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平成29年度活動方針

 はじめに

 経済再生、財政の健全化の名のもと進められる「経済・財政一体改革」は、超高齢社会を迎えた社会保障費の自然増までも無理やり押さえ込み、国の責任をますます後退させ「自立」「自助」を声高に唱えている。平成29年度には、患者の負担増を強いるさまざまな社会保障切り詰め政策が具体化されようとしており、国民生活はさらに困窮することになる。地方でも、平成30年度から開始される第7次医療計画、第7期介護保険事業計画等の審議が本格化し、本道の医療・介護の体制が形づくられていく。こうした重要な局面にあたり、本会は活動の理念である「国民の健康を守るため保険医療の改善を期し、併せて保険医の生活安定を実現」するべく、平成29年度も社会保障の充実、改善に向け積極的に活動していく。 

 また、昨年4月に発生した熊本震災では多くの医療機関で甚大な被害が発生した。1日も早い復旧・復興を祈念し、未だ傷跡の癒えない東日本大震災による被災と一向に進まない原子炉の廃炉対策を注視しながら、災害復興支援について共に積極的に取り組んでいきたい。

 

基本活動方針

(1)我が国の情勢と今後の課題
 
 アベノミクスの金融緩和・財政出動・成長戦略の三本の矢は、停滞する日本経済に効果はなく、政策が失敗したにもかかわらず「道半ば」とうそぶいている。安倍首相は今通常国会の施政方針演説で、「少子高齢化、デフレからの脱却と新しい成長」を政策目標とし、名目GDPの増加や企業倒産数の減少、有効求人倍率の上昇などを自らの実績として強調した。しかし、名目GDPはここ最近足踏み状態が続き、有効求人倍率も、求職者数自体の減少に加え、介護職など人手不足の業種が全体を押し上げていると見られており、経済効果としては懐疑的である。個人消費や消費者物価も低迷が続く中、「デフレの脱却」は程遠い。一部の大企業のみが恩恵を受ける経済政策によって生み出された貧困や格差の拡大に楔を打つべく、国民本位の政策を求め運動していく。

 政府は骨太の方針2016の中で、社会保障政策においてICTの促進やビッグデータの活用によるデータヘルス事業の取り組みを進める方針を示した。保険者によるデータの集約・分析、保健事業への取り組みを支援し、インセンティブ改革を図るとしているが、真の目的は、健康診断の受診を増やし、重複受診や頻回受診の是正、後発医薬品の使用など患者の受療行動を管理することである。セルフメディケーションの意識を高めつつ医療費を抑えるのが狙いであり、その促進は税制にも導入され、平成29年からは健康診断を受けるなどの要件を満たせば、一般市販薬の購入も税額控除の対象となった。しかし、税制の緩和というよりは、将来的な軽医療に対する保険外しの布石と見るべきである。このように必要以上に受診の機会を遠ざけることはむしろ重症化を招き、医療難民増加の要因になりかねない。また、マイナンバー制度でも指摘されているように、個人情報の侵害・管理・利用が、なし崩し的に拡大していく懸念もある。患者データの安易な活用拡大には反対の姿勢を示し、運用に際しては慎重な対応を求めていくことが重要である。 

 さらに、政府はレセプトの電子化を高圧的に推し進めた末、規制改革会議で審査に対してICTやビッグデータを活用し、審査基準の統一化、地域間の格差の解消、支払基金と国保の統合を図る方向を示している。こうした短絡的な審査業務の効率化・集約化は、患者の個別性、地域の特性さらに医師の裁量等現場の医療を無視し、個々の医療の質を低下させるものである。保険医はレセプトの電子化に対し多大の設備投資を掛けさせられた以上、我々の意見も尊重されるべきであり、今後も厳しく注視し意見を述べていく必要がある。  

 保険財政を圧迫する超高額薬剤の薬価設定についても是正の声を上げていく必要がある。新型がん治療薬オプジーボについては、保団連が国際価格調査により英国の5倍、米国の2.5倍であることを指摘した結果、50%の緊急引き下げが実現した。国民皆保険制度の堅持の立場から、新薬の薬価設定過程の透明化と適正化を進め、経済的な不安なくがん治療が受けられる薬価制度のあり方を検討するよう求めていきたい。
 
