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私たちの主張
私たちの主張 : 費用対効果評価の試行的導入に向けて

費用対効果評価の思考的導入に向けて

 厚労省は 10 月4日、第362回総会を開催した。総会では、費用対効果評価の試行的導入にあたり、費用対効果評価専門部会での検討状況を踏まえながら、費用対効果評価専門部会、薬価専門部会及び保険医療材料専門部会を合同で開催し、価格調整方法について検討を開始した。

 費用対効果評価専門部会

 費用対効果評価の試行的導入に向けた「総合的評価」(アプレイザル)に係わる5項目の論点を提起した。⑴価格調整を見据えた評価結果の示し方では、各品目の複数の分析結果(ICER)及び倫理的・社会的考慮要素に基づく、連続的な価格調整を行うこと⑵基準値の設定では「1QALY獲得のために支払う金額調査結果」や具体的な評価基準が公開されている国のうち、日本と生活水準が近い英国の評価基準を参考に設定し、それらを活用した価格調整の具体的な方法については、薬価専門部会等の合同部会で検討する⑶ICERが得られる場合の対応では、複数の適応疾患等を持つこと等により、複数のICERが得られる場合の対応は、それらを使用患者割合等で加重平均し総合的評価に用いる⑷ICER算出不可品目の評価方法では「効果増大、費用削減」または「効果同等、費用削減」の旨や、当該品目の費用対効果評価に使用した比較対象品目(技術)との比較方法、比較結果等を記載する⑸倫理的、社会的考慮要素では、ヾ鏡症対策といった公衆衛生観点での有用性公的医療の立場からの分析には含まれない追加費用(中医協における費用対効果評価ガイドラインで認められたものに限る)重篤な疾患でQOLは大きく改善しないが生存期間が延長する治療、希少難病等ぢ綢惻N鼎十分に存在しない治療とする。

三部会合同部会

  費用対効果評価専門部会での論点提起について、評価結果が薬価(材料価格)に影響する範囲を「薬価・保健医療材料価格の全体」か「加算分のみ」とするかで意見が対立した。

 支払側の幸野委員は「改定毎に薬価(材料価格)が変動する中、加算分とそれ以外を分けることは不可能」と指摘、その上で「評価結果は、薬価(材料価格)全体に補正を掛けるべき」と主張し、診療側の今村委員も賛同した。

 対して、業界代表の加茂谷専門委員は、現行の薬価算定のルールとの整合性を強調「評価は加算の範囲内にとどめるべき」と主張した。

医療業界からの意見聴取

 医薬品業界及び医療機器業界から費用対効果評価に対する意見陳述があった。

 ・費用対効果評価に係わる検討は、試行対象企業に大きな負担がかかっていることを考慮し、我が国の薬価基準制度との整合性を踏まえた、慎重かつ丁寧な議論が必要・費用対効果評価は、薬価基準制度における新薬の価値評価のあくまで補足的な手法として限定的に位置づけられるべき

 ・アプレイザルについては、他国に同様の例がないICERによる評価基準の設定について慎重に検討を行うとともに、倫理的・社会的影響等に関する観点からの評価も十分に反映すべき

 ・薬価の調整範囲は、薬価算定における加算率の補整に限局すべきであり、加算前の価格を下回る調整については、断じて容認できない

 診療側の万代委員は、医薬品の価値評価の定義がない上、価値評価として様々な意味が含まれる中で費用対効果評価を考えるのであれば、加算率の補整に限局することに納得し難い。全体として費用対効果評価を考えていくべきと述べた。

その他の検討課題

 費用対効果評価の結果を償還の可否の判断に用いることについて、仮に償還しないとする場合、薬事承認されたものを保険適用とするという従来の原則を根本的に変えることになるが、その合意はまだ得られておらず、国民の目から見て医薬品等にアクセスの制限が加わるということは受け入れ難いのではないか。これまで、原則として有効性・安全性等が確立した医療は給付の対象とされてきたことを踏まえ、費用対効果評価の結果は、原則として保険償還の可否の判断には用いず、価格調整に用いる位置づけとすることとしてはどうか等の指摘がなされた。

 ノバルティスが、薬が効いた患者にのみ支払いを求める成功報酬型の薬を日本で販売できるように働きかけることを検討しているとの報道もあり、今後も注視していかなければならない。


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