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私たちの主張 : なりふり構わぬ給付抑制 介護保険法改正案

なりふり構わぬ給付抑制

介護保険法改正案

 

 介護保険関連法等一部改正案(正式名称;地域包括ケアシステムの強化のための介護保険等の一部を改正する法律)が4月18日、衆院本会議で可決された。15年8月からの2割負担導入による介護サービスの利用抑制に関する十分な影響調査もされないまま、来年8月から3割負担が導入される。安倍政権は将来的な利用者負担の拡大を否定しておらず、国民不在の制度改悪による社会保障の後退はこれ以上許されない。

 

1 保険者機能の強化
 厚労省は現在、地域間比較を行うことのできる「地域包括ケア」見える化システムを展開している。全市町村が保険者機能を発揮しやすくなるよう、自立支援・重度化防止に向け取り組む仕組みを制度化する。 
 まず市町村に介護給付費や要介護認定等に関するデータ提供を義務付ける。国は市町村から提供されるデータを集計・分析し、地域間比較が行いやすいように加工する。
 市町村は国から提供されたデータに基づき地域の課題を分析し、介護保険事業計画を策定する。計画には介護予防・重度化防止等の取組と目標を記載する、市町村はリハビリ職と連携して効果的な介護予防を実施するとともに、「要介護状態の維持・改善の度合い」などのアウトカム指標と「地域ケア会議の開催状況」などのプロセス指標の組み合わせによる実績評価を行う。
 国は結果を集約して評価・公表するとともに交付金などの財政的インセンティブを付与する。指標とインセンティブ付与の詳細は平成30年度の予算編成過程で検討される。

2 「介護医療院」の創設
 介護療養病床等の受け皿となる新たな介護保険施設として「介護医療院」を創設する。「日常的な医学管理が必要な重介護者の受け入れ」「看取り・ターミナル」などの機能を受け継ぎ、また「生活施設」としての機能を兼ね備えており、長期療養のために医療と介護を一体的に提供する。
介護保険法上の介護保険施設だが、医療法上は病院ではなく、介護老人保健施設と同様に医療提供施設として位置付けされる。管理者は都道府県の承認を受けた医師。病院または診療所から転換した場合は転換前の名称を継続して使用できる。

 具体的な介護報酬・基準・転換支援策は、社会保障審議会介護給付費分科会等で検討する予定である。なお介護療養病床の経過措置も6年間延長され35年度末までとなる(表1)。(医療療養病床は未定)
 
3 地域共生型サービスの導入
 高齢者と障害児・者が同一の事業所でサービスを受けやすくするため、介護保険と障害福祉制度に加え新たに「共生型サービス」を位置づける。介護保険法、社会福祉法、障害者支援法、児童福祉法を改正し、障害福祉サービス事業所や介護保険事業所がそれぞれ別の制度の指定を受けやすくする特例を設ける。対象サービスとしては、ホームヘルプやデイサービス、ショートステイが想定されている。
 これに対して、障害者団体は「複合的なニーズに安上がりな人員体制で対応するもの」との危惧を示し、兼務に伴う過重労働が憂慮されるとしている。
 
4 利用者負担3割の導入
 介護保険の自己負担2割の人のうち、特に収入が高い層の負担が3割になる。導入は平成30年8月の予定。具体的な基準は政令事項であるが、医療保険の「現役並み所得者」の基準を踏襲する。
 対象は 峭膩彌蠧清盂曄糞詬深入や事業収入等から給与所得控除や必要経費を控除した額)が220万円以上」、かつ◆崘金収入及び年金収入以外の合計所得金額が単身世帯の場合で340万円以上、夫婦世帯の場合で463万円以上」が対象になる。対象者は3%に当たる12万人と推定されている(表2)。

 厚労省は、一昨年の2割負担導入前後で、1割と2割負担者間で受給者数の伸び率に「顕著な差はない」としている。しかし、2割負担になった約40万3000人のうち、40%以上がサービス利用を減らしており、また特養などの介護施設からの退所者は1600人以上と報告されており、現場の実態を軽視した厚労省の姿勢は看過できない。

5 介護納付金への総報酬割の導入
 現在、介護保険の2号保険者の保険料は、介護納付金として医療保険者に賦課している。現行制度では「加入者数に応じて負担(加入者割)」しているが、被用者保険では段階的に「報酬額に比例した負担(総報酬割)」となる。具体的には、平成29年8月分から2分の1、31年度から4分の3、32年度から全面的に導入される。負担増となる被保険者は約1300万人、一方負担減となる被保険者は1700万人(平成26年度実績ベース)。比較的報酬の高い共済組合や多くの健保組合は負担増になる見通しで、全体では320億円の負担増となる。
 また、特に負担増が大きい被用者保険者への財政支援が31年度末まで予定されている。なお、市町村国保や国保組合では加入者割を継続する。

6 その他
 ’知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)の基本的な考え方を介護保険法に位置付ける。地域包括支援センターの事業の自己評価と質の向上を図るよう義務付ける。市町村が居住サービス等の供給量を調節できるよう、指定拒否や条件付加の仕組みを導入する。ぐ質な事業を続ける有料老人ホームへの指導監督の仕組みを強化するため、事業停止命令措置を新設する。ゾ祿下垰抉膸楡濺を退所して介護保険施設等に入所した場合、市町村の給付費が過度に増えないよう、前施設に入所前の市町村を保険者にする、などが盛り込まれている。

 本法案は4月12日、衆院厚生労働委員会において、民進党が安倍首相への質疑で森友学園問題を取り上げたことに反発し、当初の予定を繰り上げて強行採決された。野党は3割負担の対象が拡大しないよう法律に明記することを求めたが、安倍首相は将来的な拡大を否定していない。
国会では、重要な法案が充分な審議がなされないまま、数の論理だけで決まる状況が続いている。本会は社会保障をめぐる諸問題を会員に周知するとともに、改善に向けた活動を強化していく。

 



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