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北海道保険医会事務局

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2015年度本会活動方針

 はじめに

 昭和25年に結成された我が北海道保険医会は、昨年には全国に先駆けて一般社団法人化を成し遂げ、全国の保険医会・協会の中でも65年という長い歴史と実績を積み重ねてきた。「国民の健康を守るため保健医療の改善を期し、併せて保険医の生活の安定を実現する」とする会創設以来の目的を改めて進めていく。

 我が国の政治、経済が混迷を続け、誰もが将来に対する不安と閉塞感を募らせるなか、本会はいつでも、どこでも、だれもが安心して医療が受けられる国民皆保険制度の堅持と、保険医の権利を守り医業経営の改善を求める活動方針をここに提案する。

基本活動方針

1、我々をとりまく情勢

 安倍政権の看板である「アベノミクス」と呼ばれる経済政策、「異次元緩和」及び「機能的な財政出動」の結果は、東証1部上場の大企業中心の株価上昇と為替対策による輸出産業のみが潤う円安であり、「成長戦略」は遅々として進んでいない。消費や設備投資には向かっていないことは明らかで「実態経済」に問題があることは周知の認識であるが、デフレ脱却は結果として実質賃金の低下を招いている。「国土強靭化」の名の下、公共投資拡大で増えているのは非正規雇用であり、正規雇用はむしろ減少している。

 それではなぜ特に医療分野が「改革」の矢面に立つのか。この中で医療・介護部門は約40兆円の数少ない成長分野であるからこそ、この分野の「改悪」とも言える「改革」が極めて重要なのである。昨年6月医療分野の「新たに講ずべき具体的施策」が閣議決定された。それは、効率的で質の高いサービス提供体制の確立(非営利ホールディングカンパニー型法人)、公的保険外サービス産業の活性化、保険給付対象範囲の整理・検討、医療介護のICT化である。TPP参加も、ISD条項に対する対策もないまま同様に認めようとしている。

 米国の民間医療保険会社は、明らかに経済的利潤を得るための市場と捉えている。混合診療が認められれば公的保険は縮小し、自由診療にかかる高額な医療費の支払いはノウハウを持った外資保険会社にとってはお手の物である。安倍政権は「日本の皆保険制度は守る」と公約しているが具体的な対応策もせず「絵に描いた餅」にしかみえない。

 憲法25条で保障された生存権と、医療人と国民の努力の上に築き上げてきた社会保障としての国民皆保険制度を否定する暴挙であり、絶対に容認できない。

 医療は貧富の差に関わりなく平等に提供されるべき「社会的共通資本」であり、市場原理に蹂躙されることなく発展されるべきものである。

 安倍首相は、2月12日の施政方針演説で「戦後以来の大改革」に取り組み「社会保障の安定と充実を」としたが、その中身は介護報酬と給付の削減、患者のためとこじつけた患者申出療養の創設、海外医療技術を享受できるとした保険外併用療養の拡大など、社会保障充実とはかけ離れたものとなっている。また、「骨太方針2014」では、「社会保障費について『自助・自立のための環境整備』を行い、いわゆる『自然増』も含めて聖域なく見直し、徹底的に効率化・適正化していく必要がある」とし、小泉「構造改革」の医療崩壊、介護難民の過ちを安倍政権もまた繰り返そうとしている。我が国の医療健康水準は高く、先進国と比べて国庫負担率が低いなかで世界一を達成している。医療費抑制の根拠としている厚労省のデータは、誤った医療費の伸び予測値や、一部を誇張した医療経済実態調査などに基づいており、即刻改善すべきである。

 医療側の一部にも「混合診療」を拡大し市場原理を導入すべきとの声があるが、それらの矛盾は皆保険制度を充実させるなかで解決すべきであり、保険制度そのものを形骸化する動きは結果として「健康格差社会」に手を貸し、政府・与党の望む「医療構造改悪」を利するだけである。とくに、TPPの前倒し国家戦略特区の具体化は警鐘を鳴らしつつ監視を強める必要がある。

