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北海道保険医会事務局

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時論

 

社会保障の基本理念へ立ち返りを


 引きも切らず社会保障費抑制の声が押し寄せる。6月中に閣議決定予定の「骨太の方針2018」は、過去3年間を上回る厳しい社会保障歳出抑制と患者負担を強いるものになるのは確実だ。骨子案には受診時定額負担の導入、地域別診療報酬の活用等、実に数多くの事項が並ぶことになる。
 これは一時的な財政上の辻褄合わせではなく、背景に長年にわたる政府の社会保障の理念破壊がある。
 戦後の1948年に社会保障制度審議会が設置され、50年に「社会保障制度に関する勧告」を提出したが、この中で「憲法25条により、生活保障の責任が国家にある」と明確に述べている。しかし、70年代後半から日本型福祉社会論が登場し、社会保障の柱をなすのは自己と家族そして企業であると喧伝される。80年代後半からは、企業は正規雇用を減少させ、社会保障に対する企業責任を縮小させていく。95年同審議会は「社会保障体制の再構築に関する勧告」で、社会保障制度を「個々人の社会的連帯によって成立する」と変質させた。そして2001年に同審議会は廃止され、社会保障審議会と名前を変えることになる。その後の「社会保障と税の一体改革」の進行に伴い、社会保障の公的文書には常に自助、共助が優先され、公助は最後になることが定式化されてきた。
 法令も同様である。例えば「高齢者の医療の確保に関する法律」は、第1条(目的)「…医療費の適正化を推進するための計画の作成…」、2条(基本的理念)「国民は、自助と連帯の精神に基づき、自ら加齢に伴つて生ずる心身の変化を自覚して常に健康の保持増進に努める…」、3条(国の責務)「…医療に要する費用の適正化を図る…」としている。目的、理念としてあまりにも発想が貧しく、憲法25条との乖離は途方もなく大きい。他の社会保障関係の法律条文も同様だ。
 官僚は前例踏襲を旨とする。今後も同様の法令の連続が危惧される。医療福祉関係者の教育への影響も大きい。負の連鎖を防ぐには幅広い分野で社会保障の理念の再構築が必要だ。

 


私たちの主張

 

骨太の方針2018
「歳出改革」社会保障費抑制が焦点

 

 政府の経済財政諮問会議は5月28日「骨太の方針2018」の骨子案、6月5日にはその原案を公表した。両案には、新しい経済財政計画の策定が位置付けられ、歳出改革の主要分野別項目で焦点となる社会保障費について、19〜21年度を「基盤強化期間(仮称)」と位置付け、医療・介護サービス供給体制の適正化・効率化や、生産性向上、給付と負担の適正化などに取り組む考えが明示された。社会保障分野でのさらなる歳出削減を進める内容となっている。

 政府は、19年度予算編成の基本方針や今後の経済財政政策の方向性を定める「骨太の方針2018」を月内を目途に閣議決定する予定で議論を進めている。

財務省の財政健全化「建議」

 骨子案に先立ち、財務省のまとめた新たな財政健全化の「建議」では、19年10月の消費税増税を確実に実施した上で、国と地方のプライマリーバランスの黒字化を目的として、社会保障分野での財務省の財政健全化「建議」歳出削減の重要項目として以下の点が上げられている。
 社会保障関係費については、高齢化等の人口変動に伴う伸びの範囲におさめるべく、制度改革や効率化に取り組むことで「その他要因に伴う伸び(医療の高度化等)」を抑制していく。特に医療・介護については(1)制度の持続可能性を踏まえた保険給付範囲とし「薬剤自己負担の引き上げ」「受診時定額負担の導入」(2)必要な保険給付をできるだけ効率的に供給するため「公定価格の適正化・包括化」による診療報酬の抑制と政策効果の検証。更には「医療提供体制の改革」として「地域医療構想の促進」「都道府県の法定外繰り入れの解消」「地域別診療報酬の活用」(3)高齢化や人口減少の中でも持続可能な制度としていくために年齢ではなく能力に応じた負担とし「後期高齢者窓口負担2割への引き上げ」「現役並み所得の判定変更」「介護保険の利用者負担引き上げ」「金融資産を考慮に入れた負担を求める仕組みの導入」。支え手減少下での医療費増加に対しても制度の持続可能性を確保するための「給付率(自己負担)自動調整」などである(2面「解説」参照)。
 社会保障費の度重なる削減、消費税増税による家計への圧迫、規制緩和の名の下に派遣業が大幅に認められ就労人口の37・5%を占める非正規雇用者の拡大など、生活が一向に改善されていない中、さらなる国民負担を求める内容となっている。

骨太の方針取りまとめ状況

 6月5日に行われた諮問会議で、安倍首相は「プライマリーバランスの黒字化に向け、社会保障改革を軸とし、団塊の世代が75歳に入り始める22年度の前までの3年間で、持続可能な経済財政基盤を固めていくことが必要」と述べた。また、麻生財務相も「社会保障費の伸びを高齢化に相当する範囲内に抑えるための重点項目を取りまとめ、19〜21年度の間から実行に移すことが必要」と述べ、社会保障費抑制へ取り組みの加速・拡大の方向を示した。
 現在、政府は、与党内の意見を踏まえ文言の修正作業を進めている。現時点での主な社会保障関連の修正内容は、今後の財政健全化に向けた社会保障の基本的考え方としての記述部分で、与党内から内容が一面的だとの声が上がり、多少聞こえの良い言葉に修正された。
 また具体的には「薬価制度の抜本的改革」において「革新的新薬の評価」と「長期品薬価の引き下げ」の記述などが削除された。
 これは、単なる文言の修正・削除であり、基本的に歳出削減の主要分野としての社会保障費抑制の方向性は何ら変わっていない。

                           ◇ ◇ ◇

 日本の社会保障の行方を左右する「骨太の方針2018」。政府は、社会保障費削減により財源を確保するのではなく、社会保障の充実と安定のもと「真の働き方改革」を積極的に進めることで雇用環境を改善・確保し、若者や女性、高齢者等の保険料を支払う「働き手」を増やすことによる財源確保への方針転換を望む。
 本会は、予算編成や今後の経済財政政策の動向を注視すると共に社会保障の充実、国民皆保険制度の堅持のため積極的に情報を発信し活動を強化していく。

 

 

 


私たちの主張


問題多い歯科の施設基準

 

