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道産ワインの魅力を満喫
〜ワイナリー巡りツアー〜


▲ ワイン用のぶどう畑を前に説明を聞く参加者 

 9月24日、ワイナリー巡りツアーを開催し、22医療機関、40名が参加した。
 今回は、昨年の文化講演会で「道産ワインの魅力」をテーマに講演していただいたワインクラスター北海道代表でシニアソムリエでもある阿部眞久氏にガイドをお願いし、小樽・余市方面にあるワイナリーを巡った。
 はじめに小樽にある「北海道ワイン」に移動。そこでは、ワインの製造工程について、実際に貯蔵所内に入って説明を聞きながら見学した。さらに、ソムリエが厳選した4種類のワインが用意され、それぞれの特徴を解説していただきながら試飲も行った。
 その後、余市にある「鶴亀温泉」に向かい、お昼は新鮮な海の幸にこだわった料理を堪能した。
 午後からは「余市ワイナリー」に移動し、施設の見学や試飲、買い物を楽しんだ。最後の「オチガビワイナリー」では、オーナーの落希一郎氏の説明を聞きながら施設内を見学。その後、テラス席に移動して壮大なワイン畑を望みながら用意された自慢のワインを試飲し、帰りには沢山のお土産のワインを抱える参加者もいた。また、帰る途中には小樽の「新南樽市場」にも立ち寄り、買い物を楽しんだ。
 参加者からは、「ソムリエの説明を聞きながら施設の見学や試飲ができ、とても良い企画だった」「点在するワイナリーを効率よく見学することができ、大変良かった。来年もまた参加したい」など、大変好評だった。

 


快適なシニアライフに向け準備

 

 9月2日、ライフプラン講座を開催し、道内各地から38名が参加した。講師にファイナンシャルプランナーの須藤臣氏を迎え、「仕組みを知って賢くお得にもらう〜楽しく暮らすための生(い)き活(い)き年金講座」と題して、年金について詳説した。
 須藤氏は、はじめに公的年金の仕組みや漏れなく受け取る方法を丁寧に解説。その中で厚生年金の受け取り漏れが多くあることに触れ、漏れを防ぐために職歴や当時加入していた年金を把握しておくことが重要とした。また、様々な夫婦のモデルケースを挙げ、死亡した場合の遺族年金や離婚の際の年金分割等、年金に関する事情や問題をわかりやすく説明した。次に、個人年金の商品の違いを税金の観点から解説し「目先の積立時だけではなく、年金受け取り時を考えた上で商品を上手に活用していくことが大切」と述べた。
 講演の最後には、事前に会員から寄せられた質問に対し丁寧な回答があり、参加者は熱心に聞き入っていた。
 参加者からは「とてもためになった」「いつも楽しくわかりやすい」等の感想をいただき、大変好評だった。


保健請求の疑問点を整理・検討

〜歯科保健請求・審査等に関する講習会〜

8月19日、「歯科保険請求・審査等に関する講習会」を札幌で開催し、全道各地から120名の会員が参加した。

 田辺隆歯科部副部長が講師を務め、「保険請求の根拠の整理検討会〜これって請求できるの?どうしてダメなの?」をテーマに、返戻や査定に関する日常の様々な疑問点について、解決の根拠、日常診療での留意点などを検討した。「行った治療行為については、委縮することなく、歯科点数表の解釈(通称・青本)に則って請求すること」が保険請求の原則として、請求の根拠について整理し、詳しく解説した。

 はじめに、療養担当規則(第18条、第21条)について確認を行い、基本診療料では初診料についての考え方や算定の原則、医学管理では歯科疾患管理料の算定要件やう蝕多発傾向者に関する留意点等について説明。在宅医療では歯科訪問診療料・訪問歯科衛生指導料の記載事項について、注意点を挙げた。また、処置の算定ポイントを項目ごとに説明し、歯周治療におけるSPT(歯周病安定期治療)に関して詳しく解説。歯周治療用装置についても触れ、事例をもとに解説した。

 講習会終了後、参加者からは「毎年参加しているが、非常に勉強になり感謝している」「貴重な情報をわかりやすく説明していただき、毎回楽しみにしている」「次回も是非参加したい」等の感想が寄せられ大変好評だった。


