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私たちの主張
私たちの主張 : 薬価算定制度の矛盾を検証する

皆保険制度を破壊するオプジーボ 
薬価算定制度の矛盾を検証する

 オプジーボの薬価は日本が桁違いに高い。高薬価薬が多数承認され、今や日本の薬価は世界一であり、国民皆保険制度は存亡の危機に瀕している。高薬価を生み出す薬価算定制度の構造的問題点を解説する。

 

世界一の高薬価薬オブジーボ
 米製薬企業はオプジーボ100mg / 10mlの薬価希望小売価格を公表した。日本の薬価比率は、英国の5倍と桁違いに高い。

 3ml/kg、体重60kg、2週に1回年間26回投与での日本における一人当たり年間薬剤費は3459万6874円に及ぶ。

オプジーボの現状
 オプジーボは「根治切除不能な悪性黒色腫」を適応とし、2014年9月薬価収載された。当初、対象患者を470人、ピーク時売り上げを31億円と想定し薬価が算定された。2015年12月、早くも「非小細胞肺がん」に適応が追加され、1年余りで対象者は数万人まで増加し、16年度予想売上は1,260億円に及ぶ。免疫チェックポイント阻害剤オプジーボは、 PD-1(human programmed death receptor-1)を blockする抗体(モノクローナル抗体)により抗がん作用を発揮する。今後あらゆるがんに適応拡大の可能性がある。

不透明な薬価算定過程
 新薬薬事審査は、製薬企業が厚生労働省所管独立行政法人PMDA(医薬品医療機器総合機構)に相談時から、PMDAと製薬企業とで折衝を重ねる。

 また、新薬の薬価算定は、厚労省の薬価算定組織が原案を検討し、中医協総会で了承を得るが、医療保険財政全体への影響と海外の薬価は考慮されない。薬価算定組織の議事録は作成されず非公開で、新薬価算定過程を検証できない。オプジーボの薬価算定時にPMDA担当者が薬価を決めたとの報道もあり、薬価収載の深刻な構造的問題が明らかになった。15年度PMDA予算の83・7%は製薬企業からの拠出金や手数料で賄われ、製薬企業に依存したPMDAの公平性を検証すべきだ。

是正すべき高薬価の仕組み 
 厚労省は収載時の高薬価を薬価改定で「適正薬価」に調整できず、最近10年間、国民医療費に占める医薬品の伸び率は医科診療を上まわり、12年は24・6%、現在は30%と急速な伸びを示し、薬剤費は世界2位、薬価は1位である。

 92年に「建値制度」が導入され、製薬企業から医薬品卸へ提示された仕切価格で医薬品を仕入れ、卸の利益を加え医療機関に納入する。製薬企業は卸売業者に仕切価格を定め、薬価改定告示直後に卸業者に通知する。製薬企業が医療機関納入価を実質的に決めている。「建値制度」が高薬価構造を創り出している。

 革新的新薬の創出を目的とする「新薬創出等加算」により、後発品が上市されるまで薬価改定の対象から除外される。対象新薬の市場実勢価保持が要件とされるが、革新的新薬創出とは無関係であり、対象品は総薬剤費の34%を占め高薬価を助長する。

 日本は「適正薬価」調整が機能せず、高薬価薬が急増している。また、医薬品・医療機器の総額を直接把握できる統計はなく、早急に改善すべきだ。

米国・英国の薬価
 高薬価の米国でも、ハーボニー(C型肝炎治療薬)は大幅に値引きされる。開発企業と保険給付管理会社との交渉で平均46%値引きされ、市場価格は需要と供給の均衡点で決定される。英国の保険償還価格は、希望小売価格から半額にまで下がる。

結び
 オプジーボの薬価は日本が世界一だ。高薬価の原因である「建値制度」や「新薬創出等加算」を早急に是正し効能追加時には市場拡大再算定の対象とし、薬価を緊急に引下げるべきだ。外国平均価格調整や類似薬効方式を再検討し「適正薬価」導入が可能な薬価算定制度が必要。高薬価是正と保険財源を確保すべきだ。

 



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