 政府は公的責任の縮小と「営利市場化」を進めるために、国保都道府県単位化と医療削減システムの構築、地域医療ビジョン、専門医制度改革、地域連携型医療法人制度、ヘルスケアリートなどを進め、医療提供体制と医療保険制度を構造的に変質させ、医療機関の格差と分断をはかって集約化と切り捨てを図ろうとしている。最大の狙いは、「持続可能な医療保険制度の財政基盤の安定化と保険料負担の公平性確保」と称して公的医療給付費を抑制することにある。

 また「患者申出療養」は、2016年から患者自己負担による診療を実施するなど混合診療を無制限に拡大し、皆保険制度の実質的形骸化を推し進めるものであり断固反対する。

 「社会保障改革プログラム法」による供給体制再編計画、医療費適正化計画、国保制度見直しを軸にした新たな医療保険抑制策が盛り込まれ、都道府県に責任を転嫁して医療費適正化計画の名の下に医療費の抑制を義務付けるなど、地域の実情を無視した「地域格差」を押し付けようとしている。

 国民健康保険運営の都道府県化は、医療費推計に基づく医療費適正化=削減を進めることであり、単純に医療費の低い市町村に保険料を平準化する仕組みや市町村など一般会計からの繰り入れを制限し、後期高齢者支援金の負担方法を全面総報酬割への変更など、国保財源確保と保険給付の両面で国の責任を放棄するものである。構造的問題を抱える国保財源は小手先のやり繰りでは解決せず、国の責任を明確化し国庫負担を抜本的に拡充すべきである。

 地域医療構想策定ガイドライン等に関する検討会は、現在の療養病床の入院受療率を全国最小から中央値の間を目標に低下させるよう求めた。寒冷地など地域の実情を無視した病床削減が進めば多くの患者が行き場を失うこととなる。

 また、医療事故調ガイドラインが実行されようとしているが、欧米などでは過剰な刑事責任の追及を是正するために、「重過失」または「故意」に行われた「相手が死んでもかまわないとする無謀な行為(recklessness)」に限定されている。刑事裁判は責任追及が目的であり、原因究明・再発防止に繋がらず、訴追された医師は過重な損失を被り、遺族も決して満足を得られない。現在のところ作成した院内事故調査結果報告書の取り扱いについては問題が先送りされており、今後も注視していく。

 政府は「個人情報保護法及びマイナンバー法」を改悪し、マイナンバーと予防接種履歴等の連携や特定健康診査などに利用範囲を拡充する方針だ。そして保険証とマイナンバーを関連付け、医療介護のICT化による更なる医療費抑制を目論んでいる。また、マイナンバーの民間利用を促進し、処方箋医薬品と要指導医薬品のインターネット販売推進や、個人番号カードを保険証として利用するなど、個人情報保護や安全性よりも利便性・営利性追求を画策している。しかし、機微性の高い医療分野の個人情報はマイナンバーとは別の医療等IDとして独立させることで、上記個人情報の安全性を高め、営利産業化から医療を守らなければならない。

 北海道保険医会の活動は、我が国の誇るべき医療制度を守り、われわれの医業経営を守ることに原点がある。「医療保険制度改革法案」は、国民皆保険制度を形骸化し医業経営を一層困難にさせるものである。本会は、道民の健康と医療を守るという立場のあらゆる団体と連携し、組織を挙げて「医療制度改悪阻止」の運動を強力に展開する。

活動方針の具体化

 
1、保険診療改善の運動

 国民と医療機関に犠牲を強いる「医療改悪」に対する改善運動を強力にすすめる。憲法第25条に基づき、社会共通資本としての医療を充実、発展させるために、従前にも増して地域住民に身近な運動となるよう取り組む。とくに、患者負担の軽減や後期高齢者医療制度の廃止と抜本的見直し、制限医療や格差医療に繋がる混合診療の拡大の阻止、不十分な特定健診・特定保健指導の見直し、介護療養病床廃止の撤回、社会保障費の拡充、公的医療費の総枠拡大の要求する。