歯科診療時における救命の注意点を学ぶ

・・・ 医療安全管理に関する研修会

 

 

 7月8日、歯科会員対象の「医療安全管理に関する研修会」を開催し、全道から19人が参加した。講師は、本会前会長の小笠原俊一顧問(南札幌脳神経外科院長)が務めた。

 前半は、医療法で定められた「医療安全」「院内感染対策」「医薬品業務手順「医療機器に係る安全管理体制の確保」を中心に、安全管理に関する項目について説明した。さらに、心肺停止・ショック(特にアナフィラキシーショック)の対処方法について、歯科診療時に想定される注意点を、事例を挙げて詳しく解説した。

 後半は、参加者が実際に人体モデルでAEDシミュレーターを使用し、インストラクター指導のもと心肺蘇生の実習を行った。

 万が一、自院で患者が倒れた場合どうするのか、対応の手順を確認し合い、必要な薬剤・器具(AED)等の設置場所などをどこにあるか把握し、素早い対応ができるよう、現場のリーダーとして、普段からの心構えが重要であるとした。参加者には、研修終了後に受講修了証書が交付された。


各種届出の基準と実践を学ぶ

・・・ 歯科施設基準届出に係る研修会

 7月8日、講師に、北海道医療大学歯学部教授の川上智史氏を迎え、「歯科外来診療環境体制加算」「在宅療養支援歯科診療所」「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所(か強診)」の施設基準の届出に必要な研修会を開催し、会員46人が参加した。
 「歯科外来診療環境体制加算」では、算定に必要な要件である歯科外来診療時における偶発症に対する緊急時の対応や、医療事故、院内感染症対策などの医療安全体制整備について説明した。医療の安全管理は管理者一人でできるものではなく、同じ職場の皆が同じ目線で業務に当たり、行動することが最もよい対策となるとした。
 さらに、「在宅療養支援歯科診療所」については、高齢社会・訪問新診療の現状、栄養状態の確認の重要性、認知症高齢者の口腔ケアの困難さ等について、症例をもとに解説した。
 参加者には「届出目的の参加であったが勉強になった」などの感想が寄せられ、研修終了後、施設基準届出に必要な受講修了証書が交付された。


「歯科市民集会」に協力を要請

・・・ 2団体と合同懇談会を開催

 

 本会歯科部は、7月15日、㈳北海道歯科衛生士会、札幌歯科技工士会と合同懇談会を開催した。道歯科衛生士会から小林札幌支部支部長他2名、札幌歯科技工士会から道垣内会長他3名、本会から野川副会長他7名の役員が出席した。

 懇談会は、はじめに野川副会長より「厳しい歯科医療情勢のなかで、将来に向けて協力して様々な活動を続けていきたい」と挨拶があった。

 続いて、札幌技工士会から、役員改選の報告があり、道垣内会長は「歯科医療の重要性をマスメディアや市民に伝える意味からも歯科市民集会は大切な事業で今後も協力していきたい」と述べた。また、北海道歯科衛生士会は、小林札幌支部長より、卒後3年以内の衛生士を対象とした研修会等を通じ「歯科衛生士という職種への理解を深めたい」と報告があった。

 三浦歯科部長から本会の活動内容と役員改選の報告を行い、石塚事業部長が11月18日開催予定の「第7回歯科市民集会」の企画説明と開催に向けた協力の要請を行い、活発な意見交換が行われた。


   春季歯科スタッフセミナー     

受付業務の基本編を学ぶ

6月24日、春季歯科スタッフセミナーを開催し、歯科医師・スタッフあわせて35医療機関65名が参加した。
 昨年6月に発行された「歯科スタッフセミナー資料集︱窓口業務の基礎知識」(改訂第7版)をテ
キストに、受付業務の基礎的な内容を、わかりやすく丁寧に解説した。
 前半、講師の林明宏理事は「デンタルスタッフの窓口業務で守るべき基本的事項」「医療保険制度全般」「各保険証・受給者証の取り扱い」等を説明。
 続いて、今上岳彦理事は「高齢者医療制度」「公費負担医療」等について説明し、更に、公費負担医療では「北海道の医療費助成制度」についても触れ、詳しく解説した。
 参加者からは、「ポイントを絞っての説明で理解しやすかった」「少し曖昧だった保険のことも理解できた」「これまで疑問だったことが解決した」などの感想が寄せられ、大変好評であった。


