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北海道保険医会事務局

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歯科診療時における救命の注意点を学ぶ

・・・ 医療安全管理に関する研修会

 

 

 7月8日、歯科会員対象の「医療安全管理に関する研修会」を開催し、全道から19人が参加した。講師は、本会前会長の小笠原俊一顧問(南札幌脳神経外科院長)が務めた。

 前半は、医療法で定められた「医療安全」「院内感染対策」「医薬品業務手順「医療機器に係る安全管理体制の確保」を中心に、安全管理に関する項目について説明した。さらに、心肺停止・ショック(特にアナフィラキシーショック)の対処方法について、歯科診療時に想定される注意点を、事例を挙げて詳しく解説した。

 後半は、参加者が実際に人体モデルでAEDシミュレーターを使用し、インストラクター指導のもと心肺蘇生の実習を行った。

 万が一、自院で患者が倒れた場合どうするのか、対応の手順を確認し合い、必要な薬剤・器具(AED)等の設置場所などをどこにあるか把握し、素早い対応ができるよう、現場のリーダーとして、普段からの心構えが重要であるとした。参加者には、研修終了後に受講修了証書が交付された。


各種届出の基準と実践を学ぶ

・・・ 歯科施設基準届出に係る研修会

 7月8日、講師に、北海道医療大学歯学部教授の川上智史氏を迎え、「歯科外来診療環境体制加算」「在宅療養支援歯科診療所」「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所(か強診)」の施設基準の届出に必要な研修会を開催し、会員46人が参加した。
 「歯科外来診療環境体制加算」では、算定に必要な要件である歯科外来診療時における偶発症に対する緊急時の対応や、医療事故、院内感染症対策などの医療安全体制整備について説明した。医療の安全管理は管理者一人でできるものではなく、同じ職場の皆が同じ目線で業務に当たり、行動することが最もよい対策となるとした。
 さらに、「在宅療養支援歯科診療所」については、高齢社会・訪問新診療の現状、栄養状態の確認の重要性、認知症高齢者の口腔ケアの困難さ等について、症例をもとに解説した。
 参加者には「届出目的の参加であったが勉強になった」などの感想が寄せられ、研修終了後、施設基準届出に必要な受講修了証書が交付された。


「歯科市民集会」に協力を要請

・・・ 2団体と合同懇談会を開催

 

 本会歯科部は、7月15日、㈳北海道歯科衛生士会、札幌歯科技工士会と合同懇談会を開催した。道歯科衛生士会から小林札幌支部支部長他2名、札幌歯科技工士会から道垣内会長他3名、本会から野川副会長他7名の役員が出席した。

 懇談会は、はじめに野川副会長より「厳しい歯科医療情勢のなかで、将来に向けて協力して様々な活動を続けていきたい」と挨拶があった。

 続いて、札幌技工士会から、役員改選の報告があり、道垣内会長は「歯科医療の重要性をマスメディアや市民に伝える意味からも歯科市民集会は大切な事業で今後も協力していきたい」と述べた。また、北海道歯科衛生士会は、小林札幌支部長より、卒後3年以内の衛生士を対象とした研修会等を通じ「歯科衛生士という職種への理解を深めたい」と報告があった。

 三浦歯科部長から本会の活動内容と役員改選の報告を行い、石塚事業部長が11月18日開催予定の「第7回歯科市民集会」の企画説明と開催に向けた協力の要請を行い、活発な意見交換が行われた。


  暑中お見舞い申し上げます

          

          一般社団法人北海道保険医会

                 会長 加藤 康夫

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 今年も暑いです。

 七月上旬から、北海道各地で夏日が続き、特に道東では連日記録的猛暑に見舞われました。沖縄から来られた演者が、さぞ涼しいだろうと新千歳空港に降り立ったら、沖縄と変わらないので驚いていました。

 海水温も上昇し、イカは昨年よりさらに不漁です。先日、函館で居酒屋に入ると、「活イカあります」とオススメメニューに載っていたので、早速注文しました。出て来たのは、全長が15cmほどしかなく、山盛りの大根の千切りの上に、ペラッとしたイカ刺しがのっている代物でした。しかも1000円も請求されました。

 来年度の医療・介護診療報酬同時改定の検討がすでに進められています。この中で、とくに注目されている項目のひとつが、遠隔診療です。

 安倍首相や塩崎厚労大臣の未来投資会議での「次回診療報酬改定で手当てする」という遠隔診療推進発言を受けて、中医協では二月から議論が開始され、来年は「遠隔診療元年」とされそうです。

 初診料の取り扱い、生活習慣病・禁煙治療・在宅医療への導入、処方薬の郵送などが主な論点となっています。

 平成9年健政局長通知では、遠隔診療の対象は離島、へき地等の通院困難な患者と明記されていました。広域をカバーしなければいけない本道の医療にとっては、一見有用な手段のように思われました。

 しかし、規制改革推進会議は「医療ICT化の推進」の名のもとにこれを逆手にとって、営利企業のICTを活用した医療分野の新規産業化を後押ししています。実際既に遠隔診療ツールのダイレクトメールが発送されています。もちろん、対面診療を非対面診療に置き換える最大の狙いは医療費抑制策の実現です。

 現在、遠隔診療により患者サービスの質が上がるという科学的データは不足しており、さらに医療費抑制効果は国際的にも実証されておりません。実現に向けては、より真摯で詳細な検証が必要です。

 来年は、様々な医療改革が一度に行われる「惑星直列」の年と言われています。

 本会はこれからも、保険診療の充実と国民会保険制度の堅持、地域医療を担う保険医の生活安定を図る活動を、さらに熱く進めて参ります。

 


 平素は、当会をご愛顧いただき、お礼申し上げます。

 さて、この度は、銷夏特集号(第861・862号)に同封しておりました、書籍注文用紙内のFAX番号に誤りがありましたことをお知らせいたします。  

 正しいFAX番号は 「 011 ( 231 ) 6283 」 でした。  

 訂正し、深くお詫び申し上げます。 

 

<訂正した書籍注文用紙>

http://h-hokenikai.com/PDF/20170810faxbangouteisei.pdf

 

                         北海道保険医会 事務局


これでいいのか新専門医制度

 

  新専門医制度が未だに迷走している。今春の始動の予定が、一年先延ばしとなったうえ、制度の根幹となる部分の改定が続いている。本会では、これまで同制度の問題点として、医師の偏在、自由標榜制の制限、非専門医への差別化などを指摘してきた。総合診療専門医については、そのゲートキーパー機能によるフリーアクセスの制限や、包括・定額払いの拡大につながる懸念を示してきた。
 各学会や各関係医療団体からは、日本専門医機構のガバナンスに対する不信感を背景とした反発が続いていた。同機構は、昨年12月に地域医療への配慮を盛り込んだ「専門医制度整備指針」を策定。大学病院以外も研修基幹施設になれることを明記していたが、地方の医師不足の加速と若手医師のキャリアへの悪影響を指摘されていた。「今後の医師養成の在り方と地域医療に関する検討会」(5月25日)では、研修基幹施設の条件を緩和し、全国に手挙げを促した結果、基幹施設と連携施設の総数が現行の2.4倍(2,937施設)と報告された。基幹施設のうち8割を市中病院が占めており、都市部に集中することにより、へき地医療の崩壊につながりかねない。
 6月2日「専門医制度整備指針」が改定され、研修はすべての医師にとっての義務ではなく「自律的な取り組み」と位置付けられると記載。基本領域学会の専門研修は研修プログラム制を原則としつつ、留学した医師や女性医師のライフイベントなどに配慮し「介護、留学など相当の合理的理由がある医師等は研修カリキュラム制による専門研修を行う等、柔軟な対応を行う」となっている。また、「新専門医制度概略とQ&A」(5月12日)では、総合診療専門医について、最も基本領域となる内科を1年間、新内科専門研修と同等の研修を内科専門医の指導の下で研修することとしか示されておらず、研修の大枠しか決まっていない。拙速に制度を推し進めることなく、我が国の医療制度と地域医療の将来を見据えた議論を積み重ねていく必要がある。


