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インフルエンザ、その後「免疫とワクチン」入門編

 2009年も12月を迎え、新型インフルエンザの年も暮れ、新たな年を迎えることになりますね。北海道の皆さんは「もう新型インフルエンザは済ませましたか?」という挨拶をしそうなくらい多くの方が新型インフルエンザに感染しました。

●「免疫」と「ワクチン」について
 インフルエンザに一度感染してしまえば、免疫(抗体)が出来て、また同じウイルスに感染しても体の中で、抗体のおかげでウイルスは増えず(増殖といいます)、インフルエンザの症状が出ないですみます。(発病しないといいます)
 人間も動物も体に免疫という仕組みを備えています。長い進化の過程で生物が身につけて来た、病原体に対抗し生存するための生物化学的プログラミングシステムです。(コンピューターウイルスの防御システムですね)ケガをしたキズが自力で治るのも免疫と自然治癒のシステムのおかげで、ライオンなど野生動物ではキズのなおりが早いそうです。(そうじゃないと野生の世界では生き残れません)
 この免疫機構を使って感染症から身を守ろうとする手段がワクチンです。そもそもはジェンナーが牛の天然痘の膿を子どもに接種して、天然痘ウイルスに対する免疫を人為的に獲得する方法を17世紀の末に開発したことから始まっています。天然痘はウイルスが原因の感染症で、メソポタミア、エジプトの古代から存在した疫病で致死率も四割以上と言われました。しかし、このワクチン(種痘)によって1980年頃には、この地球上から天然痘に感染する人がいなくなったのです。2,3000年以上人類に取りついて来た疫病を医学が根絶しました。

●今回のインフルエンザの状況
 さて、札幌の新型インフルエンザの流行も11月にはかなり下火になりました。地域によってはかなりの人が罹り、小学校によっては感染していない生徒が何人残っているのかというところから、クラスで感染したのは数人というところまでさまざまです。今は本州で地域によって感染が広範囲に拡大している状況のようです。
 今回の新型インフルエンザの特徴は、小学生、中高校生、20代中心に学校で感染し流行したことですが、一方で年配の人の罹患が少なかったことから、ウイルスには昔流行したソ連型のインフルエンザと遺伝子構造の共通部分があって、年配の人がその抗体を保有していて感染しないか、もしくは感染してもカゼ程度の軽症で済んでいるものと推測されています。これは免疫と抗体を持っていれば感染しても重篤な状況にならないということ、一度罹ってしまえば、数年間かそのウイルスが変異するまでは何回感染しても発病しないということです。
 このことは、抗体を持つということ、免疫がいかに大事かという実例なのですが、逆に免疫のない人はワクチン接種で防ぐことがいかに大切であるかということの医学的な理由でもあるのです。
 このように医学的・科学的に正しい知識とワクチンの意義と認識を国民の皆さんが共有することが大切と、以前から小児科の医者として痛感しているところです。

●予防接種のリスクについて
 予防接種を勧めても、副作用が恐いからしない、自然に罹ればいい、予防接種をしても罹るから効果がない等々、思いはいろいろあることでしょう。
 理論的には未感染の病原体に対する免疫の無い人は、病原性の無い、或いは病原性の少ない生きたウイルスや細菌(生ワクチン)や、これらのウイルスや細菌の菌体成分(不活化ワクチン)を接種して、免疫システムにシュミレーション(プログラミング)して本物の敵(ウイルスや細菌)に備えます。赤ちゃんや乳幼児のうちに受けるワクチンが多いのもこのような理由によります。
 ワクチンでも薬でも、遺憾ながら確かに万全で100%効果があって安全ということはありません。もちろん長年、安全性の確立されたワクチンがほとんどです。しかし、大切なことはもともと病気そのものが恐いからこそ、ワクチンでその病気を防ごうとしていることを忘れないでいただきたいのです。
 100%無害で、死ぬこともなく、後遺症もない病気などありません。
病気で重大な健康の被害を受けないように、罹患しても脳症や重症な喘息や肺炎などの呼吸器障害を受けないよう予防するのがワクチンです。天然痘のように死亡者の続出するような病気ではとくにその恩恵が誰にでも評価できるのではないでしょうか。
 とかくワクチンの副作用ばかりが強調され、センセーショナルに報道されがちで、その対象の病気そのものの恐さや、深刻な健康障害や死亡例の報道こそ大事なのですが、報道機関の報道そのものが、医学・科学の基本知識を踏まえた上での報道とは思えないと、医者の立場から近年ますますその思いと危機感を募らせているのが本音です。

