

 小笠原会長の挨拶に続き、荒木政策部長が混合診療について概要および問題点、本会の考えを述べた。その中で、「患者さんが心配される未承認の抗がん剤の適応外使用等は、現在でも評価療養で認められている」「無制限に混合診療を全面解禁すれば、医療の質や安全性が脅かされる」と説明した。道新側から活発に質問が出され、混合診療の全面解禁は容認できないとの認識を共有した。

 さらに歯科の51年通知後の現状についての発言があり、医科においても「いったん混合診療が解禁されれば、新規の保険収載、保険点数のアップが起こりにくくなる。歯科医療費の割合が年々減少していることからも明らか」と述べ、出席者からも懸念の声が挙がった。

 本会は、「政府は国の医療費負担を軽減するため混合診療解禁を実施しようとしているが、よい面、悪い面を的確に報道してほしい」と要望した。


管理栄養士配置義務化に関する緊急アンケート調査結果

有床診 7割超が「配置なし」

そのうち9割が雇用の目途立たず

 昨年4月の診療報酬改定において、入院基本料、特定入院料の施設基準に管理栄養士の配置が義務化された。本会では、改定から約半年を過ぎた昨年11月、道内の入院施設を持つ病院及び有床診療所に対して、管理栄養士配置の進捗状況及び今後の見通し等についてアンケート調査を実施。特に有床診療所においては人材確保、経済負担など、義務化に伴う厳しい現状が明らかになった。

 昨年4月以降、常勤の管理栄養士(有床診療所は非常勤も可)の配置が無い場合、原則として入院料算定が出来なくなった。緩和措置として2年間の経過措置が設けられたが、医療現場からは実態を無視した改悪との批判が強く上がっている。

 今回のアンケート調査は昨年11月19日〜30日、北海道内の有床診療所468件と病院576件の計1044件を対象に実施。回答数は有床診療所が186件(回収率39・7%)、病院は297件(同51・6%)で計483件の回答を得た。

■ アンケート結果

■ 寄せられた意見

■ 要請書

 


 

【有床診療所】

(1)管理栄養士の「配置なし」は7割超

 配置状況では「常勤が2名以上」2・7%、「常勤が1名」11・8%「非常勤のみ」13・4%で、配置済みは全体の27・9%しか進んでおらず、「配置なし」は72・0%に上った。さらに「配置なし」を札幌市内・市外で分けてみると、市内では63・6%であるのに対し、市外75・0%と10%以上の開きが見られた。管理栄養士の地域偏在を示す結果といえる。

(2)9割の有床診療所で確保の見通し立たず

 「配置なし」の施設で、経過措置の2年間で管理栄養士の雇用確保が「可能と思う」はわずか7・5%に過ぎず、「不可能と思う」51・5%、「わからない」38・1%と、9割の施設では雇用確保の見通しが立っていない状態である。「不可能と思う」を札幌市内・市外で見た場合、市内の37・1%に対し、市外は56・3%と顕著な差が生じていた。

(3)補充期間も3カ月では困難が6割

 管理栄養士が離職、長期欠勤等をした場合、後任の配置を3カ月以内に行わなければならないが、「十分対応可能と思う」は3・8%で、「短すぎで対応困難」59・1%、「わからない」31・7%と、配置後の雇用の維持に関する不安も感じられる。

(4)有床診療所での配置「必要なし」は約半数

 入院医療を提供する上で管理栄養士が必要かとの問いには、「必要」7・0%、「患者によっては必要」34・9%で、「必要と思わない」49・5%、「わからない」5・9%という結果となった。「必要と思わない」は約半数を占め、特に眼科や産婦人科など短期入院が主の診療科や、高度な栄養管理が不要な患者が多い診療科での回答が多かった。

(5)将来的に「無床化」視野にした対応が4割に

 平成26年4月からの義務化の完全実施に向けた対応としては、「既に雇用しており問題ない」22・6%、「期限までに雇用を確保する」32・8%に対し、「雇用の努力をするが出来なければ無床化」23・1%、「雇用の予定なく無床化」15・1%、「診療所自体を閉鎖」0・5%と、将来の「無床化」を視野に入れた対応を検討する診療所が4割弱に上っていることが明らかになった。