患者負担の引き下げ、診療報酬の大幅引き上げを決議


・・・ 保団連第3回代議員会に287名が参加

 

 保団連の2016〜17年度の第3回代議員会が6月25日、51保険医協会・医会から、代議員、理事、事務局など287名が参加し、東京都内で開催された。前回代議員会以降の会務報告、決算報告、2018年度の診療報酬・介護報酬同時改定に向けた改定要求など、全ての議案が全会一致で議決された。本会からは代議員として加藤康夫会長、野川哲義副会長、小笠原俊一顧問、執行部として田辺政策部長(保団連副会長)、下出監事(保団連組織部長)が参加した。最後に「患者負担の大幅引き下げ」「診療報酬の10%引き上げ」などを盛り込んだ決議が採択された。

 開会に先立ち挨拶した住江会長は、国会情勢について「安倍政権の政治・行政の私物化、国民を愚弄する国会運営に怒りを禁じえない」と厳しく批判。「共謀罪」法案の成立にも強く撤回を求めていく姿勢を示した。一方、社会保障面では、更なる抑制を目的に3つの世論操作が進められているとし「1つ目に自己責任論、2つ目に財源論、3つ目に社会保障概念そのものの破壊」と強調。また、一連の社会保障改悪メニューに対し「真の狙いは何か、誰が利益を得て、誰が被害を受けるのかを明らかにしつつ運動を進めることが重要」と訴えた。
 会務報告では、保団連が全国の保険医協会と共に取り組んだ「今こそストップ!患者負担増」運動の成果について、クイズハガキなどの工夫により署名活動の参加率向上が達成でき、3,686の医療機関から12万筆を超える集約が得られたと報告された。歯科分野でも「保険で良い歯科医療を」の署名活動を全国で展開。また、歯科技工問題についても「歯科技工士アンケート」の結果を踏まえ、保団連内部でも集中的な討議を行い、解決に向けた積極的な取り組みを全国的に拡げていく方針が示された。
 来年の診療報酬・介護報酬の同時改定に向けた要求では、医療費の総枠拡大を前提に、医科では入院患者の他医療機関受診の制限緩和、基本診療料の大幅引き上げ、施設入所者への不合理な給付調整等の改善を求めるとし、歯科でも基本技術料の適正評価や麻酔薬剤等の算定方法の改善等が要求された。一方、補綴物維持管理に関する要求は全国的な一致点が見出せず、今回は要求項目として見送ることが説明された。

 

本会から5つのテーマで発言

 討論では、各保険医協会から合計137の発言が行われ、北海道からは5題の発言を行い、執行部から答弁がされた。
 加藤会長は「国保の都道府県化について」のテーマで「国保の保険者機能強化による国保給付抑制、保険料引き上げ、過酷な保険料徴収、徹底した医療費抑制と、それに伴う受診抑制誘導が始まる」とし執行部の考えを質した。これに対し、保団連の担当理事は「都道府県を医療費抑制の司令塔とする仕組み作りが進められている」と述べ、地域医療を守る立場から「都道府県に対しては納付金など資産結果の公表、市町村に対しては市町村の裁量による一般会計からの繰り入れや法定外繰り入れの継続等、国に対しても国庫負担の増額等を求めていく」と答弁した。
 野川副会長は「地域特性を加味した施設基準の在り方について」のテーマで、歯科分野で施設基準が設定された保険点数が増えることによる弊害を訴えた。とりわけ「人員基準が設けられる点数は地域の雇用事情に大きく左右され、都市部と郡部で医療提供体制に格差が生じ、結果的に地域住民に不利益をもたらす」と指摘。保団連執行部も「施設基準による地域格差は医療機関のみならず、患者国民にとっても大きな問題」との見解を示し「保団連としても地方の状況を鑑みた施設基準の内容とするよう厚労省等に交渉しており、次期改定に向け引き続き強く要求していきたい」との方針が示された。
 小笠原顧問は「地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部改正法」について、介護給付費の削減目標を市町村間で争わせる仕組みが導入されるなど、保険者機能の強化を危惧。「厚労省は地域包括ケアの見える化システムを展開し、アウトカム指標と地域ケア会議の開催状況を評価した成果指標に基づき、財政的インセンティブを付与する考え」と指摘し、経済効果最優先の安上がりなサービス体制へと置き換えられる危険性について質した。これに対し執行部は同法の狙いについて「共生型サービスを謳い文句に、本来の公助を自助と称し、安価なサービス体制で地域に丸投げする構図」と問題視。「国の責任を明確にし、地方任せの体制阻止へ声を上げていく」と回答した。
 その他「介護医療院創設」「混合介護の導入」についても質問を行い、改悪阻止に向け働き掛けを求めた。
 代議員会では議事の最後に14項目のスローガンを掲げた決議が提案された。その中では、診療報酬の大幅引き上げ、患者負担の削減のほか「地域医療構想に伴う病床削減の阻止」「国保の都道府県化への反対」「社会保険診療の消費税ゼロ税率の適用による損税問題の解消」等の項目が盛り込まれ、満場一致で採択された。

 

 


   春季歯科スタッフセミナー     

受付業務の基本編を学ぶ

6月24日、春季歯科スタッフセミナーを開催し、歯科医師・スタッフあわせて35医療機関65名が参加した。
 昨年6月に発行された「歯科スタッフセミナー資料集︱窓口業務の基礎知識」(改訂第7版)をテ
キストに、受付業務の基礎的な内容を、わかりやすく丁寧に解説した。
 前半、講師の林明宏理事は「デンタルスタッフの窓口業務で守るべき基本的事項」「医療保険制度全般」「各保険証・受給者証の取り扱い」等を説明。
 続いて、今上岳彦理事は「高齢者医療制度」「公費負担医療」等について説明し、更に、公費負担医療では「北海道の医療費助成制度」についても触れ、詳しく解説した。
 参加者からは、「ポイントを絞っての説明で理解しやすかった」「少し曖昧だった保険のことも理解できた」「これまで疑問だったことが解決した」などの感想が寄せられ、大変好評であった。


    開業医のための実務セミナー   

  医院経営のポイントを解説  

 6月25日に「開業医のための実務セミナー」を本会理事が講師となり札幌市内で開催し、全道各地から医師・歯科医師、スタッフ等合わせて38医療機関56名が参加した。開業医に加え勤務医等も多く参加し、熱心に聴講した。
 午前の部は、医療機関におけるスタッフの募集・採用方法、労働条件、就業規則等について、変更点も含めて「雇用管理は医院経営成功のための重要な要素であるが、スタッフと院長との信頼関係が最も大切」と解説した。
 医療関連法規では、医業・歯科医業の広告や医療安全、医療事故、医業所得や医療法人等についてポイントを丁寧に分かりやすく説明した。