(2)医療・社会保障を巡る情勢
 
 医療費を始め社会保障費の患者・国民の負担増の流れは一向に止まらない。平成13年に発足した小泉政権による構造改革以来、医療費問題は官邸主導となった。「経済財政諮問会議」と「規制改革推進会議」を使い分け、格差拡大を顧みず、ますます生活困難者や高齢者の負担増は過酷さを増し、限られた年金や収入で生計を賄う国民にとっては既に限界に達している。その上、安倍政権ではマイナンバーを活用して、個人の保有資産に応じた負担のあり方を検討する方針まで示しており、その流れをさらに加速させようとしている。国民の生命、健康、生活の安定は憲法で保障された権利であり、国はその義務を負っている。患者・国民にいつでも必要な医療・介護が提供され、日々の暮らしが不安なく送れる社会環境を作り上げることこそ超高齢社会にある日本に求められる政策課題である。

 「規制改革推進会議」は2014年、厳しく制限されていた混合診療を拡大する案をまとめた。保険診療と保険外の自由診療を併用する「患者申出療養制度」の創設である。この制度は、患者の同意があれば混合診療が実施できることを柱としている。「医療に関する患者の選択肢を増やし、経済的負担も軽減される」と混合診療拡大の意義を強調している。 

 また、同会議は昨年、「完全な遠隔診療」を解禁するように厚生労働省に求めた。厚労省の通知では、現在の遠隔診療は対面診療を組み合わせた場合のみ認められているが、企業の健康指導などの利便性を高めると主張している。都市部で保健所から遠隔診療を認められなかった事例などを取り上げ、育児中や多忙といった理由での遠隔診療や、メールなどで患部の写真を送ることを画像診断に含めることなどを認める方向で検討する。

 「経済財政諮問会議」の薬価などに対する中医協への介入は、「社会的共通資本である医療制度は、国家官僚によって国家の統治機構の一環としてつくられ管理されるものであってはならないし、また儲けを基準とする市場的メカニズムに任せるものであってはならない。」(宇沢弘文氏)という大原則をなりふり構わず踏みにじるものである。

  「経済財政諮問会議」は骨太の方針2015で示された「経済・財政再生計画」を着実に推進する指針として、平成28年末に「経済・財政再生アクションプログラム2016」を発表した。社会保障費の自然増を5,000億円程度に抑えることを目標に、主な施策として、|楼莪緡店汁曚鉾爾ι他穏鏝梱▲如璽審萢僂砲茲詈欷閏垉’修龍化I蘆瓦慮平化による高齢患者の負担増じ緘医薬品の普及と服薬管理の強化などを掲げている。これらの政策は今通常国会でも関連法案が上程されるなど具体化に向け進んでいる。平成29年度に導入が見込まれる医療保険の改悪項目は「後期高齢者の保険料軽減特例措置の廃止」「入院時居住費の負担対象者の拡大と負担額の引き上げ」「70歳以上の高額療養費の負担限度額の引き上げ」など高齢者を狙い撃ちにした政策に重点が置かれている。介護分野でも「自立・自助」の原則を強調し、「現役並所得者の利用料の原則3割負担化」、「利用者負担上限額の引き上げ」など、さらなる負担増を求める政策が中心となっている。高齢者の疾病リスクを考慮せず、社会保障の原点である支え合いの精神をも無視した「負担の公平化」では、国民の理解は到底得られない。今回は導入が見送られたものの、「かかりつけ医」以外の受診時定額負担や、市販類似医薬品の保険外しも提案されており、近く再度議論の俎上に載せることも予想出来る。介護保険でも利用料の原則2割化や要介護1、2の利用者の生活援助の保険外しなどが打ち出されており、医療保険・介護保険の利用を妨げる目論見を隠そうともしない。 

 また、平成29年度は地域医療の将来像が描かれる年となる。各都道府県では、「地域医療構想」が策定されたが、入院医療の必要量を低く見積もり病床削減へと導いていくことが決定的である。そして、平成30年度からスタートする第7次医療計画、第7期介護保険事業計画等は、この内容を反映して医療・介護の供給体制が整備される。医療・介護の供給量(給付費用)を制限し、需要(患者数)を調整する仕組みに利用されれば地域医療の崩壊は一層歩みを早める。また、医師の偏在問題も本道にとっては深刻な問題である。地域医療構想に伴う医療機能の集約化に加え、現在検討が進められている新専門医制度が導入されれば、特定機能病院等の大病院や大都市に医師が集中し、偏在がより顕著となる。医師の自主性を保障しつつ、国の責任において地方でも都市部と変わりない研修体制、就労環境が整備され、地域格差なく医師の配置が充足するような施策を求めていく必要がある。 

