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平成28年度活動報告

はじめに 


 「デフレ脱却」「実質成長2%」などを掲げたアベノミクスは失速の一途を辿り、経済最優先を強調する安倍政権は国民の信頼を失っている。三本の矢に続き新三本の矢など次々放つ経済政策は一向に効果を上げられないばかりか、経済格差、雇用不安が広がり、「子どもの貧困」「高齢者の切り捨て」は今や社会問題化している。異次元の規制緩和としてマイナス金利を導入するも、実体経済には何の影響も与えられず、徒に預金者の生活不安を煽り、金融業界を混乱させた。今、現政権に求められているのは、社会保障を始め、教育、雇用、災害復興など国民生活を最優先した政策へと転換し、国民本位の政治を指向することである。 


 平成28年4月に行われた診療報酬改定では、診療報酬本体では0.49%のプラス改定と公称されたが、削減割合を明示しない「外枠」項目を増やした実質1.44%のマイナス改定となった。今回の改定は「経済財政運営と改革の基本方針2015」(骨太方針)に基づく社会保障予算削減計画に沿ったもので、首相官邸や財務省の主張・提言がより強固に反映される体制へと着実に向っている。今次改定の特徴として「入院患者の追い出し」、「リハビリテーションの制限」、「在宅医療の複雑化」など、高齢者や慢性期患者の療養の範囲を縮小させる改定に重点が置かれた。平成30年度の介護報酬との同時改定では、給付の効率化、負担の公平化の名のもと、さらなるマイナス改定も予想される。患者の生命・健康を守り、医療機関の経営安定を図るためにも、診療報酬・介護報酬改善に向けた取り組みを一層強化していくことが重要となる。 


 アメリカではオバマ大統領に代わり共和党のトランプ氏が新大統領に就任した。前例のない低支持率のもと、世界に経済、外交面でどのような影響を与えるのか注目される。早速、TPP協定の離脱に着手したものの、日本とのFTA締結の可能性も取りざたされており予断を許さない。


  このように、政府による社会保障の抑制、医療・介護の縮小政策を着々と進めてきている中、本会は地域医療の第一線を担う立場から、会員の協力のもと医療改善に向けた諸活動に積極的に取り組んできた。引き続き、社会保障制度の充実に向け国民的運動へと発展させていくことが重要である。


 1.医療を取り巻く情勢と課題


 政府は骨太の方針2016の中で、平成27年に閣議決定された「経済・財政再生計画」に沿い経済・財政一体改革を引き続き推進するとの決意を示している。社会保障分野においては、「世界に冠たる国民皆保険・皆年金を維持し、これを次世代に引き渡すことを目指す」としながら、具体的に示された施策は、「医療・介護提供体制の適正化」「インセンティブ改革」「公的サービスの産業化」「負担能力に応じた公平な負担、給付の適正化」「薬価・調剤等の診療報酬及び医薬品等に係る改革」などで、医療保険を縮小させる意図しか見えてこない。公的給付の一層の削減と患者負担の増大、さらには公的サービスも可能なものから市場化を進める方針で、我が国の社会保障を大きく後退させることは必至である。景気動向のみに目を奪われ、セーフティネットとなる社会保障を置き去りにする政策方針に歯止めをかけなければならない。


  平成28年12月、政府はTPPの承認案と関連法案を可決、成立させた。アメリカではTPPからの離脱を表明したトランプ氏が次期大統領選で勝利したにも関わらず、発効の見通しも立たないまま、会期内の承認に固執した国会運営に国民は違和感と不信感を抱いた。本会ではTPPが医療にもたらす問題点を機関紙等で解説するとともに、平成28年10月には、「何が起こる?TPPと医療の関係」をメインテーマに、2016医療フォーラムを開催した。特別講演では京都橘大学の高山一夫教授を招き、「医療分野におけるTPP協定の影響」の演題で医療や国民生活に与える影響について、会員及び道民へ広く伝えた。トランプ新大統領の誕生によりTPP発効の実現性は消えつつあるが、改めてアメリカとの二国間自由貿易協定の交渉を要求される可能性が浮上している。自由貿易協定が医療分野にも及べば、保険診療の自由市場化を求められ、国民皆保険の崩壊を招きかねない。今後も厳しく注視していく必要がある。


  (1)度重なる震災からの復旧、復興に向けて


 東日本大震災から6年を経過したものの、東京電力福島原発の事後処理及び廃炉への道筋は難航を極め、いまだ11万9千人(平成29年3月現在)の被災者が不自由な避難生活を余儀なくされている。避難先でも「原発避難いじめ」といった被災者差別の問題が深刻化し、被災児童や保護者が受ける精神的苦痛は計り知れない。こうした中、平成28年4月14日、九州でも熊本県を中心に最大震度7の大地震が発生した。震災による死者は157人、負傷者は2,300人を超える甚大な被害をもたらした。被災地では医療機関にも多数の被害が出ており、本会は直ちに熊本県保険医協会に対し支援金500万円を送るとともに、本会会員にも支援募金を要請した。熊本県保険医協会の調べでは、会員医療機関で全壊が9件、半壊が42件、一部損壊が702件に上ったことが報告された。保団連を通し6,000万円を超える支援金や募金が全国から寄せられ、全額被災した会員への見舞金に充てられている。本会は被災地の一日も早い復旧・復興を切に願うとともに、今後とも積極的に支援活動に取り組んでいきたい。