 午後の部は医科と歯科に分かれ、保険請求、審査、指導・監査に関する解説を行った。平成28年度診療報酬改定後の留意点を中心に、医療保険の基礎知識、窓口業務や請求事務について、具体的な事例を挙げて分かりやすく説明。
 さらに、行政指導の実施状況、指導時の心構えや指摘事項を講師の体験等を踏まえて解説した。
 セミナー終了後は、活発な質問が寄せられ、参加者からは「大変勉強になった」「有意義な内容だった」など、大変盛況だった。


これ以上社会保障の切捨てを許すな

 財務省の財政制度等審議会は5月25日「『経済・財政再生計画』の着実な実施に向けた建議」を発表した。「建議」では「社会保障の適正化」を名目とした徹底的な給付削減を求め、プライマリーバランスの黒字化の重要性を改めて強調した。社会保障費は、平成25年度から29年度まで自然増分だけで1兆4600億円、自然増に含まれないカット分を含めると3兆円以上が削減されてきており、これ以上の切り捨ては断じて容認できない。


 また、6月9日には「骨太の方針2017」が閣議決定された。その中には「入院医療費については地域医療構想の実現によりどの程度の縮減が見込まれるかを明らかにする」と明記され、地域医療構想を医療費削減の手段とすることが示された。


 さらに「地域別の診療報酬の特例」の実施による、点数単価の切り下げの可能性についても触れた。医療崩壊が現実のものとなっている今、地域の実態を無視した暴挙である。


 最終的には削除されたが「骨太」の素案の段階では、いわゆる参照価格制度の記述があった。参照価格制度は、これまで再三議論の俎上に上がったが、我々がその都度反対の声を上げ、廃案にしてきた。何度も「亡霊」のように甦るこのような医療費抑制策には、粘り強くノーを突きつけていかなければならない。


 「建議」では、消費税の10%への引き上げの実施を求めている。「骨太」では、消費税の増税の記載はないが、閣議決定後の記者会見で、石原経済財政政策担当相は、消費税の増税の必要性を強調した。本会は、逆進性の強い消費税の増税に一貫して反対し、医療へのゼロ税率の導入を求めてきた。所得税の累進制、さらに、大企業、特にグローバル企業で実効税率が著しく低い法人税を見直すことを考慮すべきである。


 国民の健康なくして経済の発展はありえない。これ以上の社会保障の削減と地域医療の切り捨ては医療を崩壊へと導く。


 本会は、道民と保険医の双方が安心できる医療を守るために、活動を継続していく。


次期診療報酬改定 中医協で歯科の議論スタート 


 中医協は5月31日に総会を開き、平成30年度診療報酬改定に向けて歯科の議論を本格的に開始した。「歯科医療(その1)」が示され、歯科医療を取り巻く状況等の概況や地域包括ケアシステム構築の進捗状況︑口腔疾患の重症化予防への対応について、厚労省から報告があった。
  
 平成27年の中医協では7月22日に「歯科医療(その1)」が示されたのに比べ約2か月早い提示である。歯科医療を取り巻く現状を厚労省が説明し|楼菠餝腑吋▲轡好謄爐旅獣曚鮨篆覆垢襪Δ┐如△かりつけ歯科医機能やチーム医療の推進等の観点から医科歯科連携についてどのように考えるか患者にとって安全で安心でき、より質の高い適切な歯科医療を提供できるよう、口腔機能の評価・管理や、口腔疾患の重症化予防や生活の質に配慮した歯科医療の提供等について、どのように考えるかを論点案として提示した。
 
歯科医療を取り巻く状況


 歯科診療所の推計患者数について、ここ約10年間は増加傾向にあり、年齢階級別にみると特に75歳以上の患者の増加が著しいこと、歯科外来受療率は、学齢期以降で年齢の上昇に伴って受療率が上昇していくが、高齢者になると受療率が減少すること等が説明された。


 小児の1人平均う蝕歯数は減少傾向にある一方で、高齢者の現在歯数は増加傾向にあると説明。歯科診療医療費の動向では、14歳未満と65歳以上で増加し、全体として微増傾向で、1日当たりの点数は増加するも、レセプト1件当たりの点数は減少しているとした。
 
地域包括ケアシステム構築の推進


 平成28年度改定で導入した「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所」(か強診)は、今年4月時点で7031施設となり、歯科診療所の約1割を占めた。医療機関(医科・歯科)との連携は、か強診で約9割、一般の歯科診療所では約7割、介護保険施設等や在宅医療等を行う医療機関等との連携では、か強診でともに約6割を占めたのに対し、一般の歯科診療所ではそれぞれ約2割、約3割であった。


 周術期口腔機能管理の状況は、平成27年と28年を比較すると、算定医療機関は全体的に増加傾向にあり、実施しているのは全体でみると約3割だが、病院併設の歯科を中心に算定されており、300床以上の病院では約半数で実施されていた。


 平成28年度改定で新設の歯科医師連携加算(栄養サポートチーム加算)は、同加算を算定している病院のうち約3割が算定していて、病床規模でみると500床以上で、算定施設の約半数、算定回数では4割弱が算定していた。

口腔疾患の重症化予防、口腔機能低下への対応


 小児の口腔機能管理について、子供の食の問題は成長とともに解決するものと、専門家の介入が必要なものがあり、歯科医療関係者による適切な評価・対応が必要な場合があると指摘した。また、70歳以上の高齢者の口腔機能について、約4割が何らかの問題を感じているとした。

要介護高齢者における歯科的対応の必要性

 参考として示された「地域の要介護高齢者に対する悉皆研究調査」結果は「A県O町圏域の要介護高齢者416名(悉皆)に対する調査結果。義歯治療、抜歯、う蝕治療、歯周病の治療が必要な者の割合は、それぞれ、54.8、43.5、18.5、32.0%であった」とし「要介護高齢者の約7割が何らかの歯科治療を必要としていた。また、そのうち早急な対応が必要と判断された者は52名(12.5%)であった」。このことは保団連の要介護高齢者の口腔内状況調査結果とも符合し、潜在的歯科治療の需要の高さを示すものといえる。 この間厚労省から示され続けている「歯科治療の需要の将来予想(イメージ)」が実態を踏まえた想像図でないことは明らかである。
  

かかりつけ歯科医機能の評価

 平成28年度改定で導入した「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所」(か強診)については、今年4月時点で7031施設となり、歯科診療所の約10%である。エナメル質初期う蝕管理の算定回数は、「か強診」のみ算定可能な「エナメル質初期う蝕管理加算」の方が多いが、歯周病安定期治療については、すべての歯科医療機関が算定可能な歯周病安定期治療(機砲諒が多いことが示された (図1 )。


 また、今年秋頃の取りまとめを目指して、かかりつけ歯科医機能の評価に係るイメージ等の整理を進めること、か強診以外の歯科診療所と比較して、か強診では他医療機関及び介護施設等との連携が実施されていること等が報告された。


 しかしこれらの報告に対して、支払側から、「改定では、この間の歯科医療の取り組みの成果を踏まえて、歯周疾患の重症化予防、多職種との連携、高齢者医療の評価に重点を置くべきで『かかりつけ歯科医』のイメージの明確化ではなく、重点を医療連携において高齢者への対応を推進するのが喫緊の課題ではないか」「今更ながら『かかりつけ歯科医』のイメージを議論するのは、後付けの議論だ。評価が先で、イメージを後で議論するのは順番がおかしい」「患者が率先してか強診を選択したと思わせる資料提供がされているが、実際はたまたま通院している歯科診療所がか強診だったという感想を持っている。こうした医療機関の差別化が必要かは疑問だ。慎重に対応すべき」「か強診のうち約6割強が連携しているとの調査結果が示されているが、反対に約3割のか強診では連携できていないこと、先の連携しているか強診のうちでも地域ケア会議等への参加割合は約4割弱と、まだまだ不十分。例えば、介護施設等との連携を要件化する等の検討が必要ではないか」など、「か強診」に対する疑問が再燃する格好となった。

