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私たちの主張 : 中医協で歯科の議論スタート

次期診療報酬改定 中医協で歯科の議論スタート 


 中医協は5月31日に総会を開き、平成30年度診療報酬改定に向けて歯科の議論を本格的に開始した。「歯科医療(その1)」が示され、歯科医療を取り巻く状況等の概況や地域包括ケアシステム構築の進捗状況︑口腔疾患の重症化予防への対応について、厚労省から報告があった。
  
 平成27年の中医協では7月22日に「歯科医療(その1)」が示されたのに比べ約2か月早い提示である。歯科医療を取り巻く現状を厚労省が説明し|楼菠餝腑吋▲轡好謄爐旅獣曚鮨篆覆垢襪Δ┐如△かりつけ歯科医機能やチーム医療の推進等の観点から医科歯科連携についてどのように考えるか患者にとって安全で安心でき、より質の高い適切な歯科医療を提供できるよう、口腔機能の評価・管理や、口腔疾患の重症化予防や生活の質に配慮した歯科医療の提供等について、どのように考えるかを論点案として提示した。
 
歯科医療を取り巻く状況


 歯科診療所の推計患者数について、ここ約10年間は増加傾向にあり、年齢階級別にみると特に75歳以上の患者の増加が著しいこと、歯科外来受療率は、学齢期以降で年齢の上昇に伴って受療率が上昇していくが、高齢者になると受療率が減少すること等が説明された。


 小児の1人平均う蝕歯数は減少傾向にある一方で、高齢者の現在歯数は増加傾向にあると説明。歯科診療医療費の動向では、14歳未満と65歳以上で増加し、全体として微増傾向で、1日当たりの点数は増加するも、レセプト1件当たりの点数は減少しているとした。
 
地域包括ケアシステム構築の推進


 平成28年度改定で導入した「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所」(か強診)は、今年4月時点で7031施設となり、歯科診療所の約1割を占めた。医療機関(医科・歯科)との連携は、か強診で約9割、一般の歯科診療所では約7割、介護保険施設等や在宅医療等を行う医療機関等との連携では、か強診でともに約6割を占めたのに対し、一般の歯科診療所ではそれぞれ約2割、約3割であった。


 周術期口腔機能管理の状況は、平成27年と28年を比較すると、算定医療機関は全体的に増加傾向にあり、実施しているのは全体でみると約3割だが、病院併設の歯科を中心に算定されており、300床以上の病院では約半数で実施されていた。


 平成28年度改定で新設の歯科医師連携加算(栄養サポートチーム加算)は、同加算を算定している病院のうち約3割が算定していて、病床規模でみると500床以上で、算定施設の約半数、算定回数では4割弱が算定していた。

口腔疾患の重症化予防、口腔機能低下への対応


 小児の口腔機能管理について、子供の食の問題は成長とともに解決するものと、専門家の介入が必要なものがあり、歯科医療関係者による適切な評価・対応が必要な場合があると指摘した。また、70歳以上の高齢者の口腔機能について、約4割が何らかの問題を感じているとした。

要介護高齢者における歯科的対応の必要性

 参考として示された「地域の要介護高齢者に対する悉皆研究調査」結果は「A県O町圏域の要介護高齢者416名(悉皆)に対する調査結果。義歯治療、抜歯、う蝕治療、歯周病の治療が必要な者の割合は、それぞれ、54.8、43.5、18.5、32.0%であった」とし「要介護高齢者の約7割が何らかの歯科治療を必要としていた。また、そのうち早急な対応が必要と判断された者は52名(12.5%)であった」。このことは保団連の要介護高齢者の口腔内状況調査結果とも符合し、潜在的歯科治療の需要の高さを示すものといえる。 この間厚労省から示され続けている「歯科治療の需要の将来予想(イメージ)」が実態を踏まえた想像図でないことは明らかである。
  

かかりつけ歯科医機能の評価

 平成28年度改定で導入した「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所」(か強診)については、今年4月時点で7031施設となり、歯科診療所の約10%である。エナメル質初期う蝕管理の算定回数は、「か強診」のみ算定可能な「エナメル質初期う蝕管理加算」の方が多いが、歯周病安定期治療については、すべての歯科医療機関が算定可能な歯周病安定期治療(機砲諒が多いことが示された (図1 )。