 (2)患者負担増計画の歯止めに向けた取り組み 

 


 経済財政諮問会議は、「経済・財政再生計画」に基づき経済・財政アクション・プログラムを策定し、その中で社会保障制度改革メニューの工程表を示した。安倍政権は平成28年度から3年間、毎年社会保障費の増加を5,000億円程度に抑えると宣言し、厚労省の社会保障審議会でもこれを受け、平成28年12月に「議論の整理」をとりまとめ発表した。具体的には「70歳以上の高額療養費制度の限度額の引き上げ」「後期高齢者の保険料軽減特例の廃止」「受診時定額負担の導入」「入院時の居住費の引き上げ」「市販類似薬の保険外し」など一方的に患者負担増を強いる政策が目白押しで、とりわけ高齢者への負担増は過酷なものとなる。世代間・世代内の公平性や負担能力に応じた負担のあり方を見直しの根拠としているが、経済収入のみに着目した公平性の判断は、世代間扶養を本質とする社会保障の理念から逸脱するものである。


 こうしたことから本会では、保団連、全国の保険医協会と連携し、平成28年春から「ストップ!患者負担増」の運動を展開した。会員に対し患者負担増計画に係るパンフレットを配布するとともに、院長署名、患者署名運動を展開し、9月には札幌市の大通公園で街頭宣伝行動を行い、道民に改悪案の内容と問題点を直接訴え理解を求めた。今後、上程されるこれらの改悪法案の成立阻止に向け、さらなる運動の推進、拡大が必要とされる。


 (3)地域医療構想へ積極的に意見発信 


 平成26年に成立した「医療介護総合確保推進法」により、各都道府県では地域医療構想の策定作業が進められた。2025年に向けて地域における医療需要と病床の必要量を推計し、病床機能を分化させ、適正なベッド数を整備するという計画である。地域の医療事情に応じた体制の確保が求められるが、本道では過疎、広域、冬期のアクセス等の特殊事情に加え、札幌圏以外では医療スタッフの充足度は低く、より入念な整備計画と体制の構築が求められる。ところが、道が策定した地域医療構想は、病床機能の分化、病床数の目標設定のみに主眼が置かれ、在宅医療の確保等の取り組みが十分とは言えない。単に国から示された基準で安易に病床数を決定していくのであれば、地域の実状が反映されないばかりか、病床削減ありきの入院医療抑制の機能しか果たさないことになる。


 本会では道が募集したパブリックコメントに対し、急激な病床削減は地域医療を崩壊させかねないとし、「病床規制に先行して在宅医療、在宅介護の受け皿整備を進めること」や「在宅偏重ではなく、入院・入所療養の効率性に目を向けること」などの意見を提出した。地域医療構想は今後の医療体制のあり方に関わる重要な政策であり、本会でも引き続き意見、主張を積極的に発信し地域医療の充実に努めていく。


(4)医療現場を混乱させた診療報酬改定 


 平成28年4月の診療報酬改定は、本体でプラス0.49%に留まり、個別でも医科0.56%、歯科0.61%、調剤0.17%と微増の改定に終わった。外枠項目を加えるとマイナス1.44%となり、医療関係者の期待を大きく裏切る結果となった。 


 入院医療では7対1一般病棟入院基本料で「重症度、医療・看護必要度」の施設基準が引き上げられ、急性期病床の切り崩しが進められた。地域の要請や医療機関の意向に反し、病棟再編を迫られる医療機関が多数に上ることが想定される。また、療養病棟入院基本料2や特殊疾患病棟など慢性期病床にも重症度の要件が導入され、長期入院患者の追い出しを促した。在宅での受け皿整備が十分整わない中で、多数の患者が行き場を失う事態が起こりかねない。 


 在宅医療では点数解釈が一層複雑化し現場を混乱させている。在宅時(施設入居時等)医学総合管理料では、点数設定を同一建物における1回の訪問診療の人数から、当月内の診療人数に変更するとともに、診療回数、重症者等の要件も加わり算定要件はさらに難解となった。また、改定毎に算定点数が激しく上下し、安定的に在宅医療を提供できる環境とは決して言えない。在宅医療に積極的に取り組む医師を支援し、看取りも含めた在宅医療に十分対応できる診療報酬体系の確立が必要である。