周術期口腔機能管理等の医科歯科連携推進

 周術期口腔機能管理の算定回数は増加しているが、その施設別の内訳をみると病院併設歯科が大部分であった (表) 。 

 

 また、都道府県別の周術期口腔機能管理計画策定料の算定状況は、保険医療機関数に対する算定医療機関数の割合が約1%〜10%と地域差がみられ、広島県が約10%と最高であった。平成27年と平成28年を比較すると、算定医療機関は全体的に増加傾向にある。


 医師と歯科医師の連携状況について、全体では「院内又は院外の歯科医師と連携して周術期口腔機能管理に関する情報提供を行っている」医師の割合は約30%であるが、病床数が多いほど周術期口腔機能管理に関する連携を行っている割合は高くなっている (図2) 。


 栄養サポートチームにおける歯科医師の参加状況では、歯科医師が栄養サポートチームに参加している施設は、病院内の歯科医師が参加している場合と院外の地域の歯科診療所の歯科医師が参加している場合をあわせて、全体で約20%であった。病床規模別にみると、病床数が多いほど栄養サポートチームに歯科医師が参加している割合が高かった。これについては、「栄養サポートチーム等が大病院で進んでいるが、中小規模の病院で進んでいないのは、病院歯科が自院にないからだ。外部の歯科診療所の参加についても、歯科診療所側に連携時の点数評価の整備が進んでいないことも課題。嚥下では、内科・神経科、歯科の連携が必要で、こうした認識の共有も必要。こうした地道な取り組みに光が当たってもいいのではないか」との発言があった。

その他の医科歯科連携


 歯周病と糖尿病の関連では、糖尿病診療ガイドライン2016(日本糖尿病学会)と糖尿病患者に対する歯周治療ガイドライン改訂2版(日本歯周病学会)の内容を示したうえで、糖尿病性腎症重症化予防プログラム(平成28年4月20日)の医科歯科連携の部分で、必要に応じてかかりつけ医と専門医の連携、医科歯科連携ができる体制をとること、臨床における検査値(血圧、血糖、腎機能等)を把握するに当たっては、糖尿病連携手帳等を活用し、本人ならびに連携機関と情報を共有できるようにすることが望ましいとした。


 骨吸収抑制薬関連顎骨壊死の病態と管理については、顎骨壊死検討委員会ポジションペーパー2016の歯科治療を行う上での注意では、骨吸収抑制薬の投与予定患者は投与前に口腔内衛生状態を改善、骨吸収抑制薬治療中は歯科医師による定期的な口腔内診査、骨吸収抑制薬投与中の侵襲的歯科治療に際しては、徹底した感染源の除去と感染予防、計画に基づいた治療、侵襲は最小限を示し、骨吸収抑制薬関連顎骨壊死は医科と歯科にまたがる疾患であり、医師と歯科医師の緊密な連携で予防、治療するチーム医療体制の構築、整備が望まれるとした。平成30年度改定は、医科歯科連携がポイントになると思われる。


中医協総会開催 次期診療報酬に向けて

 中医協は5月31日、第352回総会を開催した。総会では、費用対効果評価専門部会、薬価専門部会で議論があった。また歯科医療について、次期改定に向けた意見交換があった。

■ 費用対効果評価専門部会

 費用対効果評価専門部会では、費用対効果評価を医薬品、医療機器について、2018年度診療報酬改定時に試行的導入し、その検討結果を踏まえ、制度化の検討を進めることとしている。当日は「総合的評価(アプレイザル)について」との議題で、増分費用効果比(ICER)とICER以外に考慮すべき要素や評価項目についてを中心に議論された。
 アプレイザルの過程は(1)分析結果の妥当性を科学的な観点から検証(2)倫理的、社会的影響等に関する観点からの検証、それらを踏まえた総合評価となる。
 (2)の際に考慮すべき要素として、ICERの分析結果のみでは評価が困難と考えられる要素(例えば感染症対策といった公衆衛生上の課題等)を考慮する必要があり、今後の議論として六つの要素が挙げられた。<ICERによる分析の特性を踏まえた要素>ヾ鏡症対策といった公衆衛生的観点での有用性公的医療の立場からの分析には含まれない追加的な費用D拘にわたり重症の状態が続く疾患での延命治療<その他の要素>ぢ綢惻N鼎十分に存在しない疾患の治療ゥぅ離戞璽轡腑鶚小児の疾患を対象とする治療である。
 総合評価のICERの評価軸として「支払い意思額」(一定の割合の人が1QALYを獲得するために支払うことを許容する額)を基本とし、五段階で評価することが提案された。
ただし評価が悪くとも倫理的、社会的影響等に関する観点から考慮すべき要素がある場合には「費用対効果は受け入れ可能である」とするなど一定の配慮をすることとした。

■ 薬価専門部会

 薬価専門部会では▽先発医薬品価格のうち後発品に係る保険給付額を超える部分の負担▽後発品への置き換えが進まない既収載品薬価改定特例(Z2)を中心に議論が行われた。
 第105回社会保障審議会医療保険部会で\菷品と後発品の差額を患者負担(選定療養)とする∪菷品の薬価を後発品まで引き下げ同一薬価とする二つの考え方が示され、議論では^討法⊃芭殿Α支払い側とも強く反対意見が続出した。
案については、スペインの事例のもと、長期収載品の後発品への置き換え率が激減し、長期収載品市場の成長により医療費が増加したとする資料が示され、慎重とするべきとした。二つの案で結論を得るのは難しく、これ以外の案として後発品が出た段階で先発品の価格を後発品のプラス10%や20%の薬価とするなども検討する案について厚労省は「検討する価値はある」と述べ、今後様々な検討を行っていくとした。
 後発品への置き換えが進まない先発品の薬価の特例引下げ(Z2)については、引き下げまでの期間5年は妥当なのか、新薬創出加算を認める代わりに長期収載品の薬価切り下げまでの期間を厳しくするべきとの見直しを求める声が支払側から出された

■ 歯科医療について考え方を意見交換

 次期改定に向けて、歯科医療を取り巻く状況等の概況や地域包括ケアシステム構築の進捗状況、口腔疾患の重症化予防等への対応について、厚労省から報告がされた。
 上記の厚労省からの報告を踏まえて、支払側から「患者が率先してか強診を選択したと思わせる資料提供がされているが、実際はたまたま通院している歯科診療所がか強診だったという感想を持っている。こうした医療機関の差別化が必要かは疑問だ。慎重に対応すべき」とした上で「高齢化社会への対応等での活躍を見据えて、医療・介護の連携を小規模の歯科診療所でも取り組めるような評価をしていくべきで、施設形態での差別化ではなく、う蝕から口腔機能の回復や重症化予防に取り組んでいるかによる差別化(重点化)をしていくべき」との意見があった。