 施設基準は、人員配置や設備等の要件が設けられていて、保険医療機関が自ら届出を行って初めて算定できる診療報酬の項目である。
 歯科の施設基準で初めて診療報酬に導入されたのが、クラウン・ブリッジ維持管理料(以下補管)である。平成8年度改定時に導入された時は施設基準ではなかったが、12年度改定時に、いわくつきのかかりつけ歯科医初診料の導入と同時に突然、施設基準とされた。
 補管とは、保険診療において通常行われている冠やブリッジを装着した後、2年以内の再製作に係る費用は請求出来ないというものである。再製作する場合、その費用は医療機関の持ち出しとなり、歯冠修復・ブリッジ関連の歯科医療費の大きな削減効果を上げた。補管には施設基準といえる基準は全くなく、本会では導入当初から問題視していた。8年度改定以降、施設基準として新規項目が多く導入されてきたが、今次改定で既存項目の中身が大きく変わってきた。18年度に導入された在宅療養支援歯科診療所は2種類に分化され、訪問診療の実施回数や多職種連携への参画など、施設基準がさらに高度化・専門化され、在宅医療にさらなる医療機関格差が持ち込まれた。
 28年度導入のかかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所(か強診)の施設基準では、算定実績ではなく、算定回数で規定され、体制の評価から実績の評価となり、導入当初の主旨とは異なり、戸惑いが広がっている。
 さらにこれらの施設基準の大きな問題点は、「歯科衛生士の配置」要件である。これまで本会は、北海道では地域によって歯科衛生士がおらず、雇用ができないなどの問題があることから、この要件の廃止を要求してきた。そもそも、医科の施設基準で医師自身のみの診療行為によって算定される項目について、看護師等の配置が求められているものはない。
 このように歯科の施設基準には多くの問題が存在している。次回本会では改定に向けて、これらの問題を解消にすべく、引き続き強く改善を要求をしていく。


国民皆保険制度崩壊の危機

地域別診療報酬の導入を許すな

 財務省は先月11日、財政制度等審議会・財政制度分科会において、高齢者医療確保法に基づく地域別診療報酬の特例について「具体的に活用可能なメニュー」を国が提示すべきだと提言した。提言に基づいた措置が行われると、1点単価切り下げの恐れがあり、医療現場への影響は計り知れない。国民皆保険制度崩壊を招く暴挙を許してはならない。

 

 財政審が提言

 先月11日、経団連会長の榊原定征氏が会長を務める財政審・財政制度分科会が開催された。社会保障をテーマに審議が行われ、医療費「適正化」の観点から「改革の方向性」が提示された。それによれば「都道府県における医療費適正化の取り組みに資する実効的な手段を付与し、都道府県のガバナンスを強化する観点も踏まえ、医療費適正化に向けた地域別の診療報酬の具体的に活用可能なメニューを国として示すとともに、今年度から開始する第三期医療費適正化計画の達成に向けても柔軟に活用していくための枠組みを整備すべき」とされた。

□ 都道府県で異なる医療費

 財務省は、同審議会で「医療費適正化に向けた地域別の診療報酬の活用(考えられる例)」として^緡堵颪凌びが高く住民の保険料負担が過重となる場合における診療報酬1点単価の調整入院医療費の地域差是正等の観点からの、特定の病床が過剰な地域における当該入院基本料単価の引下げD敢浙般海亮要に見合わない供給増(薬剤師や薬局数の増加)が生じた場合の調剤技術料の引下げの3項目を挙げた。
 都道府県に医療費を執拗に競わせ、病床削減の手段としても踏み込む勢いの表現であり、看過できるものではない。

□ 医療現場の混乱は必至

 都道府県に医療費を執拗に競わせることにより、患者に対して必要な医療の提供が困難となり、疾患の重度化につながることが危惧される。また、医療提供体制の地域性を無視して病床数や入院医療費を機械的に削減すれば、広大で自然環境が厳しい本道では医療難民が生じ、さらなる医療崩壊につながる。
 県境を挟んで異なる医療費で医療が行われれば、現場に違和感と不公平感をもたらすのは明らかだ。また、全国的に医療費の高低で患者や医療従事者の移動が起こり、医療現場は大いに混乱するだろう。
 我が国は、いつでも、どこでも、だれもが保険証一枚で全国一律で質の高い医療を受けられる、国民皆保険制度を堅持してきた。地域別診療報酬が導入されれば、この世界に冠たる制度を根底から揺るがす事態となる。

□ 今後に向けて

 地域別の診療報酬は、平成27年に経済財政諮問会議が医療費の地域格差を是正するために強引に導入しようとしたなど、繰り返し議論の俎上に上がってきた。今回、財政審・財政制度分科会で具体的な検討事項として取り上げられ、特例の措置が導入される危険性がある。
 これまで見てきたように、地域別診療報酬の設定は、地域特性を無視した暴挙であり、断じて容認することは出来ない。本道の地域医療、そして世界に誇る国民皆保険制度を堅持するため、本会は地域別診療報酬に断固反対していく。会員諸氏にはご協力をお願いしたい。


解 説

提供体制に不安の声

 
総合事業の調査結果まとまる

 介護保険法の改正により要支援者に対する訪問介護・通所介護が、介護予防・日常生活支援総合事業(以下、総合事業)に移行されたことに伴い、本会では全道の市町村に対し総合事業への参入事業者の見通しや自治体財政への影響等についてアンケート調査を行った。その結果、特に人口規模の小さな町村からは不安の声が寄せられ、サービス事業者の不足等による体制整備に危機感を持つ自治体が多いことが明らかになった。

 

 2015年に成立した改正介護保険法では、多様なサービスの提供により要介護状態への進行を防ぎ、地域全体で高齢者の自立した生活を支援するための取り組みを進めることで、地域活力の向上にも繋がると「総合事業」導入の意義を説明している。総合事業は、これまでの要介護・要支援者以外に対する介護予防事業に、介護予防給付の訪問介護、通所介護を組み入れたもので、既に2017年4月から全国の市町村で実施が始まり、2018年4月より完全実施されている。
 総合事業への移行は住み慣れた地域で実情に応じたサービスの提供が受けられるとの利点が示されているものの、保険者が市町村に移管するため、サービス内容や財政措置等は市町村の体力に負うところが大きく、市町村間格差も懸念されていた。本会ではこうした影響を調査するため道内の179市町村に対しアンケートを実施し55市町村(回答率30・7%)から回答を得たのでその概要を報告する。

総合事業移行後の要支援者の変化

 要支援者数は「変わらない」が54・5%と半数を超えており、「伸びている」が23・6%、「抑えられている」が21・9%と拮抗していた【図1】。この伸びや抑制が総合事業への移行に影響したものか明らかではないが、全体的には大きな影響はないと見られる。

新たな総合事業の利用者数

 「見込み通り」との回答が47・3%と約半数に上り、その他は「多い」16・4%と「少ない」14・5%と同水準であった【図2】。「まだ分からない」との回答は18・2%で、先行きの見通しがつかない市町村も2割弱あるようだ。

総合事業に伴う市町村の財政負担

 「変わらない」が49・1%と半数を占めたものの、「増加している(増加の見込み)」も43・6%と高い数字が示された【図3】
 事業の内容、予算については市町村の裁量で行えるものの、これまでのサービスの質や提供体制維持のため、市町村の負担が余儀なくされているケースも多いのではないかと思われる。

新サービス提供事業者の参入有無

 「かなり不足している」が45・5%、「若干不足している」27・3%と合わせると7割以上が不足を訴える回答であった【図4】。さらに「かなり不足している」の回答を、市と町村で比較すると、市が25・0%であるのに対し町村は51・2%と半数を超え、地方での事業者確保の困難さが示された。
 自治体の独自性が発揮できるサービスであり、従来型のサービスに比べ低単価に抑えつつ、増え続ける要支援者の受け皿と目されているものの、事業者やボランティア組織の参入が無ければ成り立たず介護難民を生み出しかねない。今後の状況が注目される問題である。