 また、今年秋頃の取りまとめを目指して、かかりつけ歯科医機能の評価に係るイメージ等の整理を進めること、か強診以外の歯科診療所と比較して、か強診では他医療機関及び介護施設等との連携が実施されていること等が報告された。


 しかしこれらの報告に対して、支払側から、「改定では、この間の歯科医療の取り組みの成果を踏まえて、歯周疾患の重症化予防、多職種との連携、高齢者医療の評価に重点を置くべきで『かかりつけ歯科医』のイメージの明確化ではなく、重点を医療連携において高齢者への対応を推進するのが喫緊の課題ではないか」「今更ながら『かかりつけ歯科医』のイメージを議論するのは、後付けの議論だ。評価が先で、イメージを後で議論するのは順番がおかしい」「患者が率先してか強診を選択したと思わせる資料提供がされているが、実際はたまたま通院している歯科診療所がか強診だったという感想を持っている。こうした医療機関の差別化が必要かは疑問だ。慎重に対応すべき」「か強診のうち約6割強が連携しているとの調査結果が示されているが、反対に約3割のか強診では連携できていないこと、先の連携しているか強診のうちでも地域ケア会議等への参加割合は約4割弱と、まだまだ不十分。例えば、介護施設等との連携を要件化する等の検討が必要ではないか」など、「か強診」に対する疑問が再燃する格好となった。

周術期口腔機能管理等の医科歯科連携推進

 周術期口腔機能管理の算定回数は増加しているが、その施設別の内訳をみると病院併設歯科が大部分であった (表) 。 

 

 また、都道府県別の周術期口腔機能管理計画策定料の算定状況は、保険医療機関数に対する算定医療機関数の割合が約1%〜10%と地域差がみられ、広島県が約10%と最高であった。平成27年と平成28年を比較すると、算定医療機関は全体的に増加傾向にある。


 医師と歯科医師の連携状況について、全体では「院内又は院外の歯科医師と連携して周術期口腔機能管理に関する情報提供を行っている」医師の割合は約30%であるが、病床数が多いほど周術期口腔機能管理に関する連携を行っている割合は高くなっている (図2) 。


 栄養サポートチームにおける歯科医師の参加状況では、歯科医師が栄養サポートチームに参加している施設は、病院内の歯科医師が参加している場合と院外の地域の歯科診療所の歯科医師が参加している場合をあわせて、全体で約20%であった。病床規模別にみると、病床数が多いほど栄養サポートチームに歯科医師が参加している割合が高かった。これについては、「栄養サポートチーム等が大病院で進んでいるが、中小規模の病院で進んでいないのは、病院歯科が自院にないからだ。外部の歯科診療所の参加についても、歯科診療所側に連携時の点数評価の整備が進んでいないことも課題。嚥下では、内科・神経科、歯科の連携が必要で、こうした認識の共有も必要。こうした地道な取り組みに光が当たってもいいのではないか」との発言があった。

その他の医科歯科連携


 歯周病と糖尿病の関連では、糖尿病診療ガイドライン2016(日本糖尿病学会)と糖尿病患者に対する歯周治療ガイドライン改訂2版(日本歯周病学会)の内容を示したうえで、糖尿病性腎症重症化予防プログラム(平成28年4月20日)の医科歯科連携の部分で、必要に応じてかかりつけ医と専門医の連携、医科歯科連携ができる体制をとること、臨床における検査値(血圧、血糖、腎機能等)を把握するに当たっては、糖尿病連携手帳等を活用し、本人ならびに連携機関と情報を共有できるようにすることが望ましいとした。


 骨吸収抑制薬関連顎骨壊死の病態と管理については、顎骨壊死検討委員会ポジションペーパー2016の歯科治療を行う上での注意では、骨吸収抑制薬の投与予定患者は投与前に口腔内衛生状態を改善、骨吸収抑制薬治療中は歯科医師による定期的な口腔内診査、骨吸収抑制薬投与中の侵襲的歯科治療に際しては、徹底した感染源の除去と感染予防、計画に基づいた治療、侵襲は最小限を示し、骨吸収抑制薬関連顎骨壊死は医科と歯科にまたがる疾患であり、医師と歯科医師の緊密な連携で予防、治療するチーム医療体制の構築、整備が望まれるとした。平成30年度改定は、医科歯科連携がポイントになると思われる。


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