    開業医のための実務セミナー   

  医院経営のポイントを解説  

 6月25日に「開業医のための実務セミナー」を本会理事が講師となり札幌市内で開催し、全道各地から医師・歯科医師、スタッフ等合わせて38医療機関56名が参加した。開業医に加え勤務医等も多く参加し、熱心に聴講した。
 午前の部は、医療機関におけるスタッフの募集・採用方法、労働条件、就業規則等について、変更点も含めて「雇用管理は医院経営成功のための重要な要素であるが、スタッフと院長との信頼関係が最も大切」と解説した。
 医療関連法規では、医業・歯科医業の広告や医療安全、医療事故、医業所得や医療法人等についてポイントを丁寧に分かりやすく説明した。


 午後の部は医科と歯科に分かれ、保険請求、審査、指導・監査に関する解説を行った。平成28年度診療報酬改定後の留意点を中心に、医療保険の基礎知識、窓口業務や請求事務について、具体的な事例を挙げて分かりやすく説明。
 さらに、行政指導の実施状況、指導時の心構えや指摘事項を講師の体験等を踏まえて解説した。
 セミナー終了後は、活発な質問が寄せられ、参加者からは「大変勉強になった」「有意義な内容だった」など、大変盛況だった。


 電子メディアによる子どもへの悪影響を警鐘
   女性部会 市民公開セミナー                                                                                                                
 

 10月15日、札幌市で市民公開セミナーを開催した。講師に旭川赤十字病院小児科部長の諏訪清隆氏を招き、テーマを『電子メディアと子どもたち』〜多様化するメディア社会に生きる子どもたちの心と体を守るために〜としてご講演いただいた。当日は医療・教育関係者や一般市民等23名が集まり、講演に聞き入った。

 諏訪氏ははじめに電子メディアによる子どもの体力や学力等、様々な方面への影響を説明。ゲーム機の普及直後から体力が著しく低下している実態や、スマートフォン(スマホ)の使用時間が長時間になるにつれてテストの点数が低くなる現状等、グラフを用いてわかりやすく解説した。テストの点数については、勉強もスマホも全くしない子どもより、平日2時間以上勉強しスマホを3時間以上使用する子どものほうが点数が低いという興味深い事実に参加者は衝撃を受けていた。

 また、日本の小学生は十数年前から電子メディア接触時間が世界一であることにも触れ、睡眠時間や勉強時間を削ってネットを利用する子どもが存在することから、子どもの電子メディア依存への懸念を訴えた。

 諏訪氏は最後にネットトラブルに巻き込まれる子どもが数多くいることに言及し、普段から相談できる環境づくりの重要性を説いた。「子どもと過ごす時間は長くない。TV・スマホより家族と過ごす楽しい体験を大切に」と述べ、講演を締めくくった。

 


医科新点数検討会 500人を超える参加
改定のポイントを解説


 本会は3月27日、今次診療報酬改定に伴う医科の新点数検討会を札幌市で開催した。当日は道内各地より会員・スタッフなど500人を超える参加があり、改定の概要や疑義解釈等について、参加者は最後まで真剣な面持ちで聞き入っていた。


 鈴木研究部長の司会のもと、はじめに小笠原会長より「本会は次々と進んでいる医療崩壊を何とか食い止め、国民皆保険制度をあるべき姿に戻し、会員の医療機関の健全な経営と道民の健康維持のために日々活動している。これからも皆さんの協力をお願いしたい」との挨拶があった。

 その後、本会研究部の講師団が「点数表改定のポイント」を資料に、今次改定の主要ポイントを解説した。
入院点数では、7対1入院基本料の要件が厳格化され、今回変更になった重症度、医療・看護必要度や該当患者割合、在宅復帰率について説明が行われた。さらに2年間に限り、7対1と10対1の入院基本料をそれぞれ算定する病棟が保持できる病棟群単位での届出が可能となり、届出に関する留意事項なども紹介された。また、本会が改善に向けて取り組んできた入院中の他院受診に関しては入院医療機関における入院料の減算幅が緩和されたことが報告された。その他、アウトカム評価が導入された「回復リハビリテーション病棟入院料」をはじめ、今回新設された「退院支援加算」や「薬剤総合評価調整加算」などについて、通知で示された内容をもとに改定の概要や届出要件などが説明された。