将来の上限額超過に対する不安大きく

 総合事業移行に伴うメリット、デメリットを問う記述回答では、メリットではチェックリストにより事業対象者の決定が出来るなど事務の簡略化を上げる声もあったが、回答の多くは財政問題を中心に不安を訴える内容で占められていた。
 「地域支援事業交付金の上限額について将来的に訪問型サービス、通所型サービスの給付の自然増が当該上限額を上回ることが予想されるため制度の見直しを要する」「従前相当のサービスを活用せざるを得ず、総合事業の限度額の廃止、引き上げをお願いしたい」「費用の上限を設けられただけの制度」など国からの交付金で賄いきれない場合の財政負担を懸念する声や、「人口規模も財政力も弱小自治体においては事業のメニューを揃えることが難しい」「小規模自治体では新たな事業者の参入があれば共倒れの懸念もある」といったサービス提供体制への不安の声も寄せられた。チェックリストで簡便に対象者を決定する方法も、逆に費用のかかる訪問型、通所型のサービス利用者を拡大させる要因となり財政圧迫に繋がるなど、規模の小さな自治体では切実な課題が山積する状況が明らかになった。

介護給付の削減に歯止めを

 冒頭に記述した通り、「総合事業」の目的は建前上、「地域包括ケアシステム」を構築するための地域全体の支え合いの仕組みとされているが、実質的には国の財政負担を軽減し、市町村と地域に財政問題と運営責任を転嫁するものだ。
 特に要支援者への訪問介護・通所介護は、国の一律の基準による「給付」であったのに対し、総合事業への移行により市町村の予算内で実施される「事業」となり、市町村の財政負担能力や取り組み姿勢等で格差が生じる。また、市町村としても長期的な視野で要支援者の増加等を勘案すると、安易に手を拡げられず、今後要介護1、2も総合事業へ移行される可能性を考えると、予算措置やマンパワー対策にも自ずと限界がある。また、専門職以外の者が直接サービスに携わる総合事業の仕組みにも、一定の歯止めが必要で、国の責任により法律で保障された介護保険給付をこれ以上削減すべきではない。今後も各市町村の動向を注視し必要な改善を求めていきたい。


時 論

 

究極のモラルハザード

 

 とうとう出てきたと云うべきか。
 あの財務省の財政制度等審議会が医療・介護分野に社会保障費削減を目的とする地域別診療報酬を提言してきた。
 高齢者医療確保法で都道府県別の診療報酬設定の特例を認めているが、2006年の法改正後の実施例はない。
 提言では、医療費の伸び率が高い地域は住民の保険料負担が高いとして、地域差是正等も論拠にしている。
 介護報酬の単価が地域によって最大14差異があるとする調査結果も参考にしている。歯科への対応が医科に利用された歴史が、今度は介護から医療へと繰り返されている。
 病名のDPC係数管%の理に味をしめた厚労省が、今後さらに病床数のKPI評価指数等の細かい数値設定で病床削減を目論んでいる。
 しかし特例の法令化から10数年、実施されていないのは大きな理由があるのだろう。医療崩壊の一因とされる「医師の偏在」の悪化だ。
 診療報酬の低い地域で新規医業経営に意欲を持つことが可能だろうか。明日の1%が数年先の数%になる事は誰でも知っている。地域医療崩壊に拍車が掛かり、公設民営や委託の選択を迫られる事案が増えるのではないか。
 係数等のミクロの数値よりもマクロの数値を見直そう。
 道内に医療過疎地が多いのは周知の事実だが、地域医療を支える准看護師の養成数の減少や高齢化など、医療環境の厳しさは医師数、医師の偏在などだけではない。
 今年3月に今後5年間の北海道医療計画が公表された。厚労省の方針に基づく地域医療計画策定では、在宅診療必要者も数万人規模で急激に増加することが予想されている。ここに財務省主導の地域別診療報酬が実施されればどうなるか。疲弊した医療機関が医療・介護連携の要になりきれるか。数値化しにくい互助を地域包括ケアシステムに組み入れ、老々介護は蚊帳の外か。
 残念ながら財務省提言の中にその考察が無いように思う。
 厚労官僚のパソコンに眠っているのか。


私たちの主張

 

 第6回代議員総会にご参加を

 

 安倍政権は、昨年秋の総選挙でも圧倒的な議席を確保し、国民の信を得たとしているが、社会保障費の度重なる削減、消費税増税による家計の圧迫、就労人口37・5%を占める非正規雇用者の拡大など、国民生活は一向に改善されていない。アベノミクスを支える「三本の矢」に景気回復効果が期待できない中「新三本の矢」と称して「名目GDP600兆円」「希望出生率1・8」「介護離職ゼロ」を目指す方針を示した。企業収益はトリクルダウンしないまま内部留保へと変わり、労働者の所得や個人消費が伸びない状況下では実現性が大いに疑問視される。
 最大の関心事である今次診療報酬改定は、本体部分がプラスとなったが、薬価の引き下げ分が本体に充当されず、地域医療を守り医療従事者の雇用・労働環境を改善するための原資としては程遠いものとなった。
 また今次改定では初診料に「機能強化加算」が新設され「かかりつけ医」機能を有した医療機関が評価された。かかりつけ医普及に向けた経済誘導と見られ、将来的なフリーアセス制限の下地づくりとも考えられる。歯科では特定薬剤の取扱いなど、一部本会の要求が反映されたものの、か強診の施設基準は依然厳しいものになっている。また届出の有無で加算・減算が新設され複雑化するとともに、医療機関間の階層化が進み「一物二価」が顕著となった。診療所の差別化を評価するのではなく、初・再診料をはじめとした日常診療への適切な評価や基礎的技術料を中心とした診療報酬の大幅な引き上げが必要である。
 今こそ本会は、活動理念である「国民の健康を守るため保険医療の改善を期し、併せて保険医の生活安定を実現」すべく社会保障の充実・改善に向け国民皆保険制度の根幹を揺るがしかねない医療制度の改悪に断固反対し、より積極的に活動していく。
 来る26日午後5時より札幌ビューホテル大通公園で「第6回代議員総会」が開催される。一般会員の先生も傍聴できるので、是非参加していただきたい。


徹底した給付抑制と負担増

医療費の地域差縮減、20年度で公費2700億円を抑制

 政府が3月29日に開いた経済財政諮問会議で、経済・財政一体改革推進委員会は、2016年度から実施してきた経済・財政再生計画の中間評価を示し、今後の歳出効率化効果を試算。15年度の1人当たり医療費の地域差が23年度に半減すると仮定した場合、20年度時点では国・地方の公費2700億円、保険料3400億円を抑制できるとの結果を示した。

■ 医療・介護提供体制の適正化

 都道府県別の一人当たり医療費の地域差半減を目指し、地域医療構想の策定、実施による都道府県別の取り組み等を数値化して公表するいわゆる「見える化」など、地域差の縮減効果を早期に明らかにするとともに、徹底した進捗管理を行っていくことが重要とした。外来医療費の地域差を半減するため、糖尿病性腎症重症化予防の推進、重複服薬や後発医薬品の適正使用等の取り組みを早期に追加し、医療費適正化のPDCAを着実に実施する必要があるとした。またかかりつけ医の普及と外来時の定額負担については18年度までに、介護医療院等への転換を含めた病床再編等を行うために都道府県の体制・権限の在り方を20年央までに結論を得るとしている。
 しかし、地域特性や疾病特性を考慮せず、医師・看護職員等の需給対策も進んでいない状況で、病床機能報告における定量的基準をもとに病床数の削減を断行しようとしており容認できない