新体制で活動推進を

 5月27日、北海道保険医会の第5回代議員総会が開催され、新役員として理事候補者34名と監事候補者3名が選ばれた。新会長と4名の副会長および顧問が理事会に推薦された。そして5月30日に開かれた臨時理事会で、加藤康夫会長が率いる新体制がスタートした。
 一般社団法人北海道保険医会は、昭和25年12月「国民の健康を守るため保険医療の改善を期し、併せて保険医の生活安定を実現する」ことを目的に結成された。現在全道に18の支部が組織され、3,300名の医科・歯科の保険医により医科・歯科一体の活動が展開されている。法人格を取得して4年目となる今年、本会は運動強化と組織拡大が問われる重要な時期を迎えている。
 活動方針の具体化としては(1)医療制度改善に向けた運動を進めること。「いつでも、どこでも、だれでも」が安心して保険証一枚で受診できる医療を目指して活動していく。国民皆保険制度を守り、患者負担増計画の阻止に向けた運動に取り組む。「子どもの貧困」や保育所の不足が叫ばれている中で、今後は国が中心となって子どもの医療費助成を支援する体制を確立させるとともに、中学までの無料化制度の早期創設を求めて国や自治体への働き掛けを続ける(2)医業経営をサポートする諸活動。消費税の増税阻止とゼロ税率の適用を求めて運動する。医業経営に役立つ各種研修会を開催する。平成30年度診療報酬・介護報酬の同時改定に際し、検討会や講習会などを通じ会員へ迅速かつ正確な情報を提供し、懇切丁寧に相談に応じる(3)組織拡大と共済制度の普及。休業保障共済保険、保険医年金、団体定期保険の三大共済制度の加入拡大に努め組織拡大にもつなげる。会員のメリットとなる実務セミナーやスポーツ・レクリエーション行事を充実させる。
 会務執行体制の強化と健全財政の維持、また各種関係団体との連携や交流を図ることは重要である。
 新体制の下にすべての会員が結集して更なる運動の強化を目指したい。


第5回代議員総会にて決議されました、本会の平成28年度活動報告および平成29年度活動方針を更新いたしました。

詳細は以下のページより御覧いただけます。

http://h-hokenikai.com/modules/cont1/index.php/content0012.html

また、上部バナーの「活動方針」からも御覧いただくことが可能です。


医科歯科連携推進のために

 「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会(厚労省)」は4月6日、医師の需給問題や看護師の業務範囲、歯科分野におけるビジョン等、今後の働き方ビジョンについて報告書を提出した。 

歯科分野で触れられた「医科歯科連携推進等」では、周術期に口腔管理を行うことで入院日数が減少することや、口腔ケアが誤嚥性肺炎の発症予防となること、歯周病患者に糖尿病の発症リスクが高いことなど、口腔の健康が全身の健康と深い関係を有することを指摘したうえで、医科歯科連携の重要性が増しているとした。 

周術期の口腔管理については、平成24年改定において全麻下でがん等に係る手術を実施する患者の管理を目的として、「周術期口腔機能管理料」が導入された。算定に際しては、手術を行う医科からの情報提供が必要であるが、連携が進まなかった。 

 連携の推進のため、平成26年改定では、点数の大幅な引き上げ、周術期口腔機能管理後手術加算を医科、歯科点数表に新設、診療情報提供料(機砲鵬短擦垢觧科医療機関連携加算を医科点数表に新設などの対応が図られた。しかし、平成27年社会医療診療行為別調査によるとレセプト100枚当たりの回数は0・1回に満たない状況である。 

 なぜ連携が進まないのか。一番の理由は、歯科からの情報発信があまりにも少ないことではないだろうか。医科において、周術期の口腔管理についてほとんど周知されていない現状がある。また、今後の高齢化の進展に伴い、基礎疾患を有する患者や歯科診療所に来院できない患者が増加するため、在宅等において患者の全身の状態に配慮しながら歯科医療を行うことが求められているが、そのためには医科歯科連携は不可欠であることは言うまでもない。 

 次回同時改定に向けた中医協での議論においても、医科歯科連携の実践例が例示されるなど連携がキーワードになるだろう。連携推進のために歯科からの働きかけを今から進めなければならない。


医療改善に向けて、新たなる船出
加藤康夫氏ら、新執行部決定


 5月27日、第5回代議員総会を開催し、全道各地より代議員51人・委任状24通(定足数39)が出席した。議案審議では28年度活動報告・収支決算、29年度活動方針・予算案が承認され、総会決議を満場一致で採択した。今年度は任期満了に伴う役員選挙が行われ、加藤康夫理事をはじめとする新執行部を臨時理事会へ推挙することが決定した。


 

 

 はじめに挨拶に立った小笠原俊一会長は「来年度の医療保険、介護保険の同時改定に向けて、審議が進められていおり、非常に厳しい提案がなされている。このような中で、代議員の先生方に本会は本会活動の総括と新年度の活動方針についてご審議をお願いしたい」と述べた。 

 笠井康弘議長、荻野英二副議長の代議員総会設立宣言後、昨年度に逝去された23名の会員に黙祷を捧げた。議案審議では下出道弘副会長から医療を取り巻く情勢と活動の報告を行い、続いて佐々木 豊財政部長より収支決算が報告され、承認された。
 監査報告は安井隆弘監事が行い、予算の執行や引当金の保有、職務執行などは適正と認める報告があった。

29年度活動方針
 
次に、小笠原会長より「患者負担増の軽減」「真の包括ケアシステム・地域医療構想の構築」「診療報酬・介護報酬の引き上げ」「患者申出療養制度の廃止」「マイナンバーの医療分野への拡大阻止」「ゼロ税率の導入」等などを柱とした29年度活動方針が提案され、承認された。
 引き続き、荒谷英二総務部長からは収入支出予算が上程され、賛成多数で可決された。

 最後に、今上岳彦起草委員長から総会決議文の提案があり、満場一致で採択された。決議文は後日、報道機関や医療関係団体へ送付した。


総会決議

 安倍政権は、財政健全化の名のもと、「骨太方針2015」に則り、医療をはじめとする社会保障の切り捨てを次々と断行し、平成30年度の同時改定を見据え、平成29年度においても、公的医療介護給付費の削減、患者負担増を狙う数々の改悪計画を準備しているが、マイナス改定は絶対に受け入れられない。
平成30年度に施行予定の国民健康保険の都道府県化により、都道府県の権限強化と地域の医療費格差の半減を目指し徹底した医療費抑制策と、国保保険料の引き上げが懸念される。

 近年、「健康格差」「下流老人」「老後破産」「子どもの貧困」「ワーキングプア」など、あらゆる世代の貧困や長時間労働による「過労死」そして「自殺」が社会問題となっている我が国において、患者・国民の視点に立った社会保障を堅持するための運動が益々重要である。

 ドナルドトランプ氏が第45代米国大統領に就任した。米国第一主義を主張し、ポピュリズム、ナショナリズムを展開し、我が国の社会保障への悪影響が危惧される。また、米国はTPPからの離脱を宣言し、日本にとってさらに厳しい日米間FTA締結要求により医療分野にも重大な影響を与えることが懸念される。 一方、安倍政権は発効見込みのないTPP関連法案を拙速に成立させ、米国抜きのTPPへと舵を切ろうとしている。同発効に至れば、医療の市場化・営利化、混合診療の解禁に道を開き、国民皆保険の崩壊が懸念される。

 北海道保険医会は、第一線の地域医療を担う立場から、国民の健康を守り、国民に安全・安心な医療を保障するため、国民皆保険制度の根幹を揺るがしかねない医療制度の改悪に断固反対し、以下のごとく決議する。