 これらの施設の許可病床数の合計は1055床にも上る。平成24年11月1日の実際の入院患者数でみても470人であった。

 地域別にみると札幌市内が25・5%に止まるのに対し、市外43・2%とやはり大きな格差が見られた。人材確保や経済的負担の要因で入院医療を断念する診療所が増加することが見込まれる結果となったが、地方での影響がより大きくなることが予想される。

 


 

【病 院】

(1)94%の施設で常勤配置の対応

 病院の場合、従前の「栄養管理実施加算」の届出割合が9割を超えていたため、常勤配置は合わせて94・0%と、ほとんどの施設で既に配置済みとなっていた。雇用数の内訳では「常勤2名以上」が33・7%と全体の3分の1、「常勤1名」が60・3%で過半数を占めた。

 「配置なし」も5%(15件)ほどあったが、1件のみが札幌市内で、残りの14件は市外であり、有床診療所と同様に札幌市外での人材確保の困難さが浮き彫りになった。

(2)半数以上は雇用確保が「可能と思う」

 「配置なし」の施設で、経過措置の2年間で管理栄養士の雇用確保が「可能」は53・3%と半数以上に上った一方、「不可能」「わからない」が併せて7件と未だ目途が立たない病院も若干見られる。

(3)再雇用の確保に7割が不安

 3カ月以内の後任の雇用については、「充分可能と思う」は21・2%に対し、「短すぎて対応困難」44・1%、「わからない」30・3%と7割が再雇用への対応につき不安を示す結果となった。「常勤1名」が6割という結果が示す通り、余裕をもった人員配置を行っている病院は少なく、今後、管理栄養士の就業率が上がることを考えると、再雇用の見通しは厳しく見ざるを得ないと考えられる。

(4)病院では栄養士の必要性を重視

 入院医療を提供する上で管理栄養士が「必要と思う」46・8%、「患者によっては必要と思う」37・7%と、必要性を認める回答が8割以上となり、有床診療所との意識の差が明確となった。病院では多職種による分業・専門化が図られるとともに、入院患者の重症度や栄養管理の必要度などの違いも格差の違いを生じた要因と考えられる。

(5)「既に雇用」92・7%

 「既に雇用しており問題ない」が92・7%と完全実施に向けた対応が不要とする施設がほとんどであった。ただ、雇用している管理栄養士がいても産休や育休など将来的なリスクへの対応として、さらに人員を確保したいと回答する施設も見られた。

 


 

【まとめ】

次回改定までに義務化撤回の実現を

 今回の調査では、管理栄養士の配置状況や必要性に対する意識が病院と有床診療所で大きく違うこと、札幌圏と圏外での雇用環境でも大きな格差があることが分かった。

 病院では病院内の管理栄養士が中心的役割を担い栄養管理業務を行っているのに対し、有床診療所では医師や看護師などの医療スタッフ、また、必要に応じ給食の外注業者の管理栄養士などと連携しながら栄養管理体制を講じるなど、各々の施設規模に応じた体制を整備しているのが現状で、両者を同様の基準で規定するのは現状を無視したものといえる。特に、有床診療所では眼科や産婦人科など、常態として入院患者のいない診療科や、短期入院など栄養管理の必要性の少ない患者が多い場合も一律に管理栄養士の配置を求めることは、過重な人員的、経済的負担を強いることとなる。

 管理栄養士を雇い入れるにしても、特に地方では管理栄養士の就業率が都市部に比べ高く、余剰人員が少ないため人材確保が厳しいと言われている。配置を断念し入院施設の廃止を余儀なくされる診療所が出てくれば、地域医療そのものに深刻なダメージを与えかねない。さらに、現在雇用している栄養士を解雇し管理栄養士を雇わなければならないという意見もあり、労働問題に波及する可能性も指摘される。

 本会では、こうした問題点を踏まえ、少なくとも小規模病院や有床診療所における配置義務化の撤回を求めた要望書を政府に提出するとともに、関係団体などと連携し撤回に向けた活動を強く進めていく予定である。