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私たちの主張 : 遠隔診療の現状と議論の推移


     遠隔診療の現状と議論の推移         


 中医協総会は、先月8日に来年度の診療報酬改定に向けて外来医療についての議論をスタートさせた。外来医療についての大きな論点の一つが「遠隔診療」だ。遠隔診療の現状と、それを巡る議論の推移について概説する。

 



「遠隔診療」の現状
 診療は対面診療が基本とされているが、「患者の心身の状況に関する有用な情報が得られる場合は、対面診療の補完として遠隔診療を行うこと」は無診察診療を禁じた医師法第20条に直ちに抵触しないと解釈されている。厚労省は、離島・へき地などの場所、在宅酸素や難病、がんなどの9種類の患者の状態に該当した場合、遠隔診療ができると例示している。これらの場合は再診料等の診療報酬を算定できるが、初診料に関しては遠隔診療のみで診療を完結させることは医師法第20条に抵触するとの判断から算定することができない。

 それに対し、一昨年6月に閣議決定された「『日本再興戦略』改定2015」には、「初診であっても直接の対面診療を行うことが困難である場合についても、医師の判断により、遠隔診療が可能であることを明確化するため、速やかに通知を発出する」と明記され、議論が続いている。

 しかし、厚労省としては遠隔診療はあくまで補完的な役割であり、初診料は対象外という立場を崩していない。また、診療報酬上の評価のためには、対面診療に比べて医療サービスの質が上がるという科学的なデータが必要であるとしており、この点も今後の論点となる。


診療側と支払い側は対立
 政府は昨年末の未来投資会議において、今後の目指すべきあり方として、「AIを用いた最新のエビデンスや診療データの解析により、患者が最適な診療を受けられるシステムを構築すること」「AIやIoT等のICTを活用した診療支援や遠隔医療等を診療報酬の中に組み込むこと」を挙げた。そして、遠隔診療およびAIを用いた診療支援の来年度改定における対応を検討するとした。

 これを受け、先月8日の中医協総会で診療側の中川俊男委員は「遠隔診療、AIを用いた診療支援に対して、18年度診療報酬改定での対応を検討するという方向は拙速ではないか」と述べた。それに対し、支払側は「患者や医師などの負担軽減、医療費の節減になるのではないか」と意見は真っ向から対立した。さらに、中川委員は「通常の診療の場でICTの技術が活用されるのは当然だが、遠隔診療とICTを活用した診療は別に考えるべきだ」と主張した。


加速する遠隔診療を巡る議論

 規制改革会議の「健康・医療ワーキンググループ」の議論では、「遠隔診療にかかるコストは(中略)患者の利便性・快適性向上に寄与するものであり、保険外併用療養制度の範囲を拡大してコストを回収する考え方もあり得る」とし、閣議決定に盛り込まれた。また、厚労省は、遠隔診療について「在宅における療養指導・助言に加え、慢性疾患の重症化予防や健康指導・管理といった多様なサービス提供モデルが検討されている」と述べるなど、診療報酬上の評価の要件とされる「サービスの質」の向上につながるとの主張も出されてきている。

 次期改定に向けた遠隔診療を巡る議論は、混合診療拡大の動きを含め、今後急速に進む可能性がある。その中で、患者の利便性とニーズに真にかなうものか、保険医の医療提供体制へ悪影響がないのか等を検証しつつ今後の議論を注視していく必要がある。

 


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