■ インセンティブ改革

 健康増進・予防の推進や医療費・介護費の適正化に向け、18年度から全ての医療保険者に対してインセンティブが強化される。
 国民健康保険では保険者努力支援制度、健康保険組合および共済組合では後期高齢者支援金の加算・減算制度の見直し、協会けんぽでは都道府県支部ごとの保険料率への反映、後期高齢者医療広域連合では各広域連合の取り組み等を特別調整交付金に反映させる。個人については、疾病予防や健康づくり、健診受診等を促すためのインセンティブ付与(ヘルスポイント等)に関するガイドラインを策定し、保険者による取り組みを推進することとした。
 国民健康保険料に医療費の地域差が一層反映されるよう、インセンティブの評価指標による結果を公表し、取り組み状況の「見える化」や改善状況で、普通調整交付金の地域差による配分を決め、保険者機能の一層の強化を図るとしている。
 この「見える化」によって、成功事例を積極的に横展開させ、成功報酬的な補助金だけを見当てに自治体や保険者に強制的な取り組みを強いるとともに、この傾斜配分的な目標で国民を競わせることに繫がる危険性がある。

■ 公的サービスの産業化

 民間事業者も活用した保険者によるデータヘルスの取り組みの先進・優良事例の全国展開が進められている。18年度から医療保険のオンライン資格確認を導入するとともに、医療等分野の情報連携に用いる識別子( ID)の、本格運用を目指すシステム開発を実施するとしている。
 次世代医療基盤法にも繫がるビッグデータの取扱いによる個人情報の漏洩が危惧される。

■ 負担能力に応じた公平な負担、給付の適正化

 高額療養費制度及び高額介護サービス費制度の見直しを実施するとともに、介護納付金の総報酬割について、段階的に実施する。医療保険において、金融資産等の保有状況を考慮に入れた負担を求める仕組みや、薬剤の自己負担の引上げ、後期高齢者の窓口負担の在り方は18 年度末までに結論を得るとしている。明らかな公費の抑制、国民個人の負担増には断固反対していく。

■ 薬剤・調剤等の診療報酬及び医薬品等に係る改革

 後発医薬品の使用割合を20年9月までに80%とし、出来る限り早期に達成出来るよう、診療報酬の更なる対応や保険者毎の後発医薬品の使用割合について、18年度実績から公表し、使用促進策を実施するなど、医師・歯科医師の裁量権の侵害に当たる誘導策を推進する構えには注視が必要である。

◇   ◇   ◇

 公表という「見える化」で自治体や保険者の取り組みを表し、成功報酬的な補助金で自治体や保険者に積極的な取り組みを強いる。ひいては国民の負担、生活の疲弊を増大させることになりかねない。国の数字だけによる誘導に警鐘を鳴らすとともに、国民の医療、くらしに改悪となる政策に反対する運動を行っていく。
 20年度段階での国が示している歳出効率化効果、経済効果については、別表参照。

 


時 論


フリーアクセス制限にするな

 

 今次診療報酬改定・基本方針の最重点課題は「地域包括ケアシステムの構築と医療機能の分化・強化、連携の推進」である。地域完結型医療の仕上げに向け「かかりつけ医機能を有する医療機関の初診を評価した」機能強化加算(80点)を新設した。地域包括診療加算等を届出した場合に加算できる。
 そもそも「かかりつけ医」は、医療法、医師法、健康保険法には規定されてはいない。
 社会保障審議会医療部会「医療提供体制に関する意見」(平成17年月8日)で「かかりつけ医は、国民が身近な地域で日常的な医療を受けたり、健康の相談等ができる医師」であり「患者の症状に応じて適切な医療機関を紹介すること」と記載された。
 ところが「社会保障制度改革国民会議報告書」(平成25年8月6日)では、フリーアクセスとは「いつでも、好きなところでと解釈されるものではなく必要な時に必要な医療にアクセスできる」という意味であり「かかりつけ医」はその「ゲートキーパー機能を備える」と変質させた。
 さらに社会保障審議会「議論の整理」(平成28年12月20日)では「かかりつけ医以外を受診した場合における定額負担の導入を検討する」と明記した。
 今回、紹介状なし大病院受診時の定額負担の対象範囲が拡大(500床以上から400床以上に)された。また地域包括診療加算は、一患者につき一医療機関が算定する設定となっているが、患者向け説明書に他院受診時相談する旨を記載することとされた。
 「ゲートキーパー機能」を持たせた「かかりつけ医」への誘導はフリーアクセスを一層制限することになりかねない。さらにかかりつけ医以外受診時定額負担は登録「かかりつけ医」による人頭払い制に向かう危険性が懸念される。英国のNHSや米国のメディケアを想起させる。
 「かかりつけ歯科医」や「かかりつけ薬剤師」のあり方も議論されている。
 「かかりつけ医」は住民が安心して暮らせる「真の包括ケアシステム」を担うものである。フリーアクセスの制限、医療費削減の具とさせるわけにはいかない。


歯科診療報酬改定の留意点

 

 今次診療報酬改定の要点は、地域包括ケアシステムの構築と医療機能の分化・強化、連携の推進にある。
 改定項目を見ると、院内感染防止対策の実施を前提とした基本診療料(歯科初診・再診)が引き上げられたが、届出のない場合は減算となる。外来診療における基本診療料の減算は、医科の診療所にはなく歯科のみに導入されたもので、今後、診療報酬体系における減算(ペナルティ)の制度化への先駆けになりかねない。また、前改定で導入された「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所」(か強診)については、外来環と歯援診の機能を併せ持つ体制があれば届出が可能であったが、今回の改定では、か強診、歯援診ともに体制の評価から地域連携に関する会議等への参加などの実績の評価へと施設基準の内容が大幅に引き上げられた。「か強診」の機能に新たに実績を課す項目を設けたことにより「か強診」とそれ以外の歯科診療所を区分する意図がさらに強まった。一方で、すでに「か強診」の届出をしている医療機関にとっても新たなハードルとなり、将来的には、医科で行われている「適時調査」が歯科でも行われ、締め付けが強化される可能性があり注視が必要である。
 さらに今次改定では、金属代替材料の普及の一環として、昨年12月からの下顎6番へのCAD/CAM冠の適用拡大に続き、高強度硬質レジンブリッジが導入された。予期せぬ脱離や破損などメタルフリーの安全性・安定性の向上は当然求められる。歯科医療の充実とそのための歯科医療費総枠拡大、診療報酬の抜本的引上げと改善は喫緊の課題である。それらを踏まえた上で、この機会にあらためてクラウン・ブリッジ維持管理料(補管)の在り方に関して十分な検討を行うべきではないか。
 4月から新たな診療報酬となるが、直近のものを除き施設基準の届出には猶予期間がある。地域における自院の立場、チーム診療で目指す歯科医療のスタンスをこの機会に検討し方向性を決めていく必要がある。