 北海道の医療実態に関連したデータを調査、収集、分析し、運動の質的向上を図る。

 医学医療の進歩に対応した研修会を開催し、テキストの発行などを通じて医療技術の向上と保険診療の充実を図る。

 不当な指導・監査に反対し、医学の進歩がすみやかに保険診療に反映されるよう運動する。

 介護保険制度では、改善と引き上げを求め、会員や患者住民の声に応えて制度改善の運動を行っていく。

2、医療経営等と生活の安定を図る運動

 診療報酬の四期連続マイナス改定により生じた差損は補われないままで、医療機関経営の窮状は依然改善されていない。医療技術を重視するとともに地域医療活動に専念できるよう、適正な評価を求め、診療報酬改善を要求していく。

 歯科では、今次診療報酬改定による影響調査(保団連歯科会員アンケート)を行ったところ、改定後、約4割が減収になったと回答、その理由の7割以上が患者減であり、全体として経営状態がさらに悪化していると指摘した。中医協では、次期改定についての議論が始まっているが、歯科医療への期待の広がりに応え、今後ますます役割を発揮していくためにも、歯科医療費総枠の拡大と歯科医療の実態を反映した診療報酬を求め、大幅改善を目指していく。

 また、改定に際して、新点数検討会、歯科保険請求・審査に関する講習会を通じ会員の理解を深め、経営改善に寄与するような活動を行う。

 事業税非課税の見直しが見送られたが、時々の交換条件の引き合いにされており、引き続き非課税の存続を訴えていく。さらに、医業経営に大きな悪影響を与えている「控除対象外消費税」の解消に向け医療機関に対するゼロ税率方式の適用を求める。

3、組織拡大と共済活動の充実

 自民党政権下「骨太方針」が復活し「医療構造改革」は依然として重くのし掛かっている。医業経営が益々困難になっている今こそ、「頼りにされる保険医会」を目指して会員増加に努める。

 高齢化に伴う廃院や死亡による退会の増加、世代交代に伴う医業環境の変化に対応し、開業医のための実務セミナーなどの企画を通じて、広く未入会の保険医に働きかける。さらに、今後新たな研修医・専門医認定制度により増加が予想される研修医を無料会員として迎える検討も必要である。

 募集が再開した万が一の疾病に備えた保険医休業保障共済制度、他と比べて還付率の高い団体定期保険、公的年金に上乗せした、定期預金よりはるかに有利な保険医年金の三大共済制度および銀行提携会員融資制度の充実を図る。さらに、会員ニーズに応えた質の高い分化、スポーツ、レクリエーション活動を支援する。

 支部組織の整備、支部活動の活性化のために、支部研修会、保険講習会、地域懇談会を開催する。

4、医師会、歯科医師会との協調、医療団体、その他各団体との連携

 医療保険、医療制度、介護保険制度の改善をめざす運動では医師会、歯科医師会、医療関係団体、歯科衛生士会、歯科技工士会、その他諸団体と連携し活発な活動を展開する。

5、会務執行体制の強化と健全財政の維持

 法人格を取得して2年目を迎える、一般社団法人に相応しく公益性を認識した会務運営に努める。

 医科歯科一体となって、さらになる組織強化に努める。

 各部担当理事の役割分担を明確にし、各種委員会、その他の活動に協力を得られる会員、研究者の参加を求めて会務の充実を図る。

 会務の活動を支える健全財政の維持に努め、厳正なる会務および会計の監査により経理ならびに会務の正確を期す。

 事務局は執行部を補佐し、その活動を実質的に保障、運営するよう努める。 

選挙に対する態度
 
 わが国の医療、国民皆保険制度が崩壊へと導かれる政策が行われている現在、国民の一員として我々の選挙に対する責任はきわめて重い。

 本年は参議院選挙の年であるが、本会としては特定の政党、個人の支持、不支持は行わず、会員の思想、信条、政治的自由を守る態度を堅持する。
2、医療をとりまく情勢

 安倍政権は、今国会に「医療保険制度改革法案」を上程した。その中身は、「負担の公平化」の名の下、総ての世代に負担増を押し付け、医療保険の給付を削減する公的医療費の抑制にある。われわれ保険医療機関の健全な経営はもちろん、地域医療にとっても壊滅的な影響を受ける。
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