●新型インフルエンザのワクチン接種について
 新型インフルエンザのワクチン接種も始まっています。この秋までにインフルエンザと診断された人は殆どが新型インフルエンザであったとして間違いはないと思われます。
 希望者以外の方は新型ワクチンを接種する必要はないと言ってもよいでしょう。検査はしていないけど、発熱などの症状がある程度みられ、家族も罹ったが、検査で反応が出なかったという人も同じように考えても差し支えないとも言えますが、ケースバイケースですので、状況に応じて判断し、主治医にご相談してください。
 インフルエンザの検査での陽性率は一説には30%とまで言われます。前にお話したように、検査が陰性でも確実に感染を否定するものではありません。検査のタイミングや、症状の重さ、強さ、検査キットの感度など多くの要素があるのからです。このことも、検査だけが万能であり、検査がすべてを決定するものではないということが、国民の皆さんが共有した認識でなかったことも、一つの大きな課題だったと感じました。
 発熱して直ちに医療機関で検査を受けるように、学校でも報道も勧め、検査しても反応が陽性に出ない早期に、夜間、休日などに受診者が集中したしたことで、混乱に拍車をかけたことも否めませんでした。一方で10月前半の連休に、小児科休日当番の医療機関に想定以上の4〜5百人もの患者さんが集中したという非常事態もありました。

 今回の”新型”(ブタ由来の)インフルエンザはホンコン型やソ連型が最初に現われたときと同じように、最初は皆”新型”であったにすぎません。厳重な検疫、防疫体制が必要な、致死率の高いと想定された”新型トリインフルエンザ”とは別物でした。初期の空港での機内検疫での国内への流入阻止は、ブタインフルエンザの病原性の強さ(いわゆる毒性、強毒性か)が明らかでなかった段階では止むを得ない対応だったと思われます。初期の学校での学級閉鎖や学校閉鎖の早めの処置も同様の対応でしたが、このような措置で感染の拡大を防ぐことは不可能でした。感染の拡大をゆるやかにして、学校や社会や、会社や医療がマヒしないようにするという効果に結果したと考えています。

 医療界で残念に思われていることは、?発熱してすぐに検査を求められること、?検査だけですべてが判断されること、?そのために夜間や休日医療が過大な負担を負ってしまったこと、?治癒や感染していないことの証明や、発病していない罹患者の家族まで出社停止になり、医療機関がその証明など、インフルエンザの診断と治療以外の業務まで煩雑になってしまったことです。
 ワクチン接種を済ませるまでは、どこかでいつか新型インフルエンザに感染することは避けられません。感染しないで済めば、それは偶然か、感染しても軽くて気がつかなかっただけかも知れません。
 いまの段階で総括は出来ませんが、強毒性の疫病、トリインフルエンザ(トリインフルエンザだから強毒性とは限りません)やサーズのような映画のような感染症と混合した区別のない混沌とした社会の過剰ともいえる反応が止められないもどかしさを感じたことも事実です。

 今回のインフルエンザの特徴は、?喘息などの持病がある人では、急速に呼吸困難を起こしたり肺炎になったりすること、?脳症も発症が早く、診断と治療も間に会わないくらい急速に悪化すること、?妊婦さんで重症化すると外国例があることなどです。このような場合、検査で反応が出なくても早期に治療開始する必要があります。「検査もしないで…」とか「検査は陰性だったのに薬を出された…」と患者さんから聞く場合もありますが、皆さんにはドクターの判断を尊重していただき、医学的基本知識をお互い共有して相談し、ご理解していただきたいと思っています。

 
 親しいドクター、主治医を是非皆さんお持ちになってください。


 八月末の土曜日に、割り当てで札幌市の夜間急病センターに午後7時〜午前0時まで診療してました。担当の小児科医は土日は2人で診療しますが、11時過ぎまでは途切れることなく小児の患者さんが受診しました。 その殆どがインフルエンザを心配しての受診でしたが、昼からの発熱や夕方からの発熱ということで、インフルエンザの迅速検査で反応が出る時間が経過していないため、殆どの人が検査結果が陰性で、はっきりインフルエンザと診断された人はごく一部しかいませんでした。

