薬剤費高騰をもたらすTPP批准を断固阻止

投稿日時 2016-12-05 | カテゴリ: 私たちの主張

薬剤費高騰をもたらすTPP批准を断固阻止


 環太平洋連携協定(TPP)の批准・発効に向けた動きが本格化している。本協定は法律的観点からも問題点が多く、基本的人権や生存権など国民の権利が侵害される恐れが指摘されている。我が国の医療制度への影響について、政府は国会審議などでしっかり説明する責務がある。

 厚生労働省が公表した2015年度の概算医療費は41・5兆円、対前年度比は+3・8%であり、薬剤料(院外処方のみ)の寄与が1・5%と推計された。診療種目別でも薬剤料が11・3%の高い伸びを示し、医療機関の費用構造での医薬品比率も上昇している。日本医師会は「医療費に占める薬剤料の比率が上昇する一方、限りある財源の中で人件費の割合が縮小している」と危機感を表明している。

 そもそも総薬剤費の半分を占める新薬の薬価決定は極めて不透明である。新薬の薬価は厚労省の薬価算定組織が決定しているが、公文書としての議事録もなく、厚労大臣でさえ決定過程の検証ができないとされる。新薬の薬価算定は、類似薬がない場合は「原価計算方式」、ある場合は「類似薬効比較方式」が採用される。新規性がある場合には多種の加算が行われ、その中の有用性加算の場合、その評価判断により5〜60%の幅があり、メーカーの介入や担当者の裁量で決まる構図とされ、日本の高薬価の一因とされる。

 この薬価に更なる影響を与える問題として、TPPでの特許権を強化する知的財産権の条項がある。巨大製薬会社が保険適応や薬価決定プロセスに影響力を強め、高薬価を独占的に維持し、保険財政を圧迫し皆保険制度の維持を困難にする恐れがある。多国籍企業の利潤確保を最優先するアメリカ基準が国民生活に持ち込まれた時、我々の生活に及ぼす影響は計り知れない。

 日本の皆保険制度は誰もが低価格で高品質な医療サービスを享受でき、国民の安全や安心を支え、日本の経済成長の源泉であった。本会は、薬剤費の高騰や医療制度に悪影響を及ぼすTPPの批准に断固反対する。






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