 また、近時の診療報酬改定の特徴として、いわゆる「アウトカム」評価が加えられた点数が組み込まれている。今回は摂食機能療法で胃瘻造設患者の経口摂取移行率、ニコチン依存症管理料では禁煙成功率が施設基準に加えられた。治療成果を客観的に評価する仕組みとされるが、基準に到達するよう改善見込みのある患者の選別に繋がる危険性も含んでいる。重症者などの回復が難しい患者を積極的に受け入れる医療機関が一方的にリスクを負うことが無いよう慎重な運用を求めるとともに、成功報酬とも言える算定要件が安易に加えられることには反対の声を上げていく必要がある。


 歯科では、歯科部が保険講習会等を積極的に開催し、会員より診療、審査等における改善要求の集積を行い、保団連を通じて厚労省交渉を重ねた結果、平成28年度改定では算定要件の緩和や具体的項目の点数引き上げがなされた。しかし、厳しい歯科医院経営や疲弊した医療環境を改善するには程遠い状況にある。また、地域包括ケアシステムの推進として、かかりつけ歯科医機能の評価、在宅医療、医科歯科連携、全身疾患を有する患者等への対応等を具体化する施設基準が設けられ届出に係る研修会を開催した。しかし、これらは医療機関の機能分化や患者のフリーアクセスの阻害、包括管理の強化による医療費抑制が目的であり、今後も歯科医療政策の動向を注視して行く必要がある。さらに、今後の歯科医療の進むべき方向性に関して、「歯科臨床講演会」では地域包括ケアシステムへの歯科からのアプローチに関して、「歯科会員集会」では歯科医療の過去・現在・未来に関して講師を招き講演会を開催し、広く会員、医療関係者と意見交換を行った。


 本会では診療報酬改定の内容、疑義等について各種研修会を開催し会員への情報伝達に努めた。また、不合理改定項目については早期に改善が図れるよう保団連を通じ行政機関等に働き掛けるとともに、次期、医療・介護同時改定に向け保団連、全国の保険医協会等と連携し是正要求運動を活発に展開した。


(5)次世代を支える「子どもの医療」への取り組み 


 保団連が「子ども医療費無料制度創設」に向けた運動の一環として、全国の子ども医療費助成制度の実施状況について調査を行い、本会も平成28年9月に道内の全市町村を対象に調査協力を行った。調査結果では136の自治体において、道の助成基準を拡大した独自の助成制度を実施していることが明らかになった。さらに、町村では高校生まで助成拡充する自治体が多い一方、各市では大半が助成対象を義務教育年齢までとしており、人口規模に伴い制度内容にも大きな隔たりがあることが判明した。


 乳児・学童期に十分な受診機会を与えることは、子どもの健全な育成に寄与するだけではなく、地域の発展や将来の社会保障の在り方にも影響を与えるものである。自治体の財政状況に左右されることなく、地域格差の無い充実した制度の実現が望まれる。そのためには、国の責任で統一的な制度となるよう早期の法制化が必要である。同時に、助成制度を実施する自治体に対する国保補助金減額のペナルティ措置が制度拡充を妨げており早期の撤廃が求められる。本会では平成27年度に実施した子どもの予防接種の公費対象拡大に向けた運動とともに、子ども医療費の助成拡大、さらには無料化へ向け、保団連、各関係団体とともに取り組んでいきたい。


  (6)他団体との協同、意見交流の広がり 


 医師会、医療関係団体等の協同事業、意見交流を積極的に行い、本会の活動理念、運動方針について広く理解を求め、地域医療の拡充、改善が図れるよう活動を行った。平成29年1月に札幌市医師会政策部と薬価問題、地域包括ケアシステム等をテーマに懇談会を行い、3月には北海道医師会とも患者負担増計画と平成30年度医療・介護同時改定をテーマに懇談会を行った。歯科部では平成28年7月に北海道歯科医師会と懇談し、本道における歯科医療問題について議論を交わした。また同月に、北海道歯科衛生士会及び札幌歯科技工士会との合同懇談会も開催し、「技工料」、「在宅歯科」などの問題につき意見交換を行った。さらに、10月には同2団体と協同で「歯科市民集会」を開催し、一般を対象に歯科医療の知識の普及と口腔衛生の啓発に努めた。平成29年3月には札幌歯科医師会と歯科技工問題、被保険者証の窓口確認問題等をテーマに懇談を開催した。今後も精力的に他団体との懇談活動、協同事業を企画・実施し、交流の輪を広げていきたい。


  2.平成28年度の各部活動報告について 


 平成28年度の本会の活動は、昨年の代議員総会の決定事項に基づき医療保険制度の改善、地域医療の充実を目指し会務を遂行した。 


 具体的には各部が連携、一体となり以下の諸活動を行ったので報告する。


 


 総務部


 財政部


 事業部


 政策部


 研究部


 広報部


 共済部


 組織部


 歯科部


 


 

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