 入院外の点数では、かかりつけ医の機能強化として、認知症や小児を対象に「認知症地域包括診療料」「小児かかりつけ診療料」などが新設され、その算定要件や施設基準の届出に関して確認が行われた。その他、「特定疾患療養管理料」に関しては「当該保険機関から退院した日以降に算定」と明記され、退院後1カ月以内の算定制限が自院から退院した場合に限定されたことや、「外来栄養食事指導料」「入院栄養食事指導料」などに時間要件が加わったことが紹介された。

 在宅医療では、特医総管が「施設入居時等医学総合管理料」(施設総管)に名称が変更され、同区分にグループホームやサ高住などが新たに加わった。さらに、「同一建物居住者」が「単一建物診療患者」に変わり、診療人数と重症度により評価が細分化されるなど、前回改定よりさらに複雑となっており、今回改定になった点数や算定時の留意点について分かりやすく説明が行われた。
投薬に関しては、「一般名処方加算」の再編をはじめ、院内処方を行う診療所の後発医薬品使用体制の評価として「外来後発医薬品使用体制加算」が新設されたことや30日超投薬の制限、投与制限された湿布薬の取り扱いなどについて解説が行われた。

 最後に、施療養担当規則の改定に伴い変わった紹介状なしの大病院受診時の定額負担の導入や処方せん様式の変更などが報告された。また、病院の全ての入院基本料・特定入院料の届出や日常管理に不可欠な「様式9Excel表」が保団連ホームページ上で無償提供されていることも紹介された。

 その後の質疑応答では、複雑になった在宅医療をはじめ、入院料の施設基準や長期投与など、多岐にわたる質問が多数寄せられた。

 本会は、前回改定より関係各方面に改善要請を行い、今回の改定では要請項目の一部が反映されたが、今後も会員諸氏のさまざまな改善要望を集約し、国会や政府に働きかけていきたい。


公開医政講演会 
金子 勝氏が講演
アベノミクスの問題点が浮き彫りに

 公開医政講演会を3月19日、TBS系「サンデーモーニング」でお馴染みの慶応義塾大学経済学部教授の金子 勝氏を講師に迎え、「アベノミクスは社会保障を破壊する」をテーマに開催し、道内各地より多数が参加した。

 
 当日は、立花政策部長の司会のもと、はじめに小笠原会長より「今回、金子教授にアベノミクスの色々な問題点を浮き彫りにしていただく予定である。この機会に社会保障について皆さんと考えてみたい」との挨拶があった。
引き続き講演が行われ、金子氏は「アベノミクスはこれまで何一つ目標が達成されていない」と最初に言及し、安倍政権が推し進める政策の問題点を解説した。

 アベノミクスについて、「『3本の矢』が検証されないまま、安倍首相は『新3本の矢』を打ち出した」と説明。「日本銀行が2%の物価上昇を保障するとしていたが、3年が経ち、大手企業の内部留保は年率8%伸びて300兆円を超えた。しかし、実質賃金は低下し続け、家計消費は低迷している。所得が上昇しなければ消費は増えない」と、アベノミクスの失敗を指摘した。

 社会保障については、「削減方法について、これまでと違うのは地域包括ケアと称して、財源や権限を渡さないまま、地方に負担だけを押し付けようとしている。このままでは家族と地方自治体に負担が全部押し付けられるだけである」と説明した。

 最後に、「混合診療とTPPが結びつき、保険財源の健全化のために患者負担を増やして診療報酬を削減していくことは医療崩壊に繋がることは明らかだ。いま医療現場で何が起きているのか、医療提供者側から問題提起をしないと新しいシステムは生まれてこない」と述べた。

 参加者からは、「日本経済をタイムリーに解説され、大変面白かった」「非常に刺激的な内容ばかりで、アベノミクスの破綻が良くわかった」などの声が寄せられ、大変好評だった。

 