 
●インフルエンザの検査について
 インフルエンザに罹ったかどうかの検査では、実際にウイルスに感染してから、少なくても12時間以上、通常では15〜20時間近く経たないと、検査で確実に陽性に出ないことが多いのです。
 症状がよほど重いか、乳幼児では早く検査結果が陽性になることもあります。 また、ノドや鼻の粘膜にどれくらいウイルスが多いか次第で反応が出ますので、重症な人はウイルスも多いとも言えます。乳幼児では、やはり細胞が若いと言いましょうか、ウイルスが若い細胞を好むようだとしか言いようがありません。
 私たち小児科医の間で話題になっているのですが、学校や幼稚園、保育園の先生方にお願いしておきたいことは、この検査のタイミングをよく知っておいて頂きたいということです。
 早期に検査して結果がマイナスでも、インフルエンザではないと断定出来ないことがあるということも皆さんにぜひ知っておいて頂きたいと思います。
 
●感染しても焦らず騒がず病院へ
 インフルエンザに限りませんが、子どもさんが発熱したら、夜間救急センターや当番病院にすぐ受診する傾向は昔からあまり変わりません。 子育てに慣れた1人前(?)の親は子どもの病気への対処にも慣れてますが、世の中常に新米のお父さん・お母さんも生まれますので、夜間の病院の様子はやはり今もそう変わらないものですね。

 
今回のインフルエンザの大流行は、新型とはいえ、人類が最も警戒すべき『トリ由来の”強毒性”新型インフルエンザウイルスではないので、当初想定されたような厳重な防疫(隔離)措置を過剰に行うまでの対応は必要ないというか、そのような方法で流行を阻止することは不可能な現況になっています。
 
 
 札幌市での小学生の最初の罹患者は、私の医院で診断されましたが、抗ウイルス薬によって比較的に速やかに治癒し、兄弟や親でも感染しない(うつらない)ケースも多くみられます。
 感染者は、今のところ中学、高校生が多く、ついで小学生、幼稚園、保育園に感染する子どもが出ていて、各市町村では、新型インフルエンザの感染が一挙に爆発的に起こらないように、学級・学年閉鎖などの集団感染を防ぐ対処をしているという状況です。

●インフルエンザの毒性
 インフルエンザがどれぐらい恐い感染症なのかについて少しご説明します。
 まず、病気の原因とされているインフルエンザウィルスについてですが、本当はウイルスに”毒”など無いのですが、重病になりやすいウイルスであるかどうかを判断して”強毒性”と表現しています。
 今回の”新型”インフルエンザは、今までのところ強毒性のものではないようですが、もともと持病のある人や妊婦さん、子どもさんで脳症を起こす場合もあるなど、楽観は出来ません。  新型というよりも、リニューアルしたと言った方が、イメージが伝わるように思います。ホンコン型でもアジアかぜでも、最初は新型だったのです。いまのところ、今回の新型インフルエンザは普段の季節性のインフルエンザより症状が重くないようにも見えます。
 しかし、「新型インフルエンザは地球を3周する」といわれています。言い得て妙ですが、きっとその通りでしょう、まだ1周もしてないのかも知れません。 実際に最近では、インフルエンザの感染による肺炎やインフルエンザ脳症などの死亡例も発生して来ていますので、油断出来ません。
  
●疑わしい場合は、いきつけの医療機関へご相談を
 ご説明した通り、インフルエンザに感染したかどうかの検査では、診断可能になるまでの時間差はありますが、重い感じ、ぐったりしている感じの人では早めに検査が陽性になることもあります。
また、高熱もなく、ハナかぜ程度でも感染している子どもさんもいます。
 夜間に熱が出てもすぐ病院に走る必要はありませんが、インフルエンザ脳症などでは発熱後、半日か1日で発症している例もありますので、相当具合が悪そうでしたら速やかに診察を受けるようにご注意ください。
  
 10月中旬の札幌市の流行状況
 10月の11日12日の体育の日の連休は、休日当番医で300人から500人のインフルエンザの
児童生徒が受診して、数時間待ちから半日以上待つという状況でした。
 連休明けの私の医院でも2,3時間待ちになっています。
 兄弟や流行している学校の子どもさんが発熱したら、もうインフルエンザに感染したことは検査をしなくても診断してさしつかえありません。インフルエンザの検査キットも品切れになってきています。

 

【インフルエンザ豆知識】

 

 

Q1:そもそもインフルエンザと風邪は違う病気なのですか?