一、 「医療制度改革関連法」に基づく、患者負担増計画の即時撤回を求める

一、 国民に必要な医療介護を保障する真の「地域包括ケアシステム」「地域医療構想」の構築を推進し、これを医療費抑制策の手段とすることなく、十分な財源確保を求める

一、 新たな患者負担増や給付削減、地域医療を崩壊させる医療・介護提供体制の再編中止を求める

一、 医療費抑制政策を中止し、公的医療費の総枠拡大を求める

一、 良質な医療や介護を提供するため、診療報酬・介護報酬の引き上げと不合理の是正を求め

一、 選定療養制度の対象拡大に反対し、患者申出療養制度の廃止を求める

一、 マイナンバー制度の医療分野等への拡大に反対する

一、 医師・歯科医師の裁量権を無視し、医療現場を混乱させる指導・監査に反対する

一、 消費税増税を中止し、医療へのゼロ税率の適用を求める

 

平成29年5月27日
  
一般社団法人北海道保険医会 第5回代議員総会 

 
                      
  


 

一般社団法人北海道保険医会

 <平成29年度活動方針

 全力で医療制度改悪阻止を

 我が国の情勢と今後の課題

 アベノミクスの金融緩和・財政出動・成長戦略の三本の矢は、停滞する日本経済に効果はなく、政策が失敗したにもかかわらず「道半ば」とうそぶいている。安倍首相は今通常国会の施政方針演説で、「少子高齢化、デフレからの脱却と新しい成長」を政策目標とし、名目GDPの増加や企業倒産数の減少、有効求人倍率の上昇などを自らの実績として強調した。しかし、名目GDPはここ最近足踏み状態が続き、有効求人倍率も、求職者数自体の減少に加え、介護職など人手不足の業種が全体を押し上げていると見られており、経済効果としては懐疑的である。個人消費や消費者物価も低迷が続く中、「デフレの脱却」は程遠い。一部の大企業のみが恩恵を受ける経済政策によって生み出された貧困や格差の拡大に楔を打つべく、国民本位の政策を求め運動していく。


 選定療養制度の対象拡大および、患者申出療養制度の廃止を

 「規制改革推進会議」は2014年、厳しく制限されていた混合診療を拡大する案をまとめた。保険診療と保険外の自由診療を併用する「患者申出療養制度」の創設である。この制度は、患者の同意があれば混合診療が実施できることを柱としている。「医療に関する患者の選択肢を増やし、経済的負担も軽減される」と混合診療拡大の意義を強調している。
 また、同会議は昨年、「完全な遠隔診療」を解禁するように厚生労働省に求めた。厚労省の通知では、現在の遠隔診療は対面診療を組み合わせた場合のみ認められているが、企業の健康指導などの利便性を高めると主張している。都市部で保健所から遠隔診療を認められなかった事例などを取り上げ、育児中や多忙といった理由での遠隔診療や、メールなどで患部の写真を送ることを画像診断に含めることなどを認める方向で検討する。
 「経済財政諮問会議」の薬価などに対する中医協への介入は、「社会的共通資本である医療制度は、国家官僚によって国家の統治機構の一環としてつくられ管理されるものであってはならないし、また儲けを基準とする市場的メカニズムに任せるものであってはならない。」(宇沢弘文氏)という大原則をなりふり構わず踏みにじるものである。
 「経済財政諮問会議」は骨太の方針2015で示された「経済・財政再生計画」を着実に推進する指針として、平成28年末に「経済・財政再生アクションプログラム2016」を発表した。社会保障費の自然増を5,000億円程度に抑えることを目標に、主な施策として、|楼莪緡店汁曚鉾爾ι他穏鏝梱▲如璽審萢僂砲茲詈欷閏垉’修龍化I蘆瓦慮平化による高齢患者の負担増じ緘医薬品の普及と服薬管理の強化などを掲げている。これらの政策は今通常国会でも関連法案が上程されるなど具体化に向け進んでいる。


 新たな患者負担増や給付削減、地域医療を崩壊させる医療・介護提供体制の再編中止を

 平成29年度に導入が見込まれる医療保険の改悪項目は「後期高齢者の保険料軽減特例措置の廃止」「入院時居住費の負担対象者の拡大と負担額の引き上げ」「70歳以上の高額療養費の負担限度額の引き上げ」など高齢者を狙い撃ちにした政策に重点が置かれている。介護分野でも「自立・自助」の原則を強調し、「現役並所得者の利用料の原則3割負担化」、「利用者負担上限額の引き上げ」など、さらなる負担増を求める政策が中心となっている。高齢者の疾病リスクを考慮せず、社会保障の原点である支え合いの精神をも無視した「負担の公平化」では、国民の理解は到底得られない。今回は導入が見送られたものの、「かかりつけ医」以外の受診時定額負担や、市販類似医薬品の保険外しも提案されており、近く再度議論の俎上に載せることも予想出来る。介護保険でも利用料の原則2割化や要介護1、2の利用者の生活援助の保険外しなどが打ち出されており、医療保険・介護保険の利用を妨げる目論見を隠そうともしない。


 国民に必要な医療介護を保障する真の「地域包括ケアシステム」「地域医療構想」の構築を推進し

 医療費抑制策の手段とすることなく、十分な財源確保を

 また、平成29年度は地域医療の将来像が描かれる年となる。各都道府県では、「地域医療構想」が策定されたが、入院医療の必要量を低く見積もり病床削減へと導いていくことが決定的である。そして、平成30年度からスタートする第7次医療計画、第7期介護保険事業計画等は、この内容を反映して医療・介護の供給体制が整備される。医療・介護の供給量(給付費用)を制限し、需要(患者数)を調整する仕組みに利用されれば地域医療の崩壊は一層歩みを早める。また、医師の偏在問題も本道にとっては深刻な問題である。地域医療構想に伴う医療機能の集約化に加え、現在検討が進められている新専門医制度が導入されれば、特定機能病院等の大病院や大都市に医師が集中し、偏在がより顕著となる。医師の自主性を保障しつつ、国の責任において地方でも都市部と変わりない研修体制、就労環境が整備され、地域格差なく医師の配置が充足するような施策を求めていく必要がある。
 政府が地域医療の柱の政策に据えている地域包括ケアシステム(川下の改革)は、病床再編で押し出された患者の受け皿作りが中心で「自助を基本としながら互助・共助・公助の順で取り組む(厚労省)」姿勢を鮮明にしており、本会は以前から国民のニーズや地域特性に応じた医療提供体制の整備としては不十分であると指摘してきた。セルフケアなど「自助」を基本とし、ボランティアや住民組織など補完的に「互助」の支援的役割を担わせる一方、財源負担など国の責務を後退させており、単に地域の責任で高齢者ケアを賄わせるだけのシステムといえる。さらに医療・介護の現場で関心が高まりつつある在宅歯科医療、口腔ケアへの対応に関し、歯科医療機関がどのような位置づけで参画していくべきかの指針や具体策は未だ示されておらず、広域にわたる本道の地域医療の中で医科歯科連携をスムーズに浸透させていくための対応を自治体、関連団体、関係機関・施設等と早期に進めるべきである。
地域包括ケアシステムを急激に進行する超高齢社会に対応する重要施策と位置づけるのであれば、社会保障財源を十分投入し、地域で雇用を生み出し地域経済効果をも誘発させるなど、地域振興に貢献し、併せて地域住民の健康増進にも繋がる「真の地域包括ケアシステム」として構築しなければならない。