 政府が地域医療の柱の政策に据えている地域包括ケアシステム(川下の改革)は、病床再編で押し出された患者の受け皿作りが中心で「自助を基本としながら互助・共助・公助の順で取り組む(厚労省)」姿勢を鮮明にしており、本会は以前から国民のニーズや地域特性に応じた医療提供体制の整備としては不十分であると指摘してきた。セルフケアなど「自助」を基本とし、ボランティアや住民組織など補完的に「互助」の支援的役割を担わせる一方、財源負担など国の責務を後退させており、単に地域の責任で高齢者ケアを賄わせるだけのシステムといえる。さらに医療・介護の現場で関心が高まりつつある在宅歯科医療、口腔ケアへの対応に関し、歯科医療機関がどのような位置づけで参画していくべきかの指針や具体策は未だ示されておらず、広域にわたる本道の地域医療の中で医科歯科連携をスムーズに浸透させていくための対応を自治体、関連団体、関係機関・施設等と早期に進めるべきである。

 地域包括ケアシステムを急激に進行する超高齢社会に対応する重要施策と位置づけるのであれば、社会保障財源を十分投入し、地域で雇用を生み出し地域経済効果をも誘発させるなど、地域振興に貢献し、併せて地域住民の健康増進にも繋がる「真の地域包括ケアシステム」として構築しなければならない。

 平成30年度改定は医療保険、介護保険の同時改定となる。中医協では、改定に向けた検討が開始され、平成29年12月には「診療報酬改定の基本方針」及び「改定率」が決定する。次期改定の主な検討項目として、「かかりつけ医機能とかかりつけ歯科医機能」や在宅医療では「重症度や居住形態」などが引き続き取り上げられている。外来診療の包括化や在宅点数のさらなる複雑化など、新たな不合理が生じないよう具体的な要求を掲げて運動を進めることが肝要である。歯科では、前回改定で技術料の抜本的引上げが見送られ、医療環境や経営危機を打開するには依然として厳しい状況にある。特に「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所」をはじめとするハードルの高い施設基準が増加したことは、医療機関の機能分化と差別化、包括管理の強化につながり、患者のフリーアクセスを妨げる可能性がある。医療技術と直接関係しない届出の有無が歯科医療機関の再編、淘汰に利用されることのないよう活動を強化する必要がある。加えて、会員から医療現場での改善要求を集約すると共に、口腔管理、口腔ケアの専門職としての歯科衛生士の評価、「歯科技工問題」の抜本的な改善のために、歯科医療費総枠の拡大と基礎的技術料の適正な評価など実態を反映した歯科診療報酬の大幅な引上げも要求していく。

 地域医療の拡充、医療機関の経営改善、医療の質のさらなる向上のため、現行の不合理項目の早期是正に加え、次期改定では大幅な引き上げを実現させるよう、保団連をはじめ全国の保険医協会等と連携し、関係各機関等への働き掛けを行っていきたい。



活動方針の具体化 

(1)医療制度改善に向けた運動
 
 平成29年度も公的給付の削減、患者負担増を狙う数々の改悪メニューが準備されている。本会は地域医療を担う第一線の立場から、「いつでも、どこでも、だれも」が安心して保険証一枚で受診できる医療を目指して引き続き諸活動を進めていく。平成28年4月から保団連をはじめ各保険医協会と連携し取り組みを始めた「ストップ!患者負担増」署名運動は、全国的にも多くの賛同を集め、本道では2,000筆を超え全国では19万筆にも及んだ。保団連では今通常国会での患者負担増計画の阻止に向け、新たに「医療・介護の負担増の中止を求める緊急署名」(略称:今こそストップ!患者負担増署名)に取り組んでおり、本会も積極的に参加し会員及び患者、道民へ協力を訴え、要求実現を目指していきたい。

 児童期までの年代は罹患率が高く、アトピー性皮膚炎、喘息等の長期の治療を要する疾患も多いことから、早期治療、継続治療が必要とされる。しかしながら、「子どもの貧困率」が上がる中、受診の機会が十分に与えられない子どもたちも増えている。さらに、昨年度の本会調査では子育て世代を経済的に支援する医療費助成制度も、自治体により助成内容に相当の格差があることが明らかになった。制度の安定的な実施に向け、自治体任せではなく国が責任を持ち十分な財政支援を行うことが必要である。本会では昨年度、道内の地方議会に対し「国による子ども医療費無料制度の創設を求める意見書」を採択するよう要請を行った。併せて、医療費助成制度を実施する自治体へのペナルティー措置である、「国民健康保険療養費国庫負担金の調整(減額)廃止を求める意見書」の採択要請も行った。将来の日本を支える子どもたちの育成は最重要課題との認識から、今後は国が中心となり子どもの医療費助成を支援する体制を確立させるとともに、中学生までの無料化制度の早期創設を求め国や自治体に向け運動していく。

