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医療運動 > 北海道保険医会の運動 > 4.声明等の発表
4.声明等の発表 : [医療運動] 管理栄養士配置義務化に関する緊急アンケート調査結果

管理栄養士配置義務化に関する緊急アンケート調査結果

有床診 7割超が「配置なし」

そのうち9割が雇用の目途立たず

 昨年4月の診療報酬改定において、入院基本料、特定入院料の施設基準に管理栄養士の配置が義務化された。本会では、改定から約半年を過ぎた昨年11月、道内の入院施設を持つ病院及び有床診療所に対して、管理栄養士配置の進捗状況及び今後の見通し等についてアンケート調査を実施。特に有床診療所においては人材確保、経済負担など、義務化に伴う厳しい現状が明らかになった。

 昨年4月以降、常勤の管理栄養士(有床診療所は非常勤も可)の配置が無い場合、原則として入院料算定が出来なくなった。緩和措置として2年間の経過措置が設けられたが、医療現場からは実態を無視した改悪との批判が強く上がっている。

 今回のアンケート調査は昨年11月19日〜30日、北海道内の有床診療所468件と病院576件の計1044件を対象に実施。回答数は有床診療所が186件(回収率39・7%)、病院は297件(同51・6%)で計483件の回答を得た。

■ アンケート結果

■ 寄せられた意見

■ 要請書

 


 

【有床診療所】

(1)管理栄養士の「配置なし」は7割超

 配置状況では「常勤が2名以上」2・7%、「常勤が1名」11・8%「非常勤のみ」13・4%で、配置済みは全体の27・9%しか進んでおらず、「配置なし」は72・0%に上った。さらに「配置なし」を札幌市内・市外で分けてみると、市内では63・6%であるのに対し、市外75・0%と10%以上の開きが見られた。管理栄養士の地域偏在を示す結果といえる。

(2)9割の有床診療所で確保の見通し立たず

 「配置なし」の施設で、経過措置の2年間で管理栄養士の雇用確保が「可能と思う」はわずか7・5%に過ぎず、「不可能と思う」51・5%、「わからない」38・1%と、9割の施設では雇用確保の見通しが立っていない状態である。「不可能と思う」を札幌市内・市外で見た場合、市内の37・1%に対し、市外は56・3%と顕著な差が生じていた。

(3)補充期間も3カ月では困難が6割

 管理栄養士が離職、長期欠勤等をした場合、後任の配置を3カ月以内に行わなければならないが、「十分対応可能と思う」は3・8%で、「短すぎで対応困難」59・1%、「わからない」31・7%と、配置後の雇用の維持に関する不安も感じられる。

(4)有床診療所での配置「必要なし」は約半数

 入院医療を提供する上で管理栄養士が必要かとの問いには、「必要」7・0%、「患者によっては必要」34・9%で、「必要と思わない」49・5%、「わからない」5・9%という結果となった。「必要と思わない」は約半数を占め、特に眼科や産婦人科など短期入院が主の診療科や、高度な栄養管理が不要な患者が多い診療科での回答が多かった。

(5)将来的に「無床化」視野にした対応が4割に

 平成26年4月からの義務化の完全実施に向けた対応としては、「既に雇用しており問題ない」22・6%、「期限までに雇用を確保する」32・8%に対し、「雇用の努力をするが出来なければ無床化」23・1%、「雇用の予定なく無床化」15・1%、「診療所自体を閉鎖」0・5%と、将来の「無床化」を視野に入れた対応を検討する診療所が4割弱に上っていることが明らかになった。

 これらの施設の許可病床数の合計は1055床にも上る。平成24年11月1日の実際の入院患者数でみても470人であった。

 地域別にみると札幌市内が25・5%に止まるのに対し、市外43・2%とやはり大きな格差が見られた。人材確保や経済的負担の要因で入院医療を断念する診療所が増加することが見込まれる結果となったが、地方での影響がより大きくなることが予想される。

 


 

【病 院】

(1)94%の施設で常勤配置の対応

 病院の場合、従前の「栄養管理実施加算」の届出割合が9割を超えていたため、常勤配置は合わせて94・0%と、ほとんどの施設で既に配置済みとなっていた。雇用数の内訳では「常勤2名以上」が33・7%と全体の3分の1、「常勤1名」が60・3%で過半数を占めた。

 「配置なし」も5%(15件)ほどあったが、1件のみが札幌市内で、残りの14件は市外であり、有床診療所と同様に札幌市外での人材確保の困難さが浮き彫りになった。

(2)半数以上は雇用確保が「可能と思う」

 「配置なし」の施設で、経過措置の2年間で管理栄養士の雇用確保が「可能」は53・3%と半数以上に上った一方、「不可能」「わからない」が併せて7件と未だ目途が立たない病院も若干見られる。

(3)再雇用の確保に7割が不安

 3カ月以内の後任の雇用については、「充分可能と思う」は21・2%に対し、「短すぎて対応困難」44・1%、「わからない」30・3%と7割が再雇用への対応につき不安を示す結果となった。「常勤1名」が6割という結果が示す通り、余裕をもった人員配置を行っている病院は少なく、今後、管理栄養士の就業率が上がることを考えると、再雇用の見通しは厳しく見ざるを得ないと考えられる。

(4)病院では栄養士の必要性を重視

 入院医療を提供する上で管理栄養士が「必要と思う」46・8%、「患者によっては必要と思う」37・7%と、必要性を認める回答が8割以上となり、有床診療所との意識の差が明確となった。病院では多職種による分業・専門化が図られるとともに、入院患者の重症度や栄養管理の必要度などの違いも格差の違いを生じた要因と考えられる。

(5)「既に雇用」92・7%

 「既に雇用しており問題ない」が92・7%と完全実施に向けた対応が不要とする施設がほとんどであった。ただ、雇用している管理栄養士がいても産休や育休など将来的なリスクへの対応として、さらに人員を確保したいと回答する施設も見られた。

 


 

【まとめ】

次回改定までに義務化撤回の実現を

 今回の調査では、管理栄養士の配置状況や必要性に対する意識が病院と有床診療所で大きく違うこと、札幌圏と圏外での雇用環境でも大きな格差があることが分かった。

 病院では病院内の管理栄養士が中心的役割を担い栄養管理業務を行っているのに対し、有床診療所では医師や看護師などの医療スタッフ、また、必要に応じ給食の外注業者の管理栄養士などと連携しながら栄養管理体制を講じるなど、各々の施設規模に応じた体制を整備しているのが現状で、両者を同様の基準で規定するのは現状を無視したものといえる。特に、有床診療所では眼科や産婦人科など、常態として入院患者のいない診療科や、短期入院など栄養管理の必要性の少ない患者が多い場合も一律に管理栄養士の配置を求めることは、過重な人員的、経済的負担を強いることとなる。

 管理栄養士を雇い入れるにしても、特に地方では管理栄養士の就業率が都市部に比べ高く、余剰人員が少ないため人材確保が厳しいと言われている。配置を断念し入院施設の廃止を余儀なくされる診療所が出てくれば、地域医療そのものに深刻なダメージを与えかねない。さらに、現在雇用している栄養士を解雇し管理栄養士を雇わなければならないという意見もあり、労働問題に波及する可能性も指摘される。

 本会では、こうした問題点を踏まえ、少なくとも小規模病院や有床診療所における配置義務化の撤回を求めた要望書を政府に提出するとともに、関係団体などと連携し撤回に向けた活動を強く進めていく予定である。


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