細分化・複雑化でより難解に
厚労省が30年度診療報酬改定で説明会

 

 厚生労働省は3月5日、地方厚生局の職員等を対象に平成30年度診療報酬改定説明会を開催した。保険局の迫井医療課長は改定概要の説明で「人生100年時代を見据えた社会の実現、地域包括ケアシステムの構築、制度の安定・持続性の確保」の3つの基本認識を踏まえ、人口動態など社会環境の変化などへ必要な対応を図ったと改定目的を解説。続けて点数告示、通知をもとに個別項目に関する解説と質疑応答が行われた。

  今次改定で大幅な再編が行われた急性期の入院料では、現行の一般病棟7対1及び10対1と、新設される急性期一般入院基本料の届出要件の相違点や、経過措置等が説明された。急性期一般入院料1は現行の7対1相当とし、急性期一般入院料2から7は看護配置10対1とした上で重症度、医療・看護必要度に応じて細分化された。
 また、重症度、医療・看護必要度も現行の評価方法を気箸掘⊃靴燭烹庁丕辰裡釘禿合ファイルを用いた兇良床舛魏辰病院が任意で選択可能としている。なお、患者割合が細分化されたため「3ヵ月を超えない期間の1割以内の一時的な変動は変更不要」の規定は適用されないこととなった。基準を下回る場合は直ちに変更の届出が必要となるため、これまで以上に患者割合に関する病棟管理には注意を要する。また、気鉢兇倭択、変更ともに自由であるが、変更時期は4月か10月の年2回に限られることも示された。

オンラインの取扱はガイドラインで明示

 外来ではオンライン診療に関する説明に質疑が集中した。
 通信機器等の具体的な通信手段などは、月内に示される「情報通信機器を用いた診療に関するガイドライン」に沿い改めて事務連絡等で示すと説明した。その他の質疑では、同一医療機関の医師2名が交代で行う場合は算定不可となること、離島などに居る患者で30分以内に診察できない範囲も算定不可と説明した。対象者は介護施設など住宅形態を問わず可能であるが、あくまでも1対1の診療が必要で、1対多で診療するケースは不可としている。
 また、オンライン診療料の新設に伴い、電話等による再診も対象が絞られた。緊急性が求められ、定期的な医学管理を前提とするものは除外することが明文化された。
 オンライン診療を通じて慢性疾患等の指導・管理を行う、オンライン医学管理料は、特定疾患療養管理料等と併せて算定することが要件とされているが、在宅自己注射指導管理料などを算定するため、実際に特定疾患療養管理料を算定しない場合でも、相応の診療が行われていれば算定可能とした。さらに、在宅患者に算定するオンライン在宅管理料については、在宅時医学総合管理料の加算点数となるため、オンライン診療のみの月では算定できず、訪問診療料及び在医総管の算定とセットであることが改めて示された。

複数医療機関で訪問診療可能に

 在宅医療では、主治医の依頼を受けて他の医療機関が訪問診療を行う場合の点数が新設された。在(施)総管等を算定する医療機関の依頼を受けることが要件で、6ヵ月を限度に複数の医療機関から訪問診療を受けることが可能となる。依頼を受けた診療科でなければ診療が困難なケースなどは、6ヵ月終了後さらに6ヵ月間訪問診療を更新継続できる。皮膚科に褥瘡治療や泌尿器科に尿路管理を一時的に依頼する場合等が想定される。ただし、依頼を受けた医療機関側では継続的に治療を行っても在(施)医総管は算定できない。

抗菌薬の適正使用では一部緩和も

 抗菌薬の適正使用の推進として、小児科外来診療料及び小児かかりつけ診療料に小児抗菌薬適正使用支援加算を新設し、地域包括診療加算等の算定要件にも抗菌薬の適正使用の普及啓発が加えられた。
 1月に出された「個別改定項目」の中では「抗微生物薬適正使用の手引」に則した治療手順等として示される予定であったが、長崎県保険医協会はじめ保団連が、診療報酬による一律の強制は裁量権の侵害と重症化への危惧があるとし、会員に緊急アンケートを実施するとともに、その結果をもとに厚労省に要請交渉を行った。これを受け通知案では「手引を参考に」と一部表現の緩和が図られている。
                   ◇ ◇ ◇
 なお、4月からの施設基準に係る新規、変更の届出は、北海道厚生局に4月16日までに受理されれば4月1日から遡って適用となる。また、今次改定に伴うQ&A(事務連絡)は月末に発出予定となっている。


    

 真の医科歯科連携を

 

 平成30年度診療報酬改定は6年に一度の介護報酬との同時改定となる。団塊の世代が全て75歳以上となる2025年に向けて、道筋を示す実質的には最後の同時改定となる。医療・介護両制度にとって重要な節目と位置づけられている。重要課題に地域包括ケアシステムの構築のための取り組みの強化を挙げ、医療機関等の連携の推進を強調している。
 医科歯科連携の推進では、歯科診療を行う上で必要な患者の検査結果、投薬内容等の診療情報の医療機関への照会・返書など、診療情報共有が評価された。また、診療情報提供料(機砲痢峪科医療機関連携加算」の算定が、在宅歯科医療を行う歯科診療所に拡大された。さらには、周術期等口腔機能管理を推進するため対象患者の拡大等の見直しが行われた。
 超高齢社会が進展する中で、80歳で20歯以上の自分の歯を有する者の割合は50%を超えた。厚労省の患者調査では、歯科診療所を受診した65歳以上の患者は平成2年の13・4%から平成26年には41%に増加している。有病者が歯科医療機関を受診する機会も増える。
 周術期口腔機能管理は、術後の感染予防や在院日数の減少につながる。周術期口腔機能管理を実施する医療機関は年々増加傾向にあるものの、施設別内訳では大部分が病院併設歯科であった。医科医療機関が周術期口腔機能管理を実施していない理由として、受け入れ態勢の問題や周術期口腔機能管理の内容と歯科の実施医療機関が分からないなどが挙げられている。
 昨年12月に本会が実施した歯科保険診療に関するアンケートでは、医科歯科連携について、連携する医科医療機関、病院歯科が「ある」は、いずれも65・1%であったが、周術期口腔機能管理を行ったことが「ある」は22%にとどまる。
 制度上では医科歯科連携の推進が行われつつあるが、連携が十分とは言えない。地域包括ケアシステムを構築する上で、求められる歯科医療のため、医科歯科連携を充実したものにしていく必要がある。


公開医政講演会 今後の日本の医療制度を外観

 公開医政講演会を2月 17日、エムスリー株式会社 m3.com 編集部編集長橋本佳子氏を講師に迎え「爍横娃械鞠〞医療の行方を占う〜2018年度診療報酬改定を踏まえて」をテーマに開催し、道内各地より多数が参加した。

 佐々木広報部長の司会のもと、はじめに加藤会長より「医療制度という大きな流れの中、我々保険医は『2025年問題』さらにはその先の『2035年問題』を見据え対応していかなければならない。本日の講演がその参考になれば幸いである」と挨拶があった。