 【講演要旨】

「アベノミクスは社会保障を破壊する」
      

 慶應義塾大学経済学部

     教授 金子 勝 氏

 今の安倍政権は「息を吐くように嘘をつく」という手法を使っている。良い政策を言って実現できそうもないと次の噓をつく。メディアはそれを追いかけていくので、前の噓が検証されないまま忘れ去られていく。安倍政権の「3本の矢」がどうなったかなど、今は誰も言わない。原発問題もTPPも検証する間もなく、ころころと言う事を変えていく。

 その中で、最大のタブーはアベノミクスである。2012年12月の総選挙も2013年7月の参議院選挙も2014年12月の衆議院選挙も、全て経済最優先の「アベノミクス」でやってきた。ところが、何一つ目標が到達されていない。この3年間で大手企業の内部留保は年率8%伸びて300兆円を超えたが、実質賃金は低下し続け、家計消費は低迷している。所得が上昇しなければ消費は増えず、そこで「新3本の矢」を打ち出してきた。

 そもそも、「新3本の矢」の「名目GDP600兆円」を2020年までに到達しようとすると、年率で名目GDPが3・1%の成長を続けなければ達成できない。ところが、バブル崩壊以降、3%を越えたことはただの一度もなく、奇跡的な事が起こらないと達成しない。そして、「新3本の矢」がどうも無理だとなると「新々3本の矢」が出てくると思う。
さらに、「新3本の矢」で上げられている「名目GDP600兆円」「介護離職ゼロ」「希望出生率1・8」は「矢」ではなく「的」である。当初の「3本の矢」は、「異次元の金融緩和」、「機動的財政政策」、「成長戦略」で、「的」が「物価上昇率2%」「名目GDPが3%以上」だったが、今度は「的」が「矢」になっており、「矢」が見当たらない。法人税減税くらいしかないというのが今の状態である。


会保障に回らない消費税増税
 「聖域なき財政改革」と称して、財政諮問会議では社会保障の自然増の抑制に踏み込んできた。消費税が5%から8%に引き上げられたときも、結局は社会保障には5分の1しか回さなかった。安倍政権は、「消費税を上げなければ社会保障の財源は出ない」、そして次に「消費税を上げれば景気が悪くなる」、さらに「法人税減税と公共事業投資で景気を良くしなければいけない」と言うが、法人税を減税しても内部留保に回るだけで、公共投資も波及効果がない。結果的に景気は良くならないので財源が足りなくなり、「増税しよう」と言う。こうした永遠の噓のサイクルに国民が気付かない。国民全体で振込み詐欺にあっているようなものだ。

 社会保障問題も、厚労省は健康保険について、医療や介護のニーズをどう満たすかなど一切考えていない。お役所の目的は健康保険財政をどう健全化できるかの一点であり、彼らにとって健康保険財政を抑える手法は簡単である。医療費が高いのは、実は高齢化自体ではなく、高齢者の終末期に先端医療が入ってくるためであり、この部分に先端医療が入らないよう、混合診療で切り離してしまえば保険財政は悪くならない。もう一つは診療報酬を抑える、さらに保険料や一部負担など患者負担を増やす政策で健全化を図ろうとしている。

 

財源も権限も渡さない日本の地域包括ケアシステム
 根本的に医療や介護のシステムを変えるとなると、相当ドラスティックな改革をやらなければいけない。ヨーロッパがEU統合の際に国の財政赤字に上限が設けられたため、地方にどんどん財源を移譲し、地方にイニシアティブを委ねた。その結果、生まれたのが地域包括ケアである。かかりつけ医やケースワーカーが患者一人ひとりに寄り添って、医療と介護が連携してネットワークを形成し、効率的にサポートする体制を整えた。2000年代の初めにヨーロッパ地方自治憲章というのが決まり、地方でできることは地方で行う、出来ないことは上の自治体で行う。

 例えば、市町村レベルで出来ない大規模な介護施設は都道府県レベルで行うなど、下から業務を積み上げるといった考え方を大胆に推し進めた。ところが、日本は財源も権限も一切地方に渡さない。その結果何が起きているかというと、地方包括ケアという名目で、単に地方に負担を押し付けている。昨年の医療・介護総合確保推進法によって、改正介護保険法で要介護3以上は特養の入所が制限された。そして、介護の場を在宅に移すと言いながら介護報酬を削っている。しかも要支援者の訪問介護などの介護予防事業は市町村に丸投げしている。その結果、地方の町村では対応できないため、都市部に高齢者が集まってくるということが起きている。

