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私たちの主張
私たちの主張 : 北海道地域医療構想 北海道の実情・地域特性に根ざした医療改革となるのか

北海道の実情・地域特性に根ざした医療改革となるのか―

   北海道地域医療構想                                                                


 道は平成28年9月15日『北海道地域医療構想』(素案)を発表し、パブリックコメントを募集した。「医療ニーズが変化し、『病院完結型』の医療から『地域完結型』の医療に変わっていく必要性を踏まえ、それぞれの地域において、『競争』よりも『協調』により話し合いを進め、その地域の実情に合った高度急性期、急性期、回復期、慢性期、在宅療養や介護等に至るまで、切れ目のないサービスが提供される体制の構築を目指す」と謳われている。 
 


患者・医療資源は一極集中
 構想区域は、広域だが人口が分散する北海道の特性もあり、第二次医療圏及び高齢者福祉圏域と同じ21区域とされた。

 現状では、二次医療圏どころか、高度で専門的な医療サービスを提供する単位の三次医療圏さえも飛び越しての患者の流出入が入院・外来ともに認められ、ハード・ソフトともに医療資源の札幌一極集中が明らかになっている(図)。




急性期病床の大幅削減
 2014年より病床機能報告制度が実施されており、各医療機関は病棟が担っている医療機能を自主的に選択し報告。2015年病床機能調査(許可病床数)では高度急性期7778床、急性期3万6806床、回復期5868床、慢性期2万6653床、その他合計で7万9585床、今回の推計では7万3190床と10年間で6000床強が削減される見込みとなる(表1)。


 現状との大きな違いは急性期と回復期病床数にある。急性期病床は「急性期の患者に対し、状態の早期安定化に向けて医療を提供する機能」とされ、厚労省の地域医療構想策定ガイドライン等に関する検討会では入院基本料を除いた診療報酬が3000点・600点・225点での区分や、診療報酬の特定入院料の算定状況等から基準を設ける検討がされている。 

 入口の急性期病床数を絞り込めば、受け皿となる回復期病床に対する医療需要は予測困難となり、入院料の単価も抑えられるため経営的な不安が危惧される。さらに、回復期リハビリ病棟や地域包括ケア病棟の施設基準は高く、慢性的な人員不足が解消されない中で、リハビリスタッフを増員し、施設設備を整えることは高いハードルとなってこよう。



療養病床患者の行く先は 
  
   国は、療養病床について、医療区分1の患者の70%を在宅移行させ、入院患者数の減少を目指すとしている。道は病床削減の受け皿として在宅医療の整備を進め、2013年の在宅医療(相当)患者5万4700人(表2注参照)を2025年には約8万9000人に拡げる構想だ(表2)。核家族化し、共働き家庭が増え、独居老人世帯が多い現状で、今後、在宅医療・介護を進めるには、訪問診療・看護・介護サービスの充実整備や介護施設の増設が求められる。
 

 現在、道内の在宅療養支援診療所は340件程度で、年々増加はしているものの、各医療圏においての在宅担当医の確保は厳しい事が予想される。民間介護サービス・施設は人員確保や収益の面から、過疎地域への進出に積極的に取り組めない。道は今までも医療・介護従事者の確保養成・離職防止・復職支援等を講じてきたが、今後更に具体的で有効な施策が求められる。先に病床削減ありきではなく、患者・住民を支える地域包括ケアシステムの構築が急務と言えよう。
 


今後の動き
 地域の関係者が現状や医療機関間の連携状況等を分析しつつ、個別医療機関の具体的役割や医療機関相互の役割分担・連携体制等について議論し、調整を行う。道は議論の場、データ等の提供、地域医療介護総合確保基金を活用した支援を行うこととなっている。一方、医療法改正等により、知事は地域医療構想の実現に向けて、病院・診療所の開設、増床、機能転換等の際に命令・要請等を行うことが可能とされている。

 構想の中では再三、「地域の実情に合った」というフレーズが繰り返されているが、今後の地域医療調整会議での議論の行方、道の施策に注視し、まさに地域からの声を上げていかなくてはならない。


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