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私たちの主張
私たちの主張 : 行政機関による指導・監査・適時調査とその特徴

   行政機関による指導・監査・適時調査とその特徴   


 医療機関に対しては、地方厚生局による個別指導をはじめ、各種の法令に基づいた行政指導や調査などが実施されている。これらは行政処分には該当しないが、調査等の結果により改善指導や診療報酬の自主返還等を求められるケースもある。本稿では、各々の指導や調査について種別ごとに特徴や調査内容等について解説する。

 


 


指導・監査の現状

 平成27年度の保険医療機関等の指導・監査の実施状況が発表された。個別指導は対前年比63件減の4403件、新規個別指導は23件減の6495件、適時調査は215件増2562件であり監査は3件増の90件であった。

 本道の医科と歯科の実施は、平成26年度の個別指導57件、新規個別指導59件、適時調査184件に対し、平成27年度はそれぞれ60件、80件、189件と増加している。全国的には指定取り消しは、医療機関、保険医ともに歯科は増加しているが、返還金は全体で8・8億円減の124億円となっている。

 レセプトのコンピューター審査や患者への医療費通知書などのほか、保険者・被保険者からの情報提供により、今後も指導・監査の件数増加が見込まれ、さらに医療費の適正化・削減目標などを目的に返還金の増加も危惧される。悪意の無いミスであっても指導・監査・調査等を受ける場合があり、これらを避けるためにもその仕組みを知ることが重要である。


健保法、国保法、高齢者医療確保法による指導
 保険医療機関(以下医療機関)は保険診療に関して、厚生労働大臣または都道府県知事の指導を受けなければならないとされており、不正または不当行為を前提とした「監査」とは異なる。本来の指導はすべての医療機関が対象であり行政処分ではないが、請求過分については自主返還(原則1年分、最大5年分)を求められる。

 指導の種類は、―乎鳥愼貝⊇乎津個別指導8鎚婿愼魁平卦指定個別指導、既指定医療機関個別指導)に分けられる。

 本道では、平成28年度より医科と歯科に若干の違いはあるが、ともに集団的個別指導の高点数により選定された医療機関に対する指導が行われている。集団および集団的個別指導に正当な理由なく欠席した場合は、個別指導の対象となるので注意が必要である。

 新規個別指導は新規指定から概ね1年を経過した医療機関を対象に実施される。指導対象となるレセプトは診療所10件程度、病院20件程度だが、その中で保険診療の適正を欠くものは診療報酬の返還対象となる。

 その他にも、保険者や審査機関、従業員、被保険者等から通報(いわゆる情報提供)があり、指導が必要と認められた医療機関に対しては、速やかに個別指導が実施される。

 新規個別指導を含む個別指導は、指導の数日前に指定された対象患者のカルテ、検査所見、レントゲン写真、その他の関係書類を持参し、提出済みのレセプト(おおよそ2カ月分)と突合しながら、「診療が医学的に妥当適切に行われているか」「診療報酬請求の根拠となる内容がカルテに記載されているか」「保険診療のルールに則った請求が行われているか」等を面接懇談方式で実施される。


その他の行政による指導、調査、検査

 健保法などによらない指導等は、■生活保護法指定医療機関に対するもの■届出医療に関する適時調査■医療法に基づく立入検査■介護保険の指導・監査■会計検査院検査に伴う調査などがある。


■生活保護法による指導
 生活保護指定医療機関は都道府県および政令市の指導を受けるが、その選定基準は、ー茲螳靴し鐃瑤泙燭鷲儔鷦診者の多い医療機関∧〇禹務所などからの連絡D拘入院患者が多い医療機関などである。さらに電子レセプトの分析を活用し請求全体に占める被保護者の割合が多い、被保護者のレセプト点数が他の被保険者より高点数であるなどが挙げられている。

 生活保護の医療扶助は他法優先の原則に基づき、自立支援医療での給付対象者は自立支援医療での請求が優先する。なお、健康保険にある保険外併用療養費は医療扶助には適用されない。


■届出医療に関する適時調査
 届出医療は、各医療機関において施設基準や人員要件を満たした上で届け出ることにより、算定可能となる診療報酬点数である。ゆえに、定例報告を行う必要があり、さらに届出要件を満たさなくなった場合は速やかに変更届、取り下げを行う必要がある。院内に入院は元より、外来においても届出を行った施設基準(小児科外来診察料、在宅療養支援診療所など)の項目、内容等の必要事項を掲示しなくてはならない。

 適時調査は、主に病院に対して届出内容に関して地方厚生局および都道府県が行うが、無床診療所も対象とする場合がある。原則年1回とされているが、現実的には数年に1回程度である。

 調査の内容は全般的事項から入院料(入院診療計画、院内感染防止対策、医療安全管理など)、看護要員(看護師数、勤務表、勤務時間など)、看護業務(病棟管理日誌、看護計画、外泊許可証、リネン庫、診療録管理体制など)、入院外(リハビリテーション、薬剤指導、入院時食事療養など)など多岐にわたる。

 本来、届出項目に対する調査であり、不備が有る場合は届出に対する指導および、それらに関する診療報酬の自主返還が求められる。また、カルテ等を閲覧されることにより後日、届出以外の内容に関して個別指導が行われることもある。


■医療法に基づく立入検査
 以前は、医療監視と呼ばれていた保健所による調査である。調査要綱は毎年6月に一部改正されるが、基本的には清潔保持、構造設備、カルテ記載、帳簿書類、資格外診療行為などが調査される。最近は、感染性廃棄物の処理やマニフェスト、放射線管理、医療安全管理対策(医療安全管理、院内感染対策、医薬品安全管理、医療機器安全管理)など指針の策定、研修などを実施することが求められる。


■介護保険の指導・監査

 介護保険の指導は講習会などによる「集団指導」と事業所で行う「実地指導」がある。

 実地指導は各自治体において効率的かつ効果的に実施するとされており、実地指導で不備が判明した場合は直ちに「監査」が行われる可能性もある。監査の結果により、勧告、命令、指定取り消しなどが行使され、行政上の強い権限を伴うものである。

 指導の内容は、運営規定、院内掲示、説明文書、同意書、利用料の徴収(医療と介護の区分経理と領収書の交付)、人員基準、設備基準などである。

 医療機関で行う介護保険での訪問看護、訪問リハビリなども実地指導の対象となりうるので、留意されたい。


■会計検査院の調査
 会計検査院の調査は、予算執行上の観点から予算、法律、政令に従って適正に処理されているか、経済性・効率性・有効性の観点から調査を行うものであり、直接医療機関に対するものではなく、地方厚生局や都道府県に行う調査である。

 北海道において、ここ数年は実施されていないが、会計検査院が指摘した医療機関は地方厚生局の個別指導の対象となり、会計検査院の指摘項目に留まらず通常の個別指導と同様に実施されるので注意が必要である。


◇ ◇ ◇


 以上、指導に関する概要を解説した。算定要件に従い通常の診療を行っていれば指導・調査などを恐れる必要はないが、最近の指導・監査の実施状況は確実に件数が増えている。多忙な診療業務に追われ、時としてカルテの記載漏れやレセプトチェック忘れ、電子カルテのコピー&ペースト、傾向的診療・検査、レセコンの画一的コメント等、見落としがちになる。日常的に留意事項を再確認することが必要である。

 最後に、個別指導や適時調査などの連絡があり、疑問点や不安等があれば本会に相談していただきたい。

 


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