 引き続き行われた講演で橋本氏は、昨今の医療制度改革の背景や遠隔診療をはじめとする今次診療報酬改定について概説。さらに、今回のトリプル改定から見える日本の医療制度の将来を見通すための着眼点等について解説した。

 講演後に行われた質疑応答では、参加者から「遠隔診療について、自由診療も含めて議論を進めるとしているが具体的には」「医療界ではかかりつけ医制度を推進するとしているが、患者のフリーアクセスを阻害するのでは」「現在の医療制度を存続させていくために必要な変革や改善点は」等の質問が寄せられ、大変盛況だった。


歯科診療報酬改定答申概略 窮状打開には程遠い

 歯科診療報酬本体の改定率はプラスであったが、歯科の答申をみても、歯科医院経営の厳しい現状を打開し、抜本的に改善するためには程遠い内容と言わざるを得ない。前号での医科の診療報酬改定答申の概略に続き、本号では歯科部分の概略を述べる。

 今改定の詳細な内容は、今後の告示や通知を待たなければ分からないが、現時点での主な特徴を記載する。

 地域包括ケアシステムの構築を推進

  かかりつけ歯科医機能の評価として、か強診の施設基準の見直しで「う蝕や歯周病の重症化予防に関する継続的な管理実績」「歯科訪問診療実績について、かかりつけ歯科医と歯科支援診との連携実績を選択可能な要件の一つとして」「地域連携に関する会議等への参加実績」を要件に追加し、関連要件の見直しが行われた。また医科歯科連携を推進する観点から、慢性疾患を有する患者について治療を行う上で必要な検査値や処方内容等の診療情報を歯科医療機関と医科医療機関との間で共有した場合の評価として診療情報連携共有料が新設された。 質の高い在宅医療の確保では歯科訪問診療料の引き上げ、歯科衛生士を帯同して訪問診療を行った場合の評価の充実が行われた。

  安心・安全で納得のできる質の高い医療

  歯科外来診療において、日常的に唾液や血液に触れる環境下で多くの器具器材を用いて診療を行っているという特徴をふま安心・安全で納得のできる質の高い医療え、歯科医療機関における院内感染防止対策を推進するため、歯科初診料及び歯科再診料の引き上げを行うとともに施設基準が新設された。さらにライフステージに応じた口腔機能管理の推進として、歯管の加算に口腔機能の発達不全を有する小児には小児口腔機能管理料加算、老化等に伴い口腔機能の低下を来している高齢者には口腔機能管理加算が新設された。 新規医療技術の保険導入では、口腔機能評価に関する検査として、咀嚼能力検査等三項目が新設された。 また先進医療からの保険導入としては金属代替材料としてグラスファイバーで補強された高強度のコンポジットレジンを用いた3ユニットブリッジ治療を評価し高強度硬質レジンブリッジが適応となった。

 その他の個別改定項目

 床副子に関する技術の見直しが行われ、口腔内装置1、2、3、睡眠時無呼吸症候群に対する口腔内装置、舌接触補助床、術後即時顎補綴装置と分類が新たに変更された。が新たに変更された。 歯冠修復、欠損補綴においては、充填の準用で行われていたレジンインレー修復が非金属歯冠修復としてレジンインレー、硬質レジンジャケット冠として再編された。またポンティックについては金属裏装ポンティックが廃止となり、新たにレジン前装ポンティックが前歯、小臼歯、大臼歯に分類された。 さらに以前より問題となっていた特定薬剤料と麻酔薬剤の算定方法( 40 円ルール)が見直しされ、他の薬剤料と同じ算定方法となった。

 現時点での問題点

 改定率が、医院経営の改善には程遠い低さであることは言うまでもない。個別の問題として今改定では、継続的管理の実施実績とともに、歯援診や医科、他業種との連携の実績を施設基準に導入し、地域包括ケアシステムへの積極的な参加を要件に盛り込む等施設基準の強化が行われ、いわゆるはしご外しが行われる可能性がある。院内感染防止対策が盛り込まれたことは評価したいが、初・再診料に包括という形での、低評価で、施設基準を伴い導入されたことは問題である。施設基準未届出の医療機関は基本診療料が減算となるが、 患者のニーズに応えるために、すべての歯科医療機関が実効ある感染防止対策が行えるようにすべきであり、減算すべきではない。


新専門医荒海への船出


 4月から新専門医制度が始まる。新専門医制度は、従来各学会単位で整備した専門医制度が、認定基準等が統一されておらずわかりにくいとされ、専門医の質の一層の向上を目的に検討が始まった。そして、平成25年に「在り方検討会」の最終報告書が出されたが、その中で研修実施のハードルが高く、医師偏在をさらに助長するのではないか等、地域医療の現場から新専門医制度による医療崩壊の懸念の声が上がった。
 また、当初は原則としてすべての医師が何らかの基本領域の専門医を取得する方向で議論が進んだため、将来的には専門医の「ラベル」で国による医師の管理がなされるのではないかとの危惧が広がった。この時点で新専門医制度の議論は、当初の目的であったわかりにくさの解消や専門医の質の向上とはかけ離れたものだった。
 本会をはじめ医療団体等の疑問の声を受け、日本専門医機構の理事が刷新された上で、制度の1年延期が決まった。専門医新整備指針では、専門医取得は義務ではないことが明示され、地域の中核病院等も研修の中心であり、指導医のいない施設でも研修を行うことを認めるなど、大きな問題点は一見解決に向かったようにも見えた。
 ところが、新整備指針の発表後、厚労相は異例の談話を出し、機構や関連学会に対して応募状況や専攻医の配置状況の厚労省への報告を求めたうえで領域ごとの確認を行うとした。また、都道府県が機構に対して意見できる仕組みの法制化の動きもあり看過できない。専門医制度は医師のプロフェッショナルオートノミーに基づく制度であるべきで、国や行政による管理を許してはいけない。
 今年4月から研修を行う専攻医の一次登録では、外科の専攻医が5人以下が14県、そのうち3県は1人だった。このような状況が続けば地域医療の崩壊は必至である。また、機構からのデータの開示がほとんどなされていないことにも批判が出ており、透明性が求められる。
 多難の船出となるが、今後も注視が必要だ。


医療改善に程遠い内容

―診療報酬改定答申―

 中医協は2月7日、診療報酬改定答申書を加藤厚労大臣に提出した。新設項目や加点項目が散見されるものの、全体としてはマイナス改定を前提として急性期医療費を抑制し、在宅医療へ強引に誘導するものである。安心・安全な医療を提供するには程遠く、経営悪化も危惧される。

 2018年度の診療報酬改定率は本体がプラス0・55%(医科0・63、歯科0・69、調剤0・19%)だったものの、薬価と材料価格がそれぞれマイナス1・65%、0・09%で、全体で1・19%のマイナス改定となった。薬価の引き下げ分はまたしても本体に充当されなかった。
 領域ごとの代表的項目を記載する。