 

 もともと、“風邪”というひとつの病気があるわけではありません。

 さまざまなウイルスや広い意味では細菌もふくめた感染により、せきやハナ、くしゃみ、のどの痛み、熱などの似たような症状がある場合を風邪と称しています。

 ほとんどは、症状が軽く、数日でなおってしまいますので、原因となるウイルスや細菌が不明のままで終わってしまいます。

 何かの病原体による、のどやはな、呼吸器の症状が出る感染症で、原因もわからないまま比較的軽症でなおってしまったような病気。

風邪とはそういう意味です、と私は説明しています。 病名というより、症状の名前のようなものにすぎません。

インフルエンザや溶れん菌感染症でも初期の軽いうちはカゼと言われることもよくあるのです。

  インフルエンザは高熱や、せき、頭痛や関節痛、倦怠感など症状の強い、風邪とは異なるウイルス感染症で、抗ウイルス薬のある唯一の呼吸器系ウイルス感染症です。

 この他、溶れん菌など、細菌感染では抗生物質による治療が必要になることも言うまでもありません。

 

Q2:新型インフルエンザと季節性インフルエンザの違いについて教えてください

 

 むかし、スペイン風邪やアジア風邪、Aホンコン型などと言われたインフルエンザも最初はすべて新型でした。
 おなじA型インフルエンザでも遺伝子の構造がやや異なるが、今までは存在しなかったという意味で“新型”なのです。
恐れられていた致死率が高いと予想される“強毒性”のトリインフルエンザを新型インフルエンザと呼び、その対策が検討されていたのですが、想定外の“新型”ブタインフルエンザがメキシコから発生したので、今回その実体以上に恐れられてしまったことは否めません。
 いまのところ弱毒性と言えますが、喘息や妊婦さんで重くなる場合がありますので注意が必要です。

 

Q3:もし、新型インフルエンザとわかった場合、家庭での看病で特に気をつけることは何ですか?

 

 家族内での感染を最小限にするためには、手洗いや別室にするなどの感染予防も必要です。
 くしゃみやせきの飛まつを受けないように注意しましょう。
 マスクは患者さんがクシャミや咳で他の人に感染させない効果はそれなりにあるでしょう。
 発病後、重症な場合は半日、1日で意識不明になったり、うわごとを言ったりケイレンを起こしたり急速に悪化するといいますから注意してください。
 喘息傾向のある人などでは、発熱後、急速に呼吸困難を生じる場合もあります。
 これらの場合は速やかに医療機関、救急外来を受診してください。

 

Q4:学校や会社への連絡は必ずしなければなりませんか?

 

 感染者が出たら、報告してください。集団感染を防ぐ対策の判断材料になります。
 家族にインフルエンザ感染者が出た場合に、発熱などの症状がない限りほかの家族の登校の制限は過剰で不必要な措置と考えられます。
 

 10月9日時点でここ清田区は小・中・高校の学年閉鎖、学校閉鎖があいついでいます。札幌市全域、道内も同様の状態になることは明らかで、時間の問題にすぎません。1日、2日熱が出ただけで終わってしまう人、ハナ風邪程度で終わってしまっている人その他、軽症の人もいます。

 

  インフルエンザに一度感染してしまえば、免疫(抗体)が出来て、また同じウイルスに感染しても体の中で、抗体のおかげでウイルスは増えず(増殖といいます)、インフルエンザの症状が出ないですみます。(発病しないといいます)
 人間も動物も体に免疫という仕組みを備えています。長い進化の過程で生物が身につけて来た、病原体に対抗し生存するための生物化学的プログラミングシステムです。(コンピューターウイルスの防御システムですね)ケガをしたキズが自力で治るのも免疫と自然治癒のシステムのおかげで、ライオンなど野生動物ではキズのなおりが早いそうです。(そうじゃないと野生の世界では生き残れません)
 この免疫機構を使って感染症から身を守ろうとする手段がワクチンです。そもそもはジェンナーが牛の天然痘の膿を子どもに接種して、天然痘ウイルスに対する免疫を人為的に獲得する方法を17世紀の末に開発したことから始まっています。天然痘はウイルスが原因の感染症で、メソポタミア、エジプトの古代から存在した疫病で致死率も四割以上と言われました。しかし、このワクチン(種痘)によって1980年頃には、この地球上から天然痘に感染する人がいなくなったのです。2,3000年以上人類に取りついて来た疫病を医学が根絶しました。

 

●流行が本格化
 ここ札幌では10月に入り、新型インフルエンザはすっかり流行期に突入してしまいました。小学生、中・高校生が主で保育園児にも流行がみられます。 成人や高齢者はいまのところ少ないのではないでしょうか。免疫(抗体)はないはずということなのなぜかは不明です。


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