 その一方で、病院のベッド数を2020年までに最大20万床削減し、在宅への追い出しを始めている。在宅で診るとなると24時間対応でプライマリケアや緩和ケアが必要であるが、追い出した患者をどこで受けるかははっきりと示していない。しかも介護報酬を下げておいて、介護職員の賃金を上げろと言っており、大企業の内部留保を増やす一方で、小さな介護事業所の内部留保を吐き出させるようなことをしている。

 

医療崩壊を招くTPPと成長戦略
 医療問題では、さらにTPPが追い討ちをかけることになる。TPPでは先ず医薬品の特許期間が延長され、バイオデータに8年間の保護期間が設けられる。アメリカで強い産業というと医薬品、医療機器、医療保険の3大産業をサポートしていくことによって、時間をかけて日本の国民皆保険制度を空洞化させていくといった道筋が考えられるが、安倍政権は地域医療や救急医療が壊されていく混合診療に自ら踏み出そうとしている。

 成長戦略では、民間病院をどんどん増やす。日本の場合、これまで民間の大規模病院が準公立的な働きをして、地域医療などを支えてきた側面があるが、今後は救急医療など一切やらないで、高い報酬が得られる保険外診療しか扱わない儲け主義の民間病院が増える。保険外診療で病院経営が潤えば、小泉政権時のように診療報酬がガタガタに下げられてしまい、標準的な医療に携わる医師が生き残れなくなり、お金の儲かる病院に医師が集っていく一方で、地域の中核病院が無くなっていき、医療崩壊が進んでいくことになる。

 このようなヨーロッパ型に似せた、実態としてはぜんぜん違う地域包括ケアみたいな仕組みをつくり、地方と家族に負担を担わせる。さらに、医療保険支出を抑えるために混合診療の導入とTPPを結びついた形で進んでいくと、医療も介護も崩壊する以外にない。直ぐにそうなるわけではないが、少しずつ段階的に進められていく。重い病気に罹ったときに診てもらえる中核病院が消えることは地域医療の崩壊の始まりである。アベノミクスは絶対にうまくいかない。うまくいかないと、必ずしわ寄せが社会保障にやってくる。こうした事態に備えて、医療現場で今何が起きているのか、医療提供者側が反論や対抗策を短期的なものから長期的なものまで組み立てて準備しておかないと、新しいシステムを生まれず、社会保障は保てなくなるであろう。                     


 


 

 


歯科新点数検討会
全道6カ所同時開催 752人が参加


 2016年度診療報酬改定に際し、歯科新点数検討会を3月21日に札幌、函館、旭川、帯広、北見、釧路の全道6カ所で同時開催し、会員、スタッフ、未入会員合わせて752人が参加した。各会場には本会歯科部の理事が出向し、各支部役員の協力のもと、今次改定に関する解説と正確な情報を伝達した。

<札幌会場

の様子>

 
 新点数検討会は、保団連発刊のテキスト「2016年改定の要点と解説」をもとに、改定項目に関する詳細な解説に加え具体的事例を用いて検討を行った。

 札幌会場では、今次改定の厚労省交渉を担当した田辺 隆本会理事(保団連副会長)が「今回の改定は当初の予想より複雑で難しい内容となっており、何が変更になったのか等、新設項目や削減された内容について、改定の概要を把握した上で各通知に十分目を通して確認する必要がある」と強調。「昨年来、中医協で地域包括ケアシステムの議論が行われ医科歯科連携、在宅重視等が溯上に挙がっていた通りの改定となった。今後、各医療機関がどのような診療体制で取り組んでいくべきか検討する必要がある」とした。

 今次改定では、多くの項目で本会、保団連の改善要求が反映されたことから、今後も会員の声を集め歯科医療費の総枠拡大と診療報酬の大幅な引き上げを求め保険診療の改善に向けた活動を進めていく。

 当日、各会場で受け付けた改定項目に関する質問への回答は、今後、本紙やホームページに掲載する予定。また、札幌会場での音声ファイルをホームページに掲載するので、資料と共にご確認をいただきたい。