入院医療

 一般病棟入院基本料の再編・統合が行われる。現行の「7:1」「10:1」の入院基本料を、急性期一般入院基本料として7段階に細分化する。医療・看護必要度に応じた点数設定が行われるが、最も高い「入院料1」でも現行と同じ点数に据え置かれ、かつ医療・看護必要度が25%から30%に引き上げられ、非常にハードルが高いものとなる。必要度を満たせなければ低い入院料を選択せざるを得ない。そもそも、2016年から17年にかけての1年間で「7:1」を算定している病院は20病院、8200床減少している。今後の急性期の医療費削減の意図が明確に読み取れる。
 現行の「13:1」「15:1」の入院基本料は地域一般入院基本料として再編され、3段階に分類される。

外来・在宅医療

 病院は入院と専門外来、診療所はかかりつけ医機能を強化した外来・訪問診療という役割分担を一層明確にしている。
 「紹介状なしで大病院を受診した際の定額負担(初診5千円以上、再診2千5百円以上)」は、現行の特定機能病院および500床以上の地域医療支援病院から、400床以上の地域医療支援病院に対象が広げられる。これにより、262病院から410病院に増加するが、この定額負担による外来患者数の抑制や医師労働軽減効果は極めて限定的とされており、単なる患者負担の増加とアクセス制限を強いるだけで終わる危惧がある。
 かかりつけ医機能の評価として「機能強化加算(80点)」が新設される。初診時において、専門機関への受診の要否の判断等の医療機能を評価する点数で、地域包括診療加算等の届け出が算定要件となる。また、地域包括診療料も若干の引き上げと、医師の配置基準の緩和(常勤医師2名以上→入 院 医 療外来・在宅医療常勤換算2名以上の医師、うち1名以上が常勤)が行われる。診療所初診料と再診料はいずれも据え置かれた。
 在宅患者が複数の疾病を抱えている状況を踏まえ、他の医療機関の依頼を受けて訪問診療を行った場合の評価も新設された。医療と介護の連携を推進するとして、在宅ターミナルケア加算も増点される。

透析医療

 腹膜透析や腎移植の推進に資する評価として、それらの取り組みの実績があれば、導入期加算に加点がある。しかし、慢性維持透析については時間数にかかわらずいずれも減点となっている。施設の効率性や包括された医薬品の実勢価格を踏まえた評価の見直しとしているが、80年代以降一貫して包括化を含む引き下げが行われてきた。また、透析液の水質確保に関する評価として、透析機器安全委員会を設置し、その責任者として専任医師又は専任の臨床工学技士1名以上の配置が義務付けられた。

遠隔医療の評価

 未来投資会議等からの圧力が強かった遠隔診療が新たな項目として評価された。オンライン診療料(70点、1月につき)およびオンライン医学管理料(100点、1月につき)の新設である。要件・基準として、初診から6月の間は同一医師が対面診療を行っている、連続する3月は算定できない、緊急時に診察可能な体制を有している等、一定の歯止めを設けているとは言えるが、今後、オンライン診療拡大の圧力は一層高まることが想定さる。対面診療の原則を守り、安易な拡大を許さない運動が必要である。また、オンライン在宅管理料や遠隔モニタリング加算も新設された。
 ICTを利用した死亡診断における連携として、死亡診断加算(在宅患者訪問診療料)の算定要件に「(前略)ICTを利用した看護師との連携による死亡診断を行い、死亡診断加算を算定する場合は、以下の要件を満たしていること(後略)」が追加され、ICTを用いた死亡診断の診療報酬上の取り扱いが明確化された。

チーム医療の推進等推進等

 医師等の従事者の常勤配置に関する要件の緩和が行われる。医師については小児科・産婦人科・精神科・リハ科・麻酔科などの領域について、週3日以上かつ週24時間以上の勤務を行っている複数の非常勤職員を組み合わせた常勤換算が可能となる。緩和ケア診療加算、栄養サポートチーム加算
等について、専従要件が緩和される。また、医師事務作業補助体制加算の見直しが行われ、若干加点される。

   ◇ ◇ ◇

 介護報酬改定はわずか0・54%の引き上げで、介護職員の処遇改善や介護サービスの向上には全く不十分なものである。診療報酬もマイナス改定で、6年に一度の同時改定は非常に厳しい結果となった。診療報酬は、98年を基準として10%も引き下げられたままであり、
今後の改善運動の継続が重要だ。
 本会では3月18日(日)に歯科(札幌ほか5会場)、25日(日)に医科(札幌)の新点数検討会を開催する。ぜひ、多数の先生が参加され、今後の経営に役立ていただきたい

 


歯科診療報酬改定への反映

 次期診療報酬改定の概要が明らかになりつつある。

 歯科においては、か強診の施設基準の一つである訪問診療要件の緩和と施設基準要件の選択制、院内感染対策への評価、診療情報提供料における医科医療機関への「照会」の評価、特定薬剤と麻酔薬剤の薬剤料算定に係る「 40 円ルール」の見直し、機械的歯面清掃の対象拡大等が行われる予定となっている。

 これらは、これまでの本会の主張が厚労省でも一定理解され、歯科診療報酬へと反映されてきたものであると確信している。か強診施設基準の訪問診療要件や、医科への照会は、現場の実態に即したものとなるよう、また、昭和 47 年から続いてきた薬剤料の「 40 円ルール」については、医科の「 15 円ルール」との格差是正で求めてきたものである。

 前回の改定では、歯管の文書提供の別途評価、ブリッジ支台の第一小臼歯前装冠の導入、咬合挙上副子の削合調整時の評価等が行われた。これらは、本会が毎年行っている「歯科保険診療に関するアンケート」においても、多くの会員から改善要望が出されてきたものであった。次期改定を含め、ここ数回の診療報酬改定の内容を見ると、本会の主張が数多く採り入れられたものとなっている。

 超高齢社会がますます進展する中で、8020の達成率は 50 %を超え、歯科のあり方も以前とは変化してきている。地域包括ケアシステムを構築する上で、求められる歯科医療や地域連携とは何かを考えていく必要があるだろう。医療改善には学術的なエビデンスが求められているが、医療現場のデータ「生の声」の集積こそが一番のエビデンスである。今後も、国民が地域で安心して暮らしていけるような歯科医療提供体制と、それに基づく診療報酬体系を求めていくために医療現場の声を伝えていく。

 次期診療報酬改定について、本会の歯科新点数検討会が、3月 18 日に全道6ヶ所で同日開催される。ぜひご参集の上、日々の診療に役立てていただければ幸いである


タスクシフティングの推進を

 医師の働き方改革で緊急取組を要請

 厚生労働省の「医師の働き方改革に関する検討会」は1月 15 日、これまでの議論の中間とりまとめとして「医師の労働時間短縮に向けた緊急的な取組」と「中間的な論点整理」の骨子案を示した。医師法で定める応召義務のあり方や宿日直許可基準等について議論を進め、2018年度末に最終報告をとりまとめる。

 同検討会は昨年8月、医師の長時間労働の是正に向け、応召義務の特殊性を踏まえ対応することを目的に設置されたもの。早期の対応が求められる「緊急的な取組」の骨子案では、出退勤時間の的確な把握や36協定の点検、産業医等の活用等が示されている。特にタスクシフティング(業務の移管)の推進では、初療時の予診、薬の説明や服薬の指導、静脈採血・静脈注射、診断書等の代行入力等、実行可能なものから他職種への分担を進め医師の負担を減らすよう求めている。また、看護師に特定行為研修の受講を促し、一定の医療行為も担わせたい方針だ。