 さらに、こうした要求運動を展開する上で、重要なのは患者・道民の理解と協力、加えてマスメディアに対する積極的な情報発信にある。本会ではこれまで実施してきた、医療フォーラム、公開医政講演会、街頭宣伝活動、歯科市民集会等を引き続き開催し、医療・介護を巡る問題について広く提起し意見交流する場を積極的に設けていきたい。また、日々変化する医療情勢・政治情勢について、迅速、適確に会員に情報提供できるよう北海道保険医新聞、ニュースレター、ホームページ等を活用した広報活動を充実させる。

(2)医療経営等と生活の安定を図る運動 

 国の低医療費政策により医療機関の経営環境は改善の兆しが見えない。税制面では実質的な最終消費者となる医療機関にとって消費税増税による打撃は大きい。10%への増税を阻止し、ゼロ税率の適用を求め引き続き運動していく。医療法等の改正に伴い法人の体系も多様化し、経営判断も困難を極めている。また、労働法令等の改正に伴う労務管理や人材育成、税制改正による課税対策などは、事業主たる開業医を煩わせており、医療経営に資する情報の収集や知識の修得が必要とされている。本会では会員の日常業務をサポートすべく、今年度も「開業医のための実務セミナー」「歯科スタッフセミナー」「接遇マナー講座」等の日常業務に役立つ各種研修会を開催する。

 平成30年度診療報酬・介護報酬の同時改定に際し、新点数検討会や保険診療セミナー(医科)、保険講習会(歯科)などを通じ、会員へ迅速な情報と正確な算定解釈等を伝達し保険請求の円滑化に寄与する。また、日々の窓口業務での疑問点、保険診療上の疑義や相談、個別指導や適時調査等の行政調査への対策等についても懇切丁寧に相談に応じる。

(3)組織拡大と共済活動の充実 

 会員の高齢化に伴い閉院や死亡退会が増加しており、会員数も漸減傾向にある。会員のメリットを高め魅力ある組織となるよう会員サービスの向上に努める。昨年度は「開業医のための実務セミナー」を初めて札幌以外の函館地区支部で開催し新規会員の加入を得た。今年度も札幌以外の会員にも本会の活動がより一層理解されるよう各種行事を企画したい。また、勤務会員へのメリットを高めると同時に、前期研修医など若い医師層を対象にした各種サービスを検討していく。 

 共済制度の普及では、休業保障共済保険、保険医年金、団体定期保険の三大共済制度の加入拡大に努める。損保商品と重複受給の可能な休業保障共済保険、定期預金より遥かに有利な保険医年金、還付率が高い団体定期保険など、その特徴を最大限アピールし取扱い生命保険会社とも連携強化して普及拡大を図るとともに組織拡大にも繋げる。 

 また、会員及び従業員等の親睦を目的とした、ボウリング大会、親子キャンプ旅行、バスツアーなどのスポーツ・レクリエーション行事は毎年好評を博しており、今年度も企画を充実させ開催していきたい。

(4)医師会、歯科医師会との協調、医療団体、その他各団体との連携

 医療制度改善に向けた本会活動への理解と連携を目的に、これまでも北海道医師会、北海道歯科医師会を始め各種関係団体と定期的に懇談等を通じ意見交流を行ってきた。今年度も道民の健康増進、地域医療の向上を図るべく積極的に各団体との連携、交流を図りたい。また、北海道歯科衛生士会、札幌歯科技工士会に協力を求め、協同事業の開催も引き続き企画していく。

(5)会務執行体制の強化と健全財政の維持

 法人化4年目を迎えるにあたり、法人機構の整備を進め、組織体制を強化し管理機能の充実を図る。また、本会の特徴である医科歯科一体の活動を効果的に展開するべく、各部との連携・調整の円滑化に努め、医科歯科一体の事業活動の企画・開催等の具体化に繋げる。 

 組織内外の活動をより活発化するとともに、均衡のとれた予算編成と健全な財政運営に務め安定的な組織運営を図っていく。

 

 選挙に対する態度

 我が国の医療・介護等の社会保障制度の崩壊が進みつつある中、国民一人ひとりの選挙に対する責任は極めて重い。今年度は解散・総選挙の見通しもあるが、本会としては特定の政党、個人の支持・不支持は行わず、会員の思想、信条、政治的自由を守る態度を堅持する。
 
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