 良質な医療や介護を提供するため、診療報酬・介護報酬の引き上げと不合理の是正を

 平成30年度改定は医療保険、介護保険の同時改定となる。中医協では、改定に向けた検討が開始され、平成29年12月には「診療報酬改定の基本方針」及び「改定率」が決定する。次期改定の主な検討項目として、「かかりつけ医機能とかかりつけ歯科医機能」や在宅医療では「重症度や居住形態」などが引き続き取り上げられている。外来診療の包括化や在宅点数のさらなる複雑化など、新たな不合理が生じないよう具体的な要求を掲げて運動を進めることが肝要である。歯科では、前回改定で技術料の抜本的引上げが見送られ、医療環境や経営危機を打開するには依然として厳しい状況にある。特に「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所」をはじめとするハードルの高い施設基準が増加したことは、医療機関の機能分化と差別化、包括管理の強化につながり、患者のフリーアクセスを妨げる可能性がある。医療技術と直接関係しない届出の有無が歯科医療機関の再編、淘汰に利用されることのないよう活動を強化する必要がある。加えて、会員から医療現場での改善要求を集約すると共に、口腔管理、口腔ケアの専門職としての歯科衛生士の評価、「歯科技工問題」の抜本的な改善のために、歯科医療費総枠の拡大と基礎的技術料の適正な評価など実態を反映した歯科診療報酬の大幅な引上げも要求していく。

◇ ◇ ◇

 本会は、地域医療の拡充、医療機関の経営改善、医療の質のさらなる向上のため、現行の不合理項目の早期是正に加え、次期改定では大幅な引き上げを実現させるよう、保団連をはじめ全国の保険医協会等と連携し、関係各機関等への働き掛けを行っていく。   

 


在宅医療における本格的な議論が始まる

 4月12日、中医協総会が開催され、部会・小委員会に属する公益委員の指名等、最適使用推進ガイドラインについて、在宅医療を議題として行われた。その中で在宅医療において出された課題提起と議論を概説する。

 



 これまで厚労省は約6割が「自宅で療養したい」と回答しているなどと、自宅療養を強調するような資料を出していたが、今回は、終末期の療養場所に関する希望として、「自宅で最期まで療養したい」との回答は約1割であり、「自宅で療養して、必要になれば緩和ケア病棟に入院したい」等回答は様々、「60%以上の国民が、最期まで自宅での療養は困難と考えている」と実態に沿って報告が行われた。

 

在宅医療に係るニーズの特徴

 支援診や支援病の数は近年微減・横ばいだが、一方、支援診以外で訪問診療や往診を行う一般診療所の数は多い。支援診を届出ていない理由は、24時間往診体制が困難との回答が最も多く、負担感が大きいこと、一方、在宅専門医療機関は、わずかに減少していると報告された。参考として、訪問診療料の通知が示され「1人の患者に対して1つの保険医療機関の保険医の指導管理の下に継続的に行われる訪問診療」と規定されているため、連携先の医療機関の医師が訪問診療を行っても、在宅患者訪問診療料は算定できない取扱いとなっていることが指摘された。
 また医療機関での看取り状況資料(H26・10月分)が示され、療養病棟入院基本料の死亡退院割合は約35%であること、緩和ケア病棟入院料の届出医療機関数は年々増加していることなどが報告された。

在宅医療を担う医療機関

 主な原因疾患は、循環器疾患、脳血管疾患、認知症、糖尿病が多く、複数疾患を有する患者が一定程度いた。また、耳鼻科や眼科の疾患に対する訪問診療も行われていた。
 これらを踏まえ、厚労省は、在宅医療を確保・推進するために〇抉膺念奮阿魎泙瓩拭△かりつけ医による在宅医療提供体制△かりつけ医の夜間・時間外の負担軽減に資する、地域の医療機関の連携による救急応需体制かかりつけ医機能を補完するため、複数の診療科の医師が協働して行う訪問診療ご擬圓両態や診療内容、居住形態に応じた効果的・効率的なサービス提供に資する評価のあり方について提起した。

在宅医療を必要とする患者とその内容

 診療側の松原委員は、機能強化型支援診の連携型では、看取り実績をクリアするのは困難とした上で、連携先医療機関は、往診料を算定出来るように要望した。また「24時間体制は1人では無理。いくつかタイアップするとうまくいく」や「支援診以外の診療所は、頑張っているが届出できない現状がある。今以上の評価が必要」と現状の不合理が訴えられた。支払側から「負担感は事実と思うが24時間体制確保は重要」と述べ、要因分析を求めた。また、「高齢化が進んでいるから負担が大きいのは事実だが、チーム対応、グループ診療が重要だ」とし、医師以外を中心に考えることを優先すべきだと反論した。
 来年は医療・介護の同時改定であり、財源ありきの在宅医療には、断固反対する。

診療側意見に支払側が反論

 今回は、在宅医療に関する主な視点(案)が提案された。その中でも在宅医療提供体制の確保として|楼茲亮他陲鯑Г泙┐芯鷆‖寮の確保救急応需体制の確保。また、看取りを含めた在宅医療の充実としてヾ擬圓両態・特性に応じた在宅医療の推進多様な住まい方に応じた在宅医療の推進についてとりあげられた。

 



なりふり構わぬ給付抑制

介護保険法改正案

 

 介護保険関連法等一部改正案(正式名称;地域包括ケアシステムの強化のための介護保険等の一部を改正する法律)が4月18日、衆院本会議で可決された。15年8月からの2割負担導入による介護サービスの利用抑制に関する十分な影響調査もされないまま、来年8月から3割負担が導入される。安倍政権は将来的な利用者負担の拡大を否定しておらず、国民不在の制度改悪による社会保障の後退はこれ以上許されない。

 

1 保険者機能の強化
 厚労省は現在、地域間比較を行うことのできる「地域包括ケア」見える化システムを展開している。全市町村が保険者機能を発揮しやすくなるよう、自立支援・重度化防止に向け取り組む仕組みを制度化する。 
 まず市町村に介護給付費や要介護認定等に関するデータ提供を義務付ける。国は市町村から提供されるデータを集計・分析し、地域間比較が行いやすいように加工する。
 市町村は国から提供されたデータに基づき地域の課題を分析し、介護保険事業計画を策定する。計画には介護予防・重度化防止等の取組と目標を記載する、市町村はリハビリ職と連携して効果的な介護予防を実施するとともに、「要介護状態の維持・改善の度合い」などのアウトカム指標と「地域ケア会議の開催状況」などのプロセス指標の組み合わせによる実績評価を行う。
 国は結果を集約して評価・公表するとともに交付金などの財政的インセンティブを付与する。指標とインセンティブ付与の詳細は平成30年度の予算編成過程で検討される。

2 「介護医療院」の創設
 介護療養病床等の受け皿となる新たな介護保険施設として「介護医療院」を創設する。「日常的な医学管理が必要な重介護者の受け入れ」「看取り・ターミナル」などの機能を受け継ぎ、また「生活施設」としての機能を兼ね備えており、長期療養のために医療と介護を一体的に提供する。
介護保険法上の介護保険施設だが、医療法上は病院ではなく、介護老人保健施設と同様に医療提供施設として位置付けされる。管理者は都道府県の承認を受けた医師。病院または診療所から転換した場合は転換前の名称を継続して使用できる。

 具体的な介護報酬・基準・転換支援策は、社会保障審議会介護給付費分科会等で検討する予定である。なお介護療養病床の経過措置も6年間延長され35年度末までとなる(表1)。(医療療養病床は未定)
 