 今後の検討課題をまとめた「中間的な論点整理」では、政府の「働き方改革実行計画」を進める上で、医師の特殊性が問われる医師法第 19条(応召義務)との関係、研究業務との切り分け等医師の労働者性の問題等を議論、整理していくとした。また、この中でもタスクシフティング・タスクシェアリングの推進が掲げられており、看護師や事務職等医師以外が可能な業務の明確化や、複数主治医制の導入等も提案されている。

 両骨子案の中では、タスクシフティングについて、特に大学病院での取り組みが遅れていると指摘し、要因分析と推進方策を検討するよう求めている。こうした中、昨年末から複数の大学病院で 36協定の不備、時間外労働の賃金未払い等、長時間労働を伴う不適切な労務管理について労働基準監督署の是正勧告を受けており、安倍首相も今国会で「働き方改革」を重要テーマと位置づける等政府の本気度がうかがえる。労働法制の強化や診療報酬上での誘導等、今後の政策によっては民間医療機関でも対応を迫られてくる。


ダブル改定の骨格明らかに

 診療報酬・介護報酬3月に大臣告示

 4月1日からの診療報酬・介護報酬同時改定に向けて、改定の具体項目が明らかになった。1月24日の中医協総会では「個別改定項目」が、26日の社会保障審議会介護給付費分科会では平成30年度介護報酬改定の諮問、了承が行われた。「地域包括ケアシステムの推進」を共通の視点に据え、かかりつけ機能の強化や医療機能の分化、地域連携強化へのインセンティブを強める。診療報酬は3月上旬に、介護報酬は3月中旬までに大臣告示が予定されている。

 外来 かかりつけ機能の強化とICTの活用促進

  外来では地域包括診療加算が、在宅患者への24時間対応の要件により1と2に区分される。1は24時間の「往診等の体制」で、2は24時間「連絡体制」と評価を分けた。さらに、同加算等、かかりつけ医機能に係る診療報酬の届出をしている医療機関では、専門医療機関での受診の要否を判断した場合、初診料に新たに機能強化加算が設けられる。かかりつけ医の普及に向け評価を高めた。

 ICTの活用では、オンライン診療料、オンライン医学管理料が新設される。一定期間を経過した慢性疾患患者にオンライン診療と対面診療を組み合わせて行うことが要件となる。在宅患者にも在宅時医学総合管理料にオンライン在宅管理料が新設される。これらに伴い、従来の電話再診については定期的なものは除外され、病状の急変等に限られる扱いとなる。

 在宅医療では、在宅時(施設入居時)医学総合管理料を月2回算定する患者は一定の重症者に限定されることとなった。

 美容目的の使用がメディアで報道された皮膚保湿剤の算定は、治療との関連、医師の使用判断が要件に加えられる。

  入院 急性期病床を再編し段階的評価へ

 入院医療では、7対1と10対1の一般病棟入院基本料が統合し、急性期一般入院基本料に再編される。看護配置10対1を基本とし、患者の看護必要度割合に応じて段階的に点数を引き上げ、看護配置も厚くする仕組みだ。最も高い評価は現行の7対1相当の見込みとなる。

 データ提出が算定要件となる入院料が拡大される。対象は、回復期リハビリテーション病棟入院料1、2、3(3は200床未満)、療養病床入院料(200床以上)、10対1一般病棟入院料とされ、導入に際し一定の経過措置期間が設けられる見込みだ。

  介護報酬改定

 介護報酬は「地域包括ケアの推進」「多様な人材の確保と生産性の向上」等4つの視点から改定項目が検討されている。

 医療系サービスの個別の改定項目では、居宅療養管理指導が現行の「同一建物居住者」と「同一建物居住者以外」の区分から、診療報酬の在宅時医学総合管理料の人数区分に準拠となる(1人、2〜9人、10 人以上)。なお、看護師による居宅療養管理指導は廃止となる。訪問看護では集合住宅減算が拡大される。同一・隣接敷地内の建物で利用者が50人以上の場合は現行の10%からさらに減算幅が拡大する。

 施設サービスでは介護療養病床の転換施設として、介護医療院が新設される。2つの類型に区分され、人員配置は儀燭病院における療養機能強化型介護療養病床に準拠、況燭楼綮佞般剤師は老人保健施設に準拠する。また、転換の支援策として、療養病床からの転換の場合は、大規模修繕まで療養室(病室)の床面積、廊下幅の基準が緩和される。加えて平成33年3月までの措置として、転換後のサービスの変更内容等を丁寧に説明すること等を評価した加算が、転換後1年間に 限って算定できる。介護医療院が行う居宅サービスについては、ショートステイ、通所リハビリ、訪問リハビリの3種類とし、訪問看護、居宅療養管理指導は提供できない扱いとなる。

 4月からの同時改定に伴い、本会では会員対象に改定内容の解説テキストを無償配布し、3月18日には歯科(札幌ほか5会場)、同25日には医科(札幌)が新点数検討会の開催を予定している。


医療者不在の「遠隔診療」に懸念

 

 次年度診療報酬改定に向けた議論が大詰めを迎えている。外来診療での目玉の一つは「遠隔診療」の評価に関する議論である。今回の動きは医療界の要望ではなく、規制緩和と評価拡大を求める遠隔ビジネス業者と成長戦略の一環と位置付ける政府の思惑が一致したものと言わざるを得ない。
 そもそも医師法20条は、無診察での医師の治療を禁止している。遠隔診療に関して、国は97年厚生省健康政策局通知で、離島・へき地など対面困難、病状が安定している患者などを対象に、対面診療を補完する形で限定的に認めてきた。しかし厚労省は、平成27年6月に閣議決定された「日本再興戦略2015」を受け、従来の方針を大幅に変更する通知を示した。つまり、対象地域や対象疾患は限定されず、患者の心身への有用な情報が得られれば電子メールなどでも医師法違反ではないとした。このあと、ベンチャー企業を中心に遠隔医療関連ビジネスが活発化することになる。
 安倍首相は本年4月、政府の「未来投資会議」で「診療報酬上の評価を行うとともに、遠隔診療の推進により、かかりつけ医による日常的な健康指導や疾病管理の効率性を飛躍的に向上させていく」と宣言した。
 一方、厚労省も7月、再度「遠隔診療」の規制緩和についての周知・明確化に関する厚労省医政局長通知を発出し、すでに自由診療での「禁煙外来」が始まっている。さらに、ICTを利用した「遠隔看取り」も検討されており、まさに政権の意向を忖度した方針転換である。
 近年ICTが進歩する中、離島やへき地などの通院困難な環境や状態にある患者への活用は今後必要になると思われる。しかし、現在国が進めようとしている「遠隔診療」は、医療費削減を目的とした、公的医療保険制度を利用した新たな営利産業の推進である。
 医療の質、安全性、信頼性のエビデンスが担保されないままの、野放図な「遠隔診療」の普及はわが国の医療を変質させる危険性があり、議論の行方に十分な監視が必要と考える。


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