歯科診療報酬改定答申概略 窮状打開には程遠い

投稿日時 2018-03-05 | カテゴリ: 私たちの主張

歯科診療報酬改定答申概略 窮状打開には程遠い

 歯科診療報酬本体の改定率はプラスであったが、歯科の答申をみても、歯科医院経営の厳しい現状を打開し、抜本的に改善するためには程遠い内容と言わざるを得ない。前号での医科の診療報酬改定答申の概略に続き、本号では歯科部分の概略を述べる。

 今改定の詳細な内容は、今後の告示や通知を待たなければ分からないが、現時点での主な特徴を記載する。

 地域包括ケアシステムの構築を推進

  かかりつけ歯科医機能の評価として、か強診の施設基準の見直しで「う蝕や歯周病の重症化予防に関する継続的な管理実績」「歯科訪問診療実績について、かかりつけ歯科医と歯科支援診との連携実績を選択可能な要件の一つとして」「地域連携に関する会議等への参加実績」を要件に追加し、関連要件の見直しが行われた。また医科歯科連携を推進する観点から、慢性疾患を有する患者について治療を行う上で必要な検査値や処方内容等の診療情報を歯科医療機関と医科医療機関との間で共有した場合の評価として診療情報連携共有料が新設された。 質の高い在宅医療の確保では歯科訪問診療料の引き上げ、歯科衛生士を帯同して訪問診療を行った場合の評価の充実が行われた。

  安心・安全で納得のできる質の高い医療

  歯科外来診療において、日常的に唾液や血液に触れる環境下で多くの器具器材を用いて診療を行っているという特徴をふま安心・安全で納得のできる質の高い医療え、歯科医療機関における院内感染防止対策を推進するため、歯科初診料及び歯科再診料の引き上げを行うとともに施設基準が新設された。さらにライフステージに応じた口腔機能管理の推進として、歯管の加算に口腔機能の発達不全を有する小児には小児口腔機能管理料加算、老化等に伴い口腔機能の低下を来している高齢者には口腔機能管理加算が新設された。 新規医療技術の保険導入では、口腔機能評価に関する検査として、咀嚼能力検査等三項目が新設された。 また先進医療からの保険導入としては金属代替材料としてグラスファイバーで補強された高強度のコンポジットレジンを用いた3ユニットブリッジ治療を評価し高強度硬質レジンブリッジが適応となった。

 その他の個別改定項目

 床副子に関する技術の見直しが行われ、口腔内装置1、2、3、睡眠時無呼吸症候群に対する口腔内装置、舌接触補助床、術後即時顎補綴装置と分類が新たに変更された。が新たに変更された。 歯冠修復、欠損補綴においては、充填の準用で行われていたレジンインレー修復が非金属歯冠修復としてレジンインレー、硬質レジンジャケット冠として再編された。またポンティックについては金属裏装ポンティックが廃止となり、新たにレジン前装ポンティックが前歯、小臼歯、大臼歯に分類された。 さらに以前より問題となっていた特定薬剤料と麻酔薬剤の算定方法( 40 円ルール)が見直しされ、他の薬剤料と同じ算定方法となった。

 現時点での問題点

 改定率が、医院経営の改善には程遠い低さであることは言うまでもない。個別の問題として今改定では、継続的管理の実施実績とともに、歯援診や医科、他業種との連携の実績を施設基準に導入し、地域包括ケアシステムへの積極的な参加を要件に盛り込む等施設基準の強化が行われ、いわゆるはしご外しが行われる可能性がある。院内感染防止対策が盛り込まれたことは評価したいが、初・再診料に包括という形での、低評価で、施設基準を伴い導入されたことは問題である。施設基準未届出の医療機関は基本診療料が減算となるが、 患者のニーズに応えるために、すべての歯科医療機関が実効ある感染防止対策が行えるようにすべきであり、減算すべきではない。






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