3 地域共生型サービスの導入
 高齢者と障害児・者が同一の事業所でサービスを受けやすくするため、介護保険と障害福祉制度に加え新たに「共生型サービス」を位置づける。介護保険法、社会福祉法、障害者支援法、児童福祉法を改正し、障害福祉サービス事業所や介護保険事業所がそれぞれ別の制度の指定を受けやすくする特例を設ける。対象サービスとしては、ホームヘルプやデイサービス、ショートステイが想定されている。
 これに対して、障害者団体は「複合的なニーズに安上がりな人員体制で対応するもの」との危惧を示し、兼務に伴う過重労働が憂慮されるとしている。
 
4 利用者負担3割の導入
 介護保険の自己負担2割の人のうち、特に収入が高い層の負担が3割になる。導入は平成30年8月の予定。具体的な基準は政令事項であるが、医療保険の「現役並み所得者」の基準を踏襲する。
 対象は 峭膩彌蠧清盂曄糞詬深入や事業収入等から給与所得控除や必要経費を控除した額)が220万円以上」、かつ◆崘金収入及び年金収入以外の合計所得金額が単身世帯の場合で340万円以上、夫婦世帯の場合で463万円以上」が対象になる。対象者は3%に当たる12万人と推定されている(表2)。

 厚労省は、一昨年の2割負担導入前後で、1割と2割負担者間で受給者数の伸び率に「顕著な差はない」としている。しかし、2割負担になった約40万3000人のうち、40%以上がサービス利用を減らしており、また特養などの介護施設からの退所者は1600人以上と報告されており、現場の実態を軽視した厚労省の姿勢は看過できない。

5 介護納付金への総報酬割の導入
 現在、介護保険の2号保険者の保険料は、介護納付金として医療保険者に賦課している。現行制度では「加入者数に応じて負担(加入者割)」しているが、被用者保険では段階的に「報酬額に比例した負担(総報酬割)」となる。具体的には、平成29年8月分から2分の1、31年度から4分の3、32年度から全面的に導入される。負担増となる被保険者は約1300万人、一方負担減となる被保険者は1700万人(平成26年度実績ベース)。比較的報酬の高い共済組合や多くの健保組合は負担増になる見通しで、全体では320億円の負担増となる。
 また、特に負担増が大きい被用者保険者への財政支援が31年度末まで予定されている。なお、市町村国保や国保組合では加入者割を継続する。

6 その他
 ’知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)の基本的な考え方を介護保険法に位置付ける。地域包括支援センターの事業の自己評価と質の向上を図るよう義務付ける。市町村が居住サービス等の供給量を調節できるよう、指定拒否や条件付加の仕組みを導入する。ぐ質な事業を続ける有料老人ホームへの指導監督の仕組みを強化するため、事業停止命令措置を新設する。ゾ祿下垰抉膸楡濺を退所して介護保険施設等に入所した場合、市町村の給付費が過度に増えないよう、前施設に入所前の市町村を保険者にする、などが盛り込まれている。

 本法案は4月12日、衆院厚生労働委員会において、民進党が安倍首相への質疑で森友学園問題を取り上げたことに反発し、当初の予定を繰り上げて強行採決された。野党は3割負担の対象が拡大しないよう法律に明記することを求めたが、安倍首相は将来的な拡大を否定していない。
国会では、重要な法案が充分な審議がなされないまま、数の論理だけで決まる状況が続いている。本会は社会保障をめぐる諸問題を会員に周知するとともに、改善に向けた活動を強化していく。

 



介護難民増加は必至

 

 全都道府県の地域医療構想(以下「構想」)が出揃った。2025年の医療提供体制構築に向けて各構想区域に設置する地域医療構想調整会議において具体的な議論が本格化する。 厚労省は調整会議を年4回開催する案を示し、第3回(10〜12月)には、機能ごとに具体的な医療機関名をあげた上で、削減・転換する病床を決定するよう求めている。定期的に都道府県に進捗を確認し、18年度の本格実施前に、病床削減先を決めるよう促す構えだ。

 「構想」では、2025年に向けて全都道府県の病床が、約15・6万床と1割強減少する見通しとなり、これは政府専門調査会が推計した削減値に沿った結果となった。「構想」に基づいて病床削減を進めた場合、介護施設や高齢者住宅を含めた在宅医療等で新たに30万人程度の対応が必要と見込まれている。

 厚労省は、在宅医療の整備量の推計にあたって一般病床からの患者(概ね1日175点未満の患者)は基本的には外来医療で対応し、療養病床からの患者(医療区分1の70%等)は、介護療養病床の新たな転換先とする「介護医療院」等への転換見込量を除いた上で、外来、在宅医療、介護サービスで対応する考えを示している。

 しかし、推計の方法や臨床現場との乖離に対しての疑問や異論は少なくない。2017年度下期に具体名を挙げるとするスケジュールに、拙速ではないのかとの懸念もある。更に、 レセプト情報・特定健診等情報データベースを活用したデータブックについても、 使いこなせていない、診療圏分析ができない、不完全なデーターを全てとする危険性等が指摘されている。

 厚労省の計画・誘導は、患者家族のニーズに対応する施策ではなく、病床削減ありきの感は否めない。患者の療養環境はさらに悪化し、介護難民の増加が懸念される。

 北海道は広域だが人口が分散するという地域特性、医療資源が札幌に一極集中するという現状がある。どのように「地域完結型」の医療を実現するのか、これからの各地域医療構想調整会議の議論の行方を注視したい。


 
第5回代議員総会にご参加を


 北海道保険医会は、医科歯科の保険医が一体となり医療制度改善のために活動してきたが、更なる活動の強化と公益性を求めて4年前、一般社団法人となった。法人の責任を果たしつつ、創設以来の目的である「保険医療の改善を推進し、もって国民の健康を守ることを目的にし、会員の団結をはかり保険医の生活安定を実現する」活動に邁進する。

 デフレは、バブル崩壊と緊縮財政で始まる。1990年代半ばバブル崩壊で、巨額の不良債権を抱えた銀行が、自己資金比率の確保で「貸し渋り・貸し剥がし」を行ったため、資金繰り悪化で企業倒産が相次ぎ、金融不況に陥った。阪神・淡路大震災の復興への政府支出と携帯電話の爆発的ブームで景気回復軌道にあった1997年に橋本政権は、財務省主導の緊縮財政を行ってしまった。国民は、消費税増税、特別所得減税打ち切り、医療費自己負担増などで9兆円の負担増になった。その翌年、名目GDP(総需要)は、マイナス成長になり、当然、税収も4兆円減少した。いわゆる失われた20年が始まり、本来の供給能力より、名目GDPが低くなり、デフレギャップが広がった。引き続き歴代政権も、公共投資削減、診療報酬削減、医療費窓口負担増などの緊縮財政を続け、名目GDPは横ばい状態で推移した。名目GDPが増えない時期の緊縮財政は、同じパイの中で政府の取り分を増やし、国民の取り分を少なくし国民を貧乏にする。デフレ脱却には、名目GDPの増加と緊縮財政の廃止が必要である。

 依然として、デフレが脱却されず緊縮財政が続けられているため、医療経営は益々厳しさを増している。だからこそ、多くの保険医を本会に迎えて組織拡大を図り、社会インフラの一つである「医療」の制度改善のため活動を行い、頼りにされる北海道保険医会を目指し邁進している。

 来る27日午後5時より札幌ビューホテル大通公園で「第5回代議員総会」が開催される。一般会員も傍聴できるので、是非、参加して頂きたい。
 

 


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