- 保険で良い歯科医療をめざして -

<<  口から幸せになろう! >>

 

  第5回歯科市民集会を11月14日、「口から幸せになろう」を中心テーマに札幌市で開催。基調講演には管理栄養士の齋藤郁子氏、札幌歯科技工士会の道垣内茂樹会長、北海道歯科衛生士会札幌支部の松岡 円氏を招いた。講演では歯科医療や在宅、介護現場での歯の健康、口腔ケアの重要性を伝え、さらに「保険で良い歯科医療を求める」本会の活動を紹介。一般市民・医療関係者など120人が参加した。


 石塚祐司理事の司会のもと、主催者を代表して小笠原俊一本会会長が「今日の集会を通じ、口から食事をとることの大切さや口と歯の健康が長寿につながることを学び、日常生活の中で実践していただきたい」と挨拶を述べた。

 

 <管理栄養士 齋藤郁子氏>

<札幌歯科技工士会 道垣内茂樹会長>

 <北海道歯科衛生士会 松岡 円氏>

<本会 今上岳彦歯科部員 >

  基調講演では、サンシャイン栄養コンサルタント管理栄養士の齋藤氏が「口から食べる幸せづくり〜おいしく食べて元気で長生き〜」と題し、口腔と栄養摂取の関係、食べる力に合わせた食事の工夫、食べる意欲を高め元気に結びつく食事等について講演。そのなかで、高齢者にとっての「食べる事」の意義を低栄養状態の予防と生活機能の維持として、蛋白質・エネルギーの十分な摂取は身体機能の維持、生活機能の維持、免疫機能の維持向上と共に心の満足になり、要介護状態の重度化を予防しQOLの維持・向上、健康寿命の延長につながると指摘。在宅訪問栄養指導の実例を紹介し、食べられる口づくりと食べる喜び等について解説した。さらに、おいしく食べる条件として食べる環境、摂食嚥下機能、口腔の健康の重要性を挙げ、食べることの大切さについて述べた。

 続いて、札幌歯科技工士会の道垣内会長が「歯科技工士の仕事〜差し歯、入れ歯ができるまで」をテーマに、歯科技工士の業種と現状の説明、技工物の種類や実際の製作手順に関して写真を交え詳しく紹介し理解を求めた。別室では技工士会役員が歯科技工物の展示を行い、説明に熱心に耳を傾ける一般市民が多く見られた。

 後半は、北海道歯科衛生士会札幌支部の松岡氏が、「お口の健康を守ろう!〜ブラッシングポイント&健口体操〜」をテーマに講演。健康な歯や口の役割などの基礎から、口腔内の健康を保つために重要な「唾液腺マッサージ体操」や高齢者の誤嚥性肺炎を予防する食べ飲み機能の鍛え方「舌出しゴックン体操」を紹介、ブラッシングの効能や磨き方のポイントを解説。歯科衛生士会マスコットの「歯ットくん」人形も加わり、参加者全員で「むすんでひらいて・健口体操」などを行った。

  引き続き本会の今上岳彦歯科部員が、保険医の立場からとして「保険で良い歯科医療を」をテーマに講演。わが国の国民皆保険制度に関して、医療保険制度の歴史的経緯、医科と異なる歯科の「保険と自費」の問題、国民医療費に占める歯科医療費の割合の推移、政府の医療費抑制政策により歯科医療が置かれる厳しい現状を説明。保険で良い歯科医療を求める本会の活動を紹介し、窓口負担の軽減、保険の効く範囲の拡充を求める署名活動への協力を呼びかけた。

 

<健口体操の様子 〔右:歯ットくん 〕

<歯科技工士会の展示ブース>

  会場では参加者に歯ブラシをはじめ歯科関連グッズを無料配布。さらに歯科関係、介護食関連、健康飲料等の業者による商品展示も行われた。最後に、野川哲義本会副会長が「本会では歯と口の健康が全身の健康や生活にいかに大切か、そのために保険で良い歯科医療の実現を目指し今後も情報を発信していく。本日学んだことを日常生活で実践し、周りに伝えていただければ幸い」と挨拶した。

 

<ほぼ満席と

なった会場>

   

 
 

<介護食関連、健康飲料等